立憲民主党自治体議員ネットワーク(以下「自治体議員NW」)は8月25日、2027年春の統一自治体選挙を見据え、議員力・議会力向上に向けた研修会を党本部でリアル出席とオンラインで開催。大正大学地域創生学部公共政策学科の江藤俊昭教授を講師に招き「地域から政治を変える――縮小社会における『住民自治の根幹』としての議会の作動――」をテーマに、地方議会改革の現在地と、これからの議会・議員に求められる役割について話を聞きました。

 冒頭、自治体議員NW幹事の川名雄児・東京都武蔵野市議会議員は「統一自治体選挙を迎えるにあたり、議会の本当の役割とは何かを皆さんに理解していただき、選挙を戦っていただきたい」と今回の研修会の趣旨を説明しました。

 続いてあいさつした自治体議員NW幹事の楠目慎一郎・高知市議会議員は、自治体が抱える課題は一つの分野だけでは解決できず、相互につながっていると指摘。人口減少を例に、地域交通の維持や町内会・自主防災組織の担い手不足、学校や公共施設のあり方などの課題を挙げ、自治体議員には住民の声を議会に届けるだけでなく、その背景にある課題を捉え、政策として形にし、地域を変えていく力が求められると述べました。また「立憲民主党が掲げるボトムアップの政治も、地域の現場から始まる」と述べ、統一自治体選挙に向け、日頃の活動を通じて地域で何を変えてきたのかが問われるとの認識を示しました。

議会を「機関」として動かし、住民自治を支える

 江藤教授は、議会基本条例の制定など、この20年ほどで地方議会改革が大きく進展してきたと評価。一方で、投票率の低下や無投票当選の増加、議員の不祥事などを背景に、住民の議会・議員への不信も広がっていると指摘し、閉鎖的な議会から住民と歩む議会へと変えていくことが重要だと強調しました。

 また、議会で最も大事なのは議案審査だとして、一般質問だけでなく、議員間討議を重視し、住民や専門家の意見も聞きながら、政策のメリット・デメリットを議論することが必要だと指摘しました。さらに、地方議会では、国政のように単純に与党・野党に分かれるのではなく、議会として議論を深め、必要に応じて政策を修正し、首長と政策競争を行うことが求められると述べました。市民が政策作りに関わる意義にも触れ、愛知県犬山市議会の「市民フリースピーチ制度」を紹介しました。

 議会は議員個人や会派の集合体ではなく「機関」として住民のために機能することに大きな意義があると説明。人口減少など「縮小社会」が進む中では、行政だけで地域課題に対応するのではなく、住民、議員、首長がともに議論し、合意形成を図る場を議会がつくる必要があると指摘しました。その上で、住民自治の根幹として議会を機能させ、地域の課題を政策につなげていくことが、これからの自治体議員に求められる役割だと述べました。

 講演後の質疑応答で「党派・会派をどこから変えていくか」といった質問に対し江藤教授は「会派を越えたところでの成功体験が必要だ」と解答。議長の役割の大きさを説くとともに「政治と生活が密着しているのは地方議会」だとその意義と強調しました。

 最後に川名議員は、来年の統一自治体選挙に向けた統一政策作りへの協力を呼びかけました。