立憲民主党は5月26日、政府提出「健康保険法等の一部を改正する法律案」に対する修正案(健康保険法等改正案)を、公明党と共同で参院厚生労働委員会に提出しました。

 政府は「健康保険法等の一部を改正する法律案」を国会に提出しており、参院で審議が行われています。政府提出法案には、高額療養費について、長期療養者への一定の配慮を規定しているものの、政府は2026年8月、2027年8月の2段階で、高額療養費の自己負担限度額を引き上げることを予定しており、多数回該当や年間上限に該当しない場合の患者負担が現行より増加すること等が想定されています。また、そもそも現在の高額療養費制度においても、公的医療保険の中核制度であるにもかかわらず、経済的な負担から治療を断念したり、生活の困窮に陥ったりする場合があり、憲法第25条の生存権保障の趣旨に適合するものとなっていません。そのため、全ての国民が安心して医療を受けられる環境を整備するため、高額療養費制度の在り方を見直す必要があります。

 また、政府提出法案には、市販薬(OTC医薬品)との代替性が特に高い薬剤の薬剤費の一部を保険給付の対象外とする規定が盛り込まれていますが、受診抑制につながること等が懸念されます。

 こうした問題認識の下、本修正案には以下の内容を盛り込んでいます。5月26日の参院厚生労働委員会で修正案の趣旨説明を行い、28日には政府提出法案とともに質疑が行われる予定です。

【高額療養費】

○高額療養費に係る政令を定めるに当たっての考慮事項等を追加する。

・憲法第25条の生存権の趣旨を踏まえて、高額療養費の制度が医療保険制度において国民の生命及び生活を守る上で欠くことのできない中核的な役割を果たすものとなるよう、高額療養費の支給要件、支給額等に関して必要な事項が定められるべき旨を明確にする。

・高額療養費の支給要件、支給額等の考慮事項として、「中低所得者の家計に与える影響」及び「療養を受ける者の必要かつ適切な受診に与える影響」を追加する。

・考慮事項の考慮に当たって、療養に必要な費用の負担が、療養を受ける者の生活等に係る経常的な支出を除いた家計の負担能力に応じたものとなるよう、及び長期療養者の療養の全期間において、療養に必要となる費用の負担が軽減されるよう配慮することを追加する。

○令和9年8月1日までに、高額療養費の支給を受ける人の収入とその変動状況、教育費等の支出、生活の実態の調査を行う、社会保障審議会で当事者等の意見を聴取する等の基本方針に基づき、高額療養費制度について抜本的な改革を検討し、所要の措置を講ずる。

○抜本的な改革が行われるまでの間における高額療養費等の制度に関し、月単位の自己負担限度額の引上げの上限の設定(所得区分を細分化して決定)や、年単位の自己負担限度額(所得区分を細分化して決定)の創設等について検討し、所要の措置を講ずる。

【OTC類似薬の一部保険外療養の創設(OTC医薬品との代替性が特に高い薬剤の薬剤費の一部を保険給付の対象外とする)】

○一部保険外療養に係る薬剤について要指導医薬品及び一般用医薬品との代替性を判断する観点として、「有効成分の同一性及び分量、用法、用量、効能、効果等の観点」を追加する。

○厚生労働大臣が一部保険外療養の範囲を定めるに当たって「療養を受ける者の必要かつ適切な受診が抑制されることがないようにする」との要件を追加する。

健康保険法等の一部を改正する法律案に対する修正案.pdf

健康保険法等の一部を改正する法律案に対する修正案要綱.pdf

健康保険法等の一部を改正する法律案に対する修正案対照表(二段表).pdf