参院法務委員会で7月14日午前、再審法改正案(刑事訴訟法の一部を改正する法律案)に関する参考人質疑が行われ、参考人として弁護士の宇田幸生さん、福井女子中学生殺人事件被害者の実の姉である大橋宏子さんがそれぞれ意見を陳述しました。

 質疑に立った牧山ひろえ議員は大橋参考人に対し、殺人の罪で有罪とされ服役した前川彰司さんに、再審無罪確定後に「無実なんだから堂々とこれからの人生を生きてほしい」と声をかけた理由について質問しました。

 大橋参考人は「証拠もないのに犯人にされ、ひどい取調べを受けた前川さんも被害者だと思う。前川さんみたいな人をこれから出さないよう、警察も検察もちゃんと見てほしい」と訴えました。また「前川さんには負けないで頑張ってほしい。社会復帰できるよう元気を出してほしい」と述べました。

プライバシー保護と証拠開示 両立できる進め方を期待

 続いて牧山議員は、検察が証拠を開示できない理由として被害者のプライバシー保護を挙げていることについて質問しました。大橋参考人は「プライバシーというのは難しくて分からない」としつつも、前川さんの無罪につながった証拠については「無罪になって嬉しい気持ちでいっぱいだ」と語りました。

 また、牧山議員は宇田参考人に対し、真実の発見のため、被害者のプライバシーに配慮しながら証拠を活用することについて見解を尋ねました。

 宇田参考人は、現在の法案では検察官が提出した証拠を、裁判所が関連性や弊害などを慎重に吟味した上で判断する仕組みになっていると説明し「プライバシーを守りながら、真実の発見に努めていけるような進め方を期待している」と述べました。

真犯人捜査の再開を 時効後も探せる法律を求める

 さらに牧山議員は、前川さんが犯人ではない可能性が明らかになった段階で、真犯人の捜査を再開してほしいと思ったか質問しました。

 大橋参考人は「警察に真犯人を見つけてほしい。それだけが妹の供養になる」と述べ「警察が一人ひとり調べて犯人を見つけてほしい」と訴えました。また、警察が動いてくれないと何も始まらない。真犯人を捕まえるのは警察の仕事とした上で「時効になっても真犯人を探せるような法律を作ってほしい。そうでないと妹が浮かばれない」と切実な思いを語りました。

 最後に、牧山議員から前川さんに有罪判決が言い渡された当時の心境について問われると、大橋参考人は「前川さんが犯人に仕立て上げられたと感じた。警察がしたことは許せない。前川さんがかわいそうだった」と述べました。

 同日午後の政府に対する質疑で打越さく良議員と牧山議員は、当初参考人として出席予定だった前川さん(福井女子中学生事件元再審請求人)が「17日に採決が決まったのであれば出席する意味がない」と、前日になって参院事務局に欠席する旨連絡があったことに言及。「政府提出法案が冤罪被害者の救済にならないというのは明らか。さらに熟議を進めたい」と力を込めました。