参院沖縄・北方問題及び地方に関する特別委員会で7月24日、与党提出のいわゆる副首都関連法案の採決が行われ、「国家社会機能継続性確保施策及び副首都等の整備に係る施策の推進に関する法律案」(副首都法案)は賛成多数で可決されました。立憲民主党と公明党が共同提出した付帯決議案も賛成多数で採択されました。

 一方、「大都市地域における特別区の設置に関する法律の一部を改正する法律案」(同日選挙実施禁止法案)は賛成少数で否決されました。

 採決をめぐっては、野党側は特別区設置に関する住民投票と関係自治体の選挙期間が重複しないよう付帯決議に明記することを求め、与野党国会対策委員長間で断続的に協議。委員会質疑でも再三にわたり重複しないよう確約を求めていましたが、法案提出者から明確な答弁はありませんでした。

 その後、与野党国会対策委員長会談で、与党側から、特別区設置に関する住民投票と、関係市町村・都道府県の議員選挙や首長選挙の選挙期間が重複しないよう調整するとの明言が得られたことを受け、委員会が再開し、採決に至りました。

 採決に先立ち、発議者の日本維新の会・岩谷良平議員から、選挙期間の重複に関する質疑での自身の答弁のうち、「やむを得ず重複する場合には、性質の異なる投票が同時に行われることから、それぞれが影響を及ぼし、自由公正を損なうことのないよう検討し、また有権者の混乱を防ぐため、政府において十分な周知等の取り組みを促すことが重要と考えています」を撤回するとの発言がありました。これを受けて質疑を終局し、各党が討論を行った後、採決が行われました。

 「立憲民主・無所属」の鬼木誠議員は、同日選挙実施禁止法案には賛成、副首都法案には反対の立場から討論を行いました。

 同日選挙実施禁止法案への賛成理由について鬼木議員は、住民投票と統一自治体選挙を同時に実施すれば、公平かつ自由な住民投票運動を制約することになり、投票現場の混乱など多くの問題が生じると指摘。「人を選ぶ選挙と制度を選ぶ住民投票の混同を回避するとともに、不公正の防止にもつながる」と述べました。

 一方、副首都法案については、「首都直下地震など大規模災害に備えた国家統治機能の継続や東京一極集中の是正は重要」との認識を示した上で、「本法案はその目的にふさわしい内容ではなく、拙速な議論のもとで提出された極めて問題の多い法案であり、与党が議員立法で成立を急ぐ姿勢は到底容認できない」と反対を表明しました。

 その上で、反対理由として、(1)公平性を欠く制度設計(2)災害時のバックアップ機能の実行性が不十分(3)東京一極集中の是正につながる保証がない(4)巨額の財政負担への懸念(5)地方自治と住民意思の軽視――の5点を列挙。「災害対策を掲げながら、実際には特定地域を優遇し、大阪都構想を後押しする色彩が極めて濃い法案だ」と批判し、「国家の将来にかかわる重要な課題だからこそ、党利党略ではなく、国民全体の利益を最優先に慎重な議論を行うべきだ」と求めました。

 付帯決議案は、徳永エリ議員が案文を朗読しました。
20260724副首都法案 附帯決議案.pdf