衆参両院の正副議長の主催する「天皇の退位等に関する皇室典範特例法案に対する付帯決議に基づく政府における検討結果の報告を受けた立法府の対応に関する全体会議」が6月25日、衆院議長公邸で行われ、13の政党・会派の代表者らが出席しました。
立憲民主党からは、長浜博行・党安定的な皇位継承に関する検討本部本部長と、吉川沙織・同本部長代理が出席しました。
立法府の全体会議は今年5回目。前回は、衆参正副議長による「衆参正副議長4者による議論のとりまとめ」がなされ、会議後「とりまとめ」を踏まえた具体的な制度設計を政府側に求めていました。政府は6月19日及び22日、皇室典範改正案の骨子及び要綱を正副議長に渡し、その後、各党・会派には骨子が22日、要綱は全体会議直前の24日に配付されました。
今回の全体会議では、政府から示された「皇室典範等の一部を改正する法律案要綱」について、木原稔官房長官が説明を行いました。「要綱」は(1)皇室典範12条を改正し、女性皇族が結婚後も皇族の身分を保つ(2)典範9条の例外として38条を新設し、旧宮家の男系男子を養子として皇族に迎えることを可能にする――ことなどを柱とするものです。
会議では「要綱」に関して各党・各会派から意見表明が行われました。
長浜本部長は冒頭、天皇陛下が公式訪問中のオランダとベルギー両国の王室制度に触れ、両国とも王位継承制度を男女の区別なく長子優先に改正し、ともに女性が皇太子であること。またベルギーの王位継承順位第1位のエリザベート王女は、愛子内親王と同い年であることなどを紹介し「皇室外交で築かれた永続的な友好親善と協力関係をこれからも大切にしたい」と感想を述べました。
長浜本部長はそのうえで、前回6月10日の全体会議の決定プロセスについて疑問を呈し「少なくともこの日をもって各党派の見解が出そろい、立法府の総意のとりまとめ案、たたき台の検討をスタートさせるのが民主的なプロセスだ」とし、「このままでは立法府の総意がとりまとめられたとは認識できない」と主張しました。そして、衆議院に偏った会議運営にも懸念を示し「衆議院には立憲民主党という党がありませんが、参議院では、自由民主党に次ぐ第2党です。参議院における野党第1党です」と述べた上で「アリバイ作りのような仰々しい立法府の長による全体会議など開かず、普通の法案として国会に提出すればいいだけのことだったと失望をせざるを得ません」と痛烈に批判しました。
また、今後の国会審議についても言及し「国会で議論されている内容を国民の皆さまに正しくご理解いただけるよう努力する。そのプロセスこそが民主主義の肝、本質だ」と指摘し、皇室典範改正案が国会提出された際、ベルトコンベアに乗ったように法案処理を一気に進めることがないよう、くぎを刺しました。
そして長浜本部長は、「要綱」の主要論点について改めて考え方を示しました。
まず(1)に関して、各党の最大公約数こそが立法府の総意であるとするならば「女性皇族がご自身の意思により婚姻後も皇族の身分を保持することを可能にすることのみに絞って法制化することが、残りの会期を考慮すれば現実的と思われます」と述べました。
また、(2)の養子制度の創設に関しては「まったくもって理解不能。国民の理解と支持、安定性、伝統のいずれの視点からも問題。採用することは極めて困難」だと批判し、皇族以外の男子が皇族となることを禁止する、皇室典範第15条の重大な意味を拳々服膺(けんけんふくよう)すべきだとしました。
最後に、今回の議論となった皇族数の確保策に加え「残りの課題は引き続き国民への説明責任を十分に意識しながら、安定的な皇位継承に関する議論を続けることが、国会としての責務ではないか」と訴えました。
各党・各会派からの意見表明ののち、全体会議は一時休憩。再開後、森英介衆院議長が「付帯決議で補足、明確化したうえで、『要綱』は『議論のとりまとめ』にそったものであり、了承する」と述べ、会議は終了しました。今後、正副議長ら4者が付帯決議の案文の作成を進め、各党に配付することとなりました。
会議後、長浜本部長と吉川本部長代理が国会内で、記者団に対し全体会議の内容などについて説明しました。