立憲民主党青年局は8月20日、第3回「若者政策実現会議」を党本部とオンラインの併用で開催しました。今回は「労働・社会保障」をテーマに、日本若者協議会、りっけんユースのメンバー、党所属国会議員・自治体議員、都道府県連関係者らが参加し、若者が直面する課題と、その解決に向けた政策について意見を交わしました。
第1回では「若者の政治参加」、第2回では「教育」をテーマに議論し、青年局では、そこで寄せられた意見を踏まえ、「被選挙権年齢の引き下げ法案」を議員立法として提出するとともに、「いじめを防ぐための政策をみんなで考える」青年局LIVEミーティングの開催など、政策実現に向けた取り組みを進めてきました。
司会を務めた山内佳菜子青年局長・参院議員は、「若者の皆さんからいただいた政策提言を一度受け取って終わりにするのではなく、継続的に議論し、国や自治体での政策実現につなげていくことが、この会議の目的です」と述べました。
日本若者協議会が労働・社会保障分野の政策提言を説明
日本若者協議会からは、20項目にわたる労働・社会保障分野の政策提言のうち、特に重要な3つの論点について、日本若者協議会理事の佐々木悠翔さんをはじめ、参加した5名のメンバーから説明がありました。
・早期化・長期化する新卒採用市場の改革
・コスト高・狭小な若者の住環境の改善
・持続可能な財政運営と独立財政機関の創設
※資料はこちらからご覧ください。
早期化・長期化する新卒採用〜学業と学生生活を守るルールを
第1の課題の新卒採用については、日本若者協議会から、企業による採用活動が大学3年生の早い時期から始まり、就職活動が長期化している実態が示されました。就職活動が9カ月以上に及ぶ学生の割合が増えているほか、学業、留学、課外活動、学生団体やサークル活動などにも深刻な影響が生じていると指摘しました。また、学生が早く動くため企業も採用活動を前倒しし、企業が早く動くため学生も焦って就職活動を始めるというそれぞれにとっての悪循環が生じており、学生だけでなく、採用する企業側の負担も増大しています。
政府、経済界、大学関係者が中心となっている採用日程のルールづくりに、当事者である学生代表を参画させることを提案。専門活用型インターンシップについても、学業との両立を妨げていないか、不適切な労務提供が行われていないかなど、実態調査が必要だと訴えました。
さらに、内定後の学生に対し、労働契約の締結前や入社前から無給の研修や実質的な業務を強いる事例があるとして、入社前の労務提供や研修の強制を防ぐ仕組みについても問題提起がありました。
参加者からは、新卒一括採用のあり方を見直し、通年採用や第二新卒、中途採用を含め、多様な学びや留学経験が不利にならない採用の仕組みをつくるべきだとの意見も出されました。また、災害や経済危機など不測の事態による内定取り消しや選考中止から学生を守る必要性も指摘されました。
小西洋之参院議員・党厚生労働部会長は、学生と企業の双方が早期化を望まないまま競争を加速させている現状に触れ、「学生が学業に取り組む時間を確保するという目的を明確にし、共通のルールと、それを守ってもらうための実効性ある仕組みを考える必要がある」と述べました。
高い家賃と狭い住まい〜住宅を「生活の基盤」として保障する
第2の課題の住環境については、日本若者協議会から、若年層の収入に占める住居費の割合が大きく上昇していることが報告されました。35歳未満の住居費負担率は、1989年の12.1%から17.4%に上昇。30歳未満の勤労単身世帯では、消費支出の約4分の1を住居費が占めています。
住居費の高さに加え、独身・一人暮らしの約半数が最低居住面積水準を下回る住宅に暮らしているとのデータも示されました。より広い住宅に住み替えたいと考えても、家賃や所得の制約から実現できない若者が多く、親元を離れたくても離れられない若者、奨学金の返済と家賃の二重負担に苦しむ若手社会人、住居費が結婚や出産の希望を阻んでいる子育て世帯など、それぞれの立場に応じた課題があると説明しました。
