立憲民主党は3月29日、党本部で「2026年度定期党大会」を開催しました。当初は2月11日に予定されていましたが、衆議院解散総選挙を受け日程を変更し開催に至りました。国会議員代議員は会場から、都道府県連代議員はオンラインで出席しました。
■大会議長あいさつ
冒頭、田名部匡代幹事長の進行により、議長として福士珠美参院議員と小沢雅仁参院議員を選出しました。
議長に選出された福士議員は「この党が結束して前に進んでいけるように私も力を尽くしてまいりたい」、小沢議員は「党の再建に取り組む決意を内外に示し、党が一致結束して取り組んでいくことを確認する極めて重要な大会」とあいさつし、議事へと移りました。
■来賓あいさつ 芳野友子連合会長
連合の芳野会長は⑴中東情勢⑵賃上げ⑶衆院選後の国会――について言及しました。中東情勢について「子どもを含む民間の命や市民の平和な暮らしが容赦なく奪われている現地の状況を見ると、胸が締め付けられる思いがする」と述べ、「民主主義、平和なくして労働運動なし」との考えのもと、即時停戦と和平の実現に向けた取り組みを訴えました。
次に、2026春闘では「こだわろう暮らしの向上」をスローガンに掲げ、「確実に賃上げを実現し、加えて実質賃金を1%上昇軌道に乗せる賃上げノルマの確立を目指している」と強調し、今後さらに「中堅中小、小規模事業者、さらには地方経済の隅々にまで賃上げを波及させるべく、取り組みを進めていきたい」と述べました。また、先の衆議院議員選挙について「働く者、生活者のための政策を実現する政治を取り戻す重要な局面」と位置づけて戦ったものの、厳しい結果となったと振り返り、今後の統一地方選挙や参議院議員選挙に向けて私たち連合と心を合わせ、力を合わせて戦う体制の構築に向け、引き続き連携いただきたいとしました。最後に、国会運営については与野党が政策で切磋琢磨する政治体制を求めてきたが、そうした姿が遠のいてしまった現在の国会運営に危機感を覚えていると指摘。そのうえで、立憲民主党に対し「国民の期待に応え、真価を示すような国会論戦を期待している」と期待を寄せました。
■来賓あいさつ 片野坂真哉経団連企業人政治フォーラム会長
片野坂会長は、ウクライナ・ロシア情勢や緊迫する中東情勢に触れ、国際情勢の行方は不透明さを増している。そのうえで、石油資源やエネルギー供給の不安定化が「国民生活、事業活動への影響も大変懸念されている」と述べました。また、日本が直面する中長期的課題として、絶え間ないイノベーションの創出を通じた科学技術立国の実現、税、財政、社会保障の一体改革の推進、地域経済社会の活性化、労働改革などを挙げ、「今こそ政治と経済がそれぞれの立場で果たすべき役割を果たし、相互に連携していくことが非常に重要である」と強調しました。
さらに、立憲民主党に対しては、党の基本理念である「立憲主義と熟議を重んずる民主政治」に触れ、「ぜひこの難局を前に、国会論議を深め、政策本位の政治の推進、そして政策の活性化にご尽力いただきたい」と期待を表明しました。経済界としても、「企業が課題解決のフロントランナーとなり、将来世代への責任を果たしていく」と述べ、政治と経済の連携による政策推進の重要性を訴えました。
■来賓あいさつ 小川淳也中道改革連合代表
小川代表は冒頭、「思わず『ただいま』と言いたくなる気持ちをぐっとこらえて、この場に立っている」と率直な心境を語り、先の衆議院議員選挙を振り返りながら、支援を続けてきた党員、サポーター、自治体議員らに感謝とお詫びの思いを述べました。そのうえで、世界的に「左右の極論」が広がっている現状に触れ、「理性に訴え、対話を呼びかける『真ん中の道』を歩むことは極めて困難だが、その道にこそ平和と安定、互いの尊重という本来あるべき社会の価値がつながっている」と強調しました。
