参院財政金融委員会で6月16日、森ゆうこ議員が質疑に立ち、(1)スルガ銀行の不正融資問題(2)サナエトークン問題――などについて政府の見解をただしました。

スルガ銀行の不正融資問題

 森議員は冒頭、スルガ銀行問題をめぐり、処分行員リストや不正に関わる証拠資料の提出を金融庁が銀行に求めていないことを問題視しました。金融庁が監督上必要な資料でなければ求められないと説明していることに対し、「金融庁設置法の目的は利用者保護にある」と指摘し「詐欺的な融資や業者と結託した不法行為によって、今なお苦しむ被害者を救済することこそが目的である」と強調し、関連資料の提出を求めるべきだと迫りました。片山さつき財務大臣は、金融庁が当該資料を保有していないと説明した上で、金融機関への資料提出要求は監督上必要な範囲で行うものであり、個別紛争の解決を目的とするものではないと答弁しました。森議員は、被害者救済に必要な資料が出されなければ問題解決は進まないとして、金融庁の姿勢を厳しくただしました。

サナエトークン問題について金融庁の対応を追及

 続いて森議員はサナエトークンについて、発行主体が無登録業者であることが金融庁から示されてから約3カ月が経過したにもかかわらず、金融庁ホームページの無登録業者リストに掲載されていない点を取り上げました。金融庁は、業者が業務を中断し、補償や廃業に向けた取り組み、または登録準備を行っている場合などには掲載されないと説明しました。
 これに対し森議員は「補償を行えば問題が解消されるのか」と疑問を呈し、「補償目的であっても、暗号資産の交換に当たる行為は法令に抵触しないことが必要だ」と指摘しました。金融庁は、資金決済法に抵触しないことが必要であることを前提に、個別行為が暗号資産交換業に該当するかは形式面だけでなく、反復継続性や利用者保護の観点から実態に即して判断する必要があると答弁しました。

高市事務所の関与と被害実態の把握を求める

 森議員は、サナエトークンの発行を告知する投稿を、高市総理の後援会アカウント「チームサナエ」が引用投稿していた経緯にも言及しました。ノーボーダー側からリポスト依頼があったとする高市事務所側の回答を示し、認識の有無にかかわらず結果としてトークンの宣伝に関わったのではないかと指摘しました。 さらに、サナエトークンの被害額についての認識をただしました。金融庁は、個々の取引者がどの時点で、どの価格で購入したかによるため、把握は容易ではないとしつつ、補償申請の結果により補償額が確定していくとの認識を示しました。森議員は、金融庁として被害総額を把握すべきだと強く主張しました。

徹底調査と捜査の必要性

 森議員は、「無登録業者が暗号資産を直接販売すれば、資金決済法に違反する可能性がある」と指摘しました。また、「事前販売で集めた資金が投資に回されず流用されていた場合には、詐欺に該当する可能性もある」と言及しました。警察庁は、具体的な事実関係に即して判断すべきものとした上で、刑事事件として取り扱うべきものについては、法と証拠に基づき適切に対処すると答弁しました。
 森議員は、暗号資産をめぐる規制強化を目的とした金融商品取引法改正案の審議を前に、現行制度の下で利用者保護が十分に機能しているのかが問われていると強調しました。その上で、サナエトークン問題について金融庁と警察庁に徹底した調査と捜査を求め、質問を終えました。