参院法務委員会で7月9日、刑事訴訟法改正案(再審法改正法案)に関する質疑が行われ、打越さく良議員は証拠開示および証拠提出命令制度の在り方を中心に政府の見解をただしました。
打越議員は冒頭、山口地検岩国支部が今年1月、検察審査会の審査員11人の氏名を外部に流出させていた問題を取り上げ「国民の信頼の下にあるはずの検察審査会制度の根幹を揺るがす問題だ」と指摘。法務省は、これを受けて5月に運用を見直したとして「今後本件のような事態の再発は回避されると考えているが、このようなことがないように努めていきたいと考えている」などと説明しました。しかしながら打越議員は「本件はもう取り返しがつかない。検察への緊張感が足りないと言わざるを得ない」と厳しく批判しました。
再審法改正の議論をめぐっては、傍聴に来ている、えん罪事件の被害者やご家族をはじめ多くの人が「えん罪被害者の思いに即した法改正にしてほしい」と願うなか「政府が提出している法案ではえん罪被害者は救われない」と訴え、全面的な証拠開示と検察官の抗告禁止が必要だとあらためて主張しました。参考人質疑での田岡直樹さん(香川県弁護士会)の「証拠開示こそが再審法の生命線だ」との発言にも触れ、確定判決の事実認定と矛盾する証拠や、検察官の従前の主張と矛盾する証拠を把握したときは、開示する義務があると考えてよいかと尋ねました。法務省は「適切な是正措置を行う必要があると認識している」と答えるにとどまり、打越議員は法案の修正が必要だと求めました。
衆院での修正で「事案に応じ、適切に行う」(附則4条2項)との文言が追加されましたが、打越議員は「これまでも検察の任意に任せた結果、証拠開示が進まず、多くのえん罪被害者が長年救済されなかった。拒否する要素を残してはいけない」などと指摘。政府は「裁判所の勧告に法的拘束力はない」と認めた上で「個別の事案に応じ、これまで以上に適切な対応に努める」と、運用による対応を繰り返しました。打越議員は、袴田事件や福井女子中学生殺人事件を例に挙げ「無罪が確定した事件では検察も反省を認めるが、今まさに再審を求める人たちにとって何十年か経った後に適切か不適切か判断されるのでは遅い。検察の任意に任せてはいけない」と強調。裁判所が再審請求理由との関連性を問わずに積極的に証拠提出を命じ、請求人側が十分に分析できる制度への見直しを求めました。
あわせて、通常審での検察官保管証拠標目の一覧表の交付制度と同様の仕組みを再審請求審でも設けるべきだと主張。消極的な政府の答弁が続くなか打越議員は「再審制度は一日も早く無実の人を救済する制度でなければならない。その決意が感じられない」と指摘し、質問を締めくくりました。