また、「真ん中を自認する政治勢力が、互いに対話を重ね、互いに尊重しつつ力を合わせることが、今の日本、そして世界における最大の大義だ」と述べ、中道勢力の連携の意義を訴えました。さらに、基本姿勢として「生活者重視」「徹底した平和主義」「透明性の高い政治」を掲げ、「生活者重視は労働基本権の確立と表裏一体だ」として、連合との連携を深めていく考えを示しました。
あわせて、立憲民主党、公明党、自党の3党間による定期協議や政策協議についても言及し、「苦心の先にこそ、国内の平和と安定、ひいては世界の安定に貢献する道筋がある」として、責任を持って取り組む決意を述べました。
小川代表は最後に、「出自を共にするからこその厳しいお叱りや苦言を遠慮なく賜りたい」と呼びかけるとともに、立憲民主党のさらなる発展と活躍を祈念し、挨拶を結びました。
■来賓あいさつ 竹谷とし子公明党代表
竹谷代表は、水岡俊一代表から公明党、中道改革連合、立憲民主党の3党で三人四脚で頑張ろうとエールを受けたことを紹介し、「揺るぎない連帯の決意を持ってここに立っている」と述べました。立憲民主党の綱領にある「人間が基軸となる共生社会」と、公明党の立党精神である「大衆と共に」は深く響き合う理念であるとし、「国家のために国民がいるのではない。国民のため、庶民の幸せを守るためにこそ政治はあるべきだ」と訴えました。
また先の衆議院議員選挙については、公明党が中道改革連合を全面的に支援したことを振り返り、「平和を守る、そして庶民の暮らしを守るということにおいては、同じ方向を向いていた」と述べました。そのうえで、「対立や分断を乗り越え、様々な声に耳を傾けながら現実を変えていくことが、今の政治に求められている」と強調しました。
最後に、「国民一人ひとりが主役となる新しい政治、希望ある未来を立憲民主党の皆さんと共に作り出していきたい」と述べ、立憲民主党のさらなる発展と参加者の活躍を祈念して挨拶を結びました。
■代表あいさつ 水岡俊一代表
水岡俊一代表は、2月の衆院総選挙を支えた党員、協力党員、パートナーズや支援団体へ深い謝意を述べるとともに、野党第1党として政権交代を目指したこれまでの経緯と、今後の党運営の方針を語りました。
水岡代表は、1月の急な解散を受け、巨大与党に対抗する「野党の塊」を作るべく、党所属衆議院議員が「中道改革連合」から立候補するという判断に至った経緯を説明しました。その上で「『草の根の政治』『ボトムアップの党運営』を掲げてきた政党、党員・協力党員・パートナーズ、支援団体の皆様、そして日々支えてくださっている皆さまに、十分に説明する時間を持つことができなかった」と述べるとともに、「党運営で最も大事なことをおろそかにしてしまった」と重ねて謝罪しました。また、21議席にとどまった立憲出身者の当選結果を「厳しい敗北」として「重く受け止めている」との考えを示しました。
国会運営について、ホルムズ海峡をめぐる緊張によるガソリン価格高騰や、行き過ぎた円高が国民生活に影響を与えている点について政府与党の対策は不十分だと指摘しました。衆議院で300議席を超える与党が「数に任せた強引な議会運営」を進め、次年度予算案の審議期間短縮など、政府・与党の国会軽視は「国民主権をないがしろにするものだ」と批判、参議院においては、中道改革連合や公明党とも連携し、熟議の府として巨大与党にひるまず立ち向かう姿勢を強調しました。
水岡代表は「党の再建」を第一に掲げ、「『草の根の政治』『ボトムアップの党運営』そして『立憲主義に基づく政治の実現』にもう一度立ち返る」と表明するとともに「党綱領と基本政策を基に、働く者、生活者、地域で懸命に暮らす人々の声に根ざした政策を積み上げながら、党の再建に取り組む」と決意を示しました。
