立憲民主党青年局は10月27日、党本部とオンラインのハイブリッド形式で、第5回「若者政策実現会議」を開催しました。今回は「気候変動・環境」をテーマに、日本若者協議会や若者世代の参加者から政策提言を受け、国会議員、自治体議員らと意見交換を行いました。

 冒頭、司会を務めた山内佳菜子青年局長は、これまで「若者の政治参加」「教育」「労働・社会保障」「ジェンダー」をテーマに議論してきたことを振り返り、「皆さんの率直な意見を伺い、政策実現に向けた具体的な議論につなげていきたい」と呼びかけました。

山内佳菜子青年局長

「プラグインソーラー」の普及に向けた制度整備を

 日本若者協議会からは、(1)プラグインソーラーの導入(2)「日陰戦略」の策定と樹冠被覆率の活用(3)学校体育館の断熱・空調整備――の3点を中心に提言がありました。1つ目の「プラグインソーラー」は、ベランダなどに小型の太陽光パネルを設置し、家庭で発電した電力を利用する仕組みです。現在の太陽光発電は戸建住宅の屋根への設置が中心で、集合住宅や賃貸住宅に住む若者にとっては導入のハードルがあります。一方、海外ではベランダ等に設置できる小型太陽光発電設備の普及が進んでいることから、日本でも小規模・低出力設備に対応した制度や安全基準を整備し、導入を進めるべきとの提言がありました。

 三上えり参院議員・党環境部会長は、日本のエネルギー自給率の低さにも触れながら、市民一人ひとりがエネルギーを「使う側」だけではなく「つくる側」にもなることの重要性を指摘。プラグインソーラーについて、現在の日本の住宅事情にも適した再生可能エネルギーの一つとして、今後も委員会等で取り上げていきたいとの考えを示しました。参加者からも、「賃貸住宅では再生可能エネルギー設備のある物件を選ぶこと自体が難しい」「自分で設置できるようになれば、電気代の負担軽減にもつながる」といった声が上がりました。

プラグインソーラーについてコメントをする三上えり参議院議員

猛暑から命を守る「日陰戦略」

 2つ目の提言は、街の中に意識的に日陰を増やしていく「日陰戦略」です。

 近年の猛暑により、通勤や通学など日常生活の中でも熱中症のリスクが高まっています。会議では海外の事例も紹介され、街路樹や日よけ設備などを活用し、歩行者が日陰を通って移動できる都市環境を整備する必要性が訴えられました。

 特に議論となったのが、道路や街区を樹木の枝葉が覆う割合を示す「樹冠被覆率」です。参加した自治体議員からは、国として樹冠被覆率の統一的な定義がないため、自治体が具体的な目標を設定しにくいとの指摘がありました。また、街路樹を単なる道路の付属物ではなく、暑熱対策や省エネルギー、防災などにも役立つ「都市インフラ」として位置付けていくべきとの意見も出されました。

 一方、都市部では道路幅や地下インフラ、維持管理費、倒木リスクなどの課題もあり、国と自治体が連携して取り組む必要性についても議論しました。

日本若者協議会から参加の皆様
りっけんユース所属の学生と立憲民主党短期インターンシップに参加中の若者の方々も発言しました。

学校体育館の「断熱+空調」を一体的に

 3つ目の提言は、学校体育館の断熱と空調設備の整備です。

 猛暑が深刻化する中、学校体育館は児童・生徒が日常的に利用するだけでなく、災害時には避難所としても使用されることから、暑さ対策は重要な課題となっています。会議では、北九州市の小学校で体育館の断熱と複数の家庭用エアコンを組み合わせた事例が紹介されました。家庭用エアコンを活用することで導入費用を抑えられる可能性があるほか、施工や維持管理の面でもメリットがあるとの説明がありました。

 参加者からは、「空調だけではなく、断熱を同時に進めることが重要」「災害時の避難所という防災の観点からも必要」といった意見が出され、体育館の「断熱+空調」を一体的に進める必要性が共有されました。

参加議員からも政策実現に向けた意見

 若者からの提言を受け、参加議員からも、それぞれが所属する委員会や調査会での取り組みを踏まえて意見が出されました。

 福士珠美参院議員は、青森県選出で参議院経済産業委員会に所属している立場から、エネルギー政策について発言。原子力発電に伴って発生する使用済み核燃料について、中間貯蔵、再処理、最終処分までを含めた「バックエンド」の道筋を明確にする必要があると指摘しました。国に対して、将来を見据えた具体的なロードマップを示すよう、国会で継続して求めていることを紹介しました。

福士珠美参議院議員

 郡山りょう参院議員・青年局副局長は、参議院の資源エネルギーに関する調査会での議論を紹介しながら、さまざまなエネルギー源にはそれぞれメリットと課題があり、それらを見極めながらエネルギー政策を考える必要性を指摘しました。また、再生可能エネルギーについて、安定供給のためには蓄電技術や電力網の整備を一体的に進めることが重要だと述べたほか、日本が高い技術力を持つ地熱発電についても、法制度や地域との調整などの課題を乗り越え、活用を進める必要があるとの考えを示しました。

郡山りょう参議院議員・青年局副局長

 村田享子参院議員・青年局事務局長は、プラグインソーラーについて、電気事業法を所管する経済産業省に関わる課題であることを指摘。電気工事士の人手不足について国会で取り上げてきた経験から、より簡易に導入できる仕組みが整えば、再生可能エネルギーの普及にもつながるとの考えを示しました。また、学校体育館への家庭用エアコンの導入についても、工事期間や施工に必要な人材を抑えられる可能性がある点に着目。日陰戦略については、猛暑の中でも安心して外出できる環境を整えることが、高齢者をはじめとする地域住民の外出や交流を支えることにもつながると述べました。

村田享子参議院議員・青年局事務局長

若者の提言を具体的な政策へ

 自由意見交換では、再生可能エネルギーの普及や街路樹のあり方、子どもの通学時の熱中症対策、自転車利用者の暑熱対策、賃貸住宅の断熱性能など、幅広いテーマについて意見が交わされました。また、新たな技術の研究開発だけでなく、太陽光発電や断熱、蓄電池など、すでに利用可能な技術を着実に普及させることが重要との意見も出されました。

 山内青年局長は会議の最後に、今回の議論を「プラグインソーラーの導入」「日陰戦略の策定・樹冠被覆率の活用」「学校体育館の断熱・家庭用エアコン導入」の3点に整理。今回寄せられた提言や意見を党政策調査会にも共有し、参加議員とも連携しながら、政策実現に向けた検討を進めていく考えを示しました。

 若者政策実現会議は今回でテーマ別の開催を終え、11月19日には「総集編」を開催します。これまで全5回の会議で若者から寄せられた提言について、実現に向けた進捗状況や今後取り組むべき課題を整理し、政策実現に向けた優先順位や具体的な進め方について、若者の皆さんと改めて議論します。

会場の様子