現在の住宅扶助や公営住宅の対象から外れる年収200万~300万円程度の層も厳しい状況に置かれているとして、所得要件を含めた家賃補助制度の創設・拡充を提言。あわせて、若者向けの低廉な賃貸住宅やアフォーダブル住宅の整備を、国と自治体が連携して進めるよう求めました。
また、住宅費の問題は東京など大都市圏だけのものではなく、地方では家賃が比較的低くても賃金水準が低いため、所得に対する負担率が高くなるとの指摘がありました。また、老朽化した公営住宅の改修、空き家や既存住宅の活用、地方から都市部へ進学する学生のための寮や低廉な住宅の整備なども提案されました。
同性カップルや友人同士など、多様な関係性で暮らす人が入居を断られる事例、公営住宅の世帯要件や所得要件が現在の家族のあり方に合っていないとの問題も提起されました。現金給付だけでは「いつ支援が終わるか分からない」という不安が残るため、長期にわたって安心して暮らせる住宅そのものを確保する政策が必要だとの意見も出されました。
小西議員は、「住まいは人生と社会活動の基盤中の基盤であり、自己責任に任せるのではなく、公共政策として安心できる住まいを届ける必要がある」と述べました。その上で、家賃補助の対象、所得要件、補助額、必要な財源を検討するとともに、既存住宅や公営住宅の活用を含め、実現可能な政策を組み立てる考えを示しました。
将来世代に責任を持つ「独立財政機関」の創設を
第3の課題の持続可能な財政運営について、日本若者協議会は、国の財政を将来世代に引き継ぐべき公共資産と位置付け、短期的な人気取りに左右されず、中長期的な視点で財政を検証する仕組みが必要だと提言しました。
具体的には、政府から独立した立場で経済・財政の見通しを示し、政策に必要な費用や財政への影響を客観的に分析する「独立財政機関」の創設を求めました。与野党や国民が共通のデータを基に政策を議論できる土台をつくり、10年、15年にとどまらない長期的な財政見通しや、社会保障を含む将来の歳出を評価することが必要だとしました。
設置場所については、国会、参議院、国立国会図書館、会計検査院などが考えられる一方、最も重要なのは政府の政策判断から独立し、専門性、中立性、透明性を確保することだとの認識が共有されました。選挙の際には、各党の公約が財政や将来世代にどのような影響を及ぼすのかを客観的に分析し、有権者が政策を判断する材料として示す役割も期待されます。
小西議員は、諸外国の制度を調査しながら、国会や政府がその分析結果を尊重する仕組みを含め、具体的な法制度を検討する考えを表明しました。山内青年局長も、「積極財政か緊縮財政かという二者択一ではなく、実態に即した客観的なデータと冷静な分析に基づき、持続可能な財政運営をつくることが重要です」と述べました。
今後取り組むべき課題〜提言を具体的な制度へ
会議の最後に山内青年局長は、今回の議論を踏まえ、3つの論点を整理しました。
(1)「早期化する新卒採用市場」については、学生への支援をしっかりと盛り込んだルールづくりが必要であること、(2)「コスト高・狭小な住環境」については、継続的に安心して暮らせる仕組みづくりと、どの層を対象に支援していくのかについてさらに検討することを確認しました。
(3)「持続可能な財政運営」については、独立財政機関の設置を目指していく方向性を確認し、「立憲民主党の政務調査会とも情報共有をしながら、小西議員にも知恵をいただき、一つでも形にしていきたい」と述べました。
次回の第4回会議は、「ジェンダー」をテーマに9月に開催する予定です。今回の会議で確認した取り組みについても、次回の会議で進捗状況を報告していく予定です。
立憲民主党は今後も、若者との対話を重ね、現場から寄せられた声を政策として形にし、具体的な政策実現につなげていく取り組みを進めてまいります。