また、各自治体における中間選挙や2027年統一自治体議員選挙への取り組みについて、水岡代表は「公認・推薦、候補者育成、組織整備、広報や地域活動への支援を着実に進める」と示し、「都道府県連の体制整備、人材育成、情報共有、実務支援を進め、1人でも多くの仲間の当選につなげる」と説明しました。
「信頼は一朝一夕には戻らない。種をまき、水をやり、手をかけ続けてようやく芽が出るものだ」と語り、「暮らしの声に耳を傾け、仲間と励まし合いながら、一歩ずつ信頼を積み上げ直していく。その歩みを今日から始めたい」と語りました。
最後に「苦しい時こそ結束し、踏みとどまる『疾風に勁草を知る』政党でありたい」と述べるとともに、全議員に対し「立ち上がり、街へ出よう」と、全国党員、協力党員、パートナーズに向けて「ともに立憲民主党を立て直していこう」と力強く呼び掛けました。
■幹事長報告/議案提案 田名部匡代幹事長
田名部匡代幹事長は、「党を巡る環境が大変厳しい中、皆さまとともに、党のことを思い、党の未来を確認し合う場が持てましたこと、執行部の1人として大変うれしく思っています」と語ったうえで、「2025年度活動報告案」「2026年度活動方針案」「2025年度決算案」「2026年度予算案」について提案しました。
「2025年度活動報告案」では政策・国会活動について、(1)予算委員会での初の省庁別審査が実施され、党内に若手議員を中心とする「本気の歳出改革チーム」を設置。積み過ぎた基金へのチェックを行い、予算の修正にあたり、計3.8兆円の捻出に取り組んだこと、(2)少数与党国会の中では野党第1党としてのリーダーシップを発揮し、野党の結束を高めていく中で、高額療養費の自己負担額引き上げの凍結など、29年ぶりの本予算案の修正、長年の懸案となっていたガソリン暫定税率と軽油引取税の廃止を実現したこと――等を列挙。また、広報活動・組織活動・国民運動・つながる本部・ジェンダー平等推進・青年局活動などにも触れ、「このような積極的な党活動を展開し、来年の統一地方選挙での1人でも多くの当選につなげてまいりたい」と語りました。
「2026年度活動方針案」に関しては「何より先の衆院議員選挙に臨んでの党運営について、反省すべきところからスタートしなければなりません」と語り、(1)急な解散とはいえ結党過程での党員・協力党員・パートナーズ・総支部長・都道府県連・自治体議員への説明(2)立憲が掲げてきた考え方と、中道の考え方との間で違いが生じるなかにあってなぜ立憲が中道を支援するかの説明――等が不十分だった点に触れました。そのうえで「今回の選挙結果とその過程を重く受け止め、結党の原点である草の根の政治、ボトムアップの党運営、立憲主義に基づく政治の実現に立ち返り、党綱領と基本政策を基礎に、働く者、生活者、地域で懸命に暮らす人々の声に根ざした政党として、その役割を改めて明確にし、党の再建に取り組んでまいります」と述べました。
中道、公明との関係については、立憲として守るべき理念、政策、組織的自立性を明確にしつつ、次期参院選や地方選挙など、党を取り巻く情勢に十分配慮の上、あらためて丁寧な党内議論を行い、整理を進めていく旨を語りました。
特に、4月以降、政調会長を中心に、自治体議員から意見をもらう形で党の政策づくりを進めていくことを全国の自治体議員と確認したとして、地域から上がってくる現場の声をしっかり固めながら、政策づくりに励んでいく考えを示しました。
また、全国都道府県連の代表者、選挙責任者との午前中の意見交換を踏まえ、衆院総支部の取り扱いについての要件を明確化していくこと等も報告。 そのうえで本大会の議案として「2025年度活動報告案」「2026年度活動方針案」「2025年度決算案」「2026年度予算案」 は会場参加の国会議員、オンライン参加の自治体議員が一致して拍手で採択されました。