参院内閣委員会で5月26日、国家情報会議設置法案の総理入り質疑が行われ、杉尾秀哉議員は、(1)政策部門と情報部門の峻別の重要性(2)総理大臣が国家情報会議と国家安全保障会議(NSC)のトップを兼務することの弊害(3)国家情報会議、国家情報局が「総理の私的機関化」しない保証はあるか――等について取り上げ、総理の見解をただしました。
杉尾議員はまず、政策部門であるNSCと情報部門である国家情報会議との分離、峻別の重要性について質問。高市総理は、情報部門と政策部門は「相互に干渉しすぎないよう活動することが重要」と説明し、本法案によって「情報の客観的な分析評価を進める仕組み」が整備されると主張しました。
これに対し杉尾議員は、両会議とも総理が議長を務め、構成する閣僚も重複していることについて「こんな組織、欧米諸国を見てもどこにもない。総理に権限が集中しすぎている。これで政策と情報の分離ができるのか」と指摘。高市総理は、内閣総理大臣にはもともと行政各部を指揮監督する権限があるとして、「権限を増やしたり集中させたりする法案ではない」と答弁しました。
さらに杉尾議員は、実際に高市総理が国家安全保障局(NSS)の局長を就任わずか約9カ月で交代させたことに言及。総理がNSCやNSSの人事権を持つことに加えて「国家情報会議ができれば総理を頂点とした国家情報のピラミッドができる」と問題視。現状でも情報機関が総理の私的機関化している懸念があるなかで、本法案には総理の独裁的権限を防ぐ歯止めがないと批判しました。
杉尾議員は質疑の冒頭、高市総理陣営をめぐる中傷動画報道についても取り上げました。杉尾議員は、動画作成に関与したとされる男性が「オンライン会議をした」と発言していることを示し、週刊誌報道にある、地元秘書とのやり取りやオンライン会議の有無を確認。これに対し高市早苗総理は「週刊誌の記事にあったような内容は確認できない」「記録もない」と答弁する一方、オンライン会議そのものについては明確に否定せず、「総裁選期間中にはたくさんのオンライン会議を行った」「誰とオンラインをやったか記憶があるわけない」などと述べました。
また、動画作成を名乗る男性への抗議については、「面識もない方の名誉を傷つけるようなことは申し上げたくない」と述べるにとどめました。