参院内閣委員会で5月19日、国家情報会議・国家情報局設置法案に関する参考人質疑が行われ、参考人として北村エコノミックセキュリティ合同会社CEOで元国家安全保障局長・内閣特別顧問、元内閣情報官の北村滋さん、日本大学危機管理学部教授の小谷賢さん、弁護士の海渡雄一さんが出席し、それぞれ意見を陳述しました。

 塩村議員はまず、政府が国家情報会議を「組織法」だとして、特定秘密保護法の制定時に設けられた情報監視審査会にあった監督や統制の仕組みについて、明確に答弁せずに将来的な検討課題という趣旨の答弁にとどめていることに対し、「中枢機関である以上、組織法であっても統制や監督を後回しにしてよいとは言えないのではないか」と指摘。国民の不安を払拭するためにも、今後2年から3年以内に制度創設と同時にチェック機能を整備すべきだと訴えました。

 これに対し北村、小谷両参考人は、今回の国家情報会議については「閣僚による民主的統制が組み込まれている」として法案に賛成の立場を示しました。

 しかし塩村議員は「国民が懸念しているのであれば、国会審議の中で歯止めを明確にし、将来にわたる方向性を示しておく必要がある」と主張。とりわけ、対外情報庁構想やスパイ防止法の議論も取り沙汰されるなかで、国家情報会議だけが先行して設置されれば、監視や統制の不透明さへの不安が残ると問題視しました。

 海外制度に詳しい海渡参考人に、各国では情報機関に対して独立監察機関や議会監督などの仕組みが整備されていることを踏まえ「日本でも制度と歯止めをセットで整備すべきではないか」と質問。海渡参考人は「後回しにすべきではない」と明言し、諸外国では、どのような情報収集が許されるのかを法律で定め、その法規制が守られているかを独立した監視機関が事前・事後にチェックする仕組みが組み込まれていると説明しました。「日本はこれから国家情報局を作ろうとしているのだから、最初から弊害が起きないよう制度設計を行うべきだ」と述べ、議会や司法を関与させた独立性の高い監督体制の必要性を訴えました。

 小谷参考人は、国家情報会議の設置自体には賛成しつつ「政府による説明や国民的理解は十分とは言えない」と指摘。今後のインテリジェンス改革を進めるにあたっては、総理や官房長官が国民に対し、より具体的かつ丁寧な説明責任を果たす必要があるとの認識を示しました。

 質疑の最後に塩村議員は「情報機能強化に反対しているわけではない。しかし、大きな制度転換である以上、国民の理解と信頼を得るためには、歯止めや監督体制を明確にすることが不可欠だ」と強調。国民の不安や疑念を払拭できるよう引き続き審議に臨むと述べ、締めくくりました。

写真左から、海渡雄一、小谷賢、北村滋各参考人