参院皇室典範等の一部を改正する法律案特別委員会が7月16日に開かれ、長浜博行議員が、政府提出の皇室典範等の一部を改正する法律案に対し、立憲民主党提出の修正案の趣旨説明を行いました。
長浜議員はその後、質疑終局後の討論に立ち、政府提出の原案に反対、立憲民主党提出の修正案に賛成する立場から意見を述べました。採決の結果、立憲民主党提出の修正案は否決され、政府原案は賛成多数で可決されました。
長浜議員は趣旨説明で、法案は令和8年6月10日の衆参正副議長による「立法府の対応に関する議論のとりまとめ」に基づくとされる一方、皇族の養子に関する規定など、立法府の総意とは言い難い内容を含むと指摘しました。
提出した修正案では、皇族の養子に関する改正規定と、関連する戸籍関係法・住民基本台帳法の改正規定を削除します。また、女性皇族が一般男性と婚姻した場合の配偶者・子の身分については、公布後速やかに検討し、施行までに必要な法整備を行う旨を附則に追加します。
あわせて施行期日を公布後3カ月から1年に改め、養子制度に関わる「30年ごとの見直し」規定を削除するなど、所要の整備を行うと説明しました。
その後、討論に立った長浜議員は冒頭、皇室典範改正という極めて重要な課題でありながら、十分な審議時間が確保されなかったことに触れ「皇室への尊崇の念が感じられない」「立法府の総意の取りまとめのやり方、衆参を通じての形骸化した国会審議に強い違和感を覚える」と厳しく指摘しました。
また「保守し続けるために革新する」という自身の考えを示し、象徴天皇制と皇室の弥栄への思いを語った上で「それでは本来用意していた原稿を読ませていただきます」と述べ、以下のように討論しました。
戦前の明治憲法の第1条は「大日本帝国は万世一系の天皇之を統治す」とあり、第2条は「皇位は皇室典範の定むる所に依り皇男子孫之を継承す」となっていました。今の日本国憲法では第1条「天皇は日本国の象徴であり日本国民統合の象徴であって、この地位は、主権の存する日本国民の総意に基づく」と記されており、第2条「皇位は、世襲のものであって、国会の議決した皇室典範の定めるところにより、これを継承する」となっています。天皇が統治権の総らん者とされた戦前と国民主権の戦後は国のカタチがまったく違うのです。戦前の皇室典範は宮務法と呼ばれ、憲法と同格であり、国民が議論などできない皇室の家法でした。戦後は最高法規としての日本国憲法を頂点に、下位法である政務法で、もちろん皇室典範もその一つですが、法体系が構築されています。立憲主義、民主主義による法治国家なのです。そして皇室典範第1条には「皇位は皇統に属する男系の男子が、これを継承する」と書かれています。
しかし日本国憲法、皇室典範ができてから80年、年月の経過とともに日本国憲法の1丁目1番地である第1章天皇、そして皇位の継承のあり方を規定している皇室典範について議論することがタブーのような、何となく国民から距離ができてしまったように感じます。戦前の天皇制と日本国憲法下での象徴天皇制は違うのです。上皇陛下、天皇陛下そして皇室の皆様が主権の存する日本国民とともにお守り、育ててくださっている゛日本国の象徴であり日本国民統合の象徴゛の意味を深く考えながら採決の時を迎えたいと思います。
私は女性皇族が婚姻後も皇族としての身分を保持できるようにし、宗系紊乱(そうけいびんらん)、紊乱(ぶんらん)を招きかねない養子制度の創設を削除する修正案への各党のご理解をお願いし、また今後とも真に安定的な皇位継承の方策の実現をめざすことをお約束して討論を終わらせていただきます。