参院財政金融委員会で10月27日、所信に対する質疑が行われ、「立憲民主・無所属」から森ゆうこ、勝部賢志両議員が質問に立ちました。
森ゆうこ議員
森議員は(1)スルガ銀行問題の現状と金融庁の今後の対応(2)AIの発展が日本の金融システムにもたらす脅威(3)資産運用立国の推進が国民の暮らしにもたらす負の影響――等について取り上げ、政府の見解をただしました。
スルガ銀行の不正融資問題では、先の特別国会での審議等を通じて少し前進したと感謝を述べた上で、既存の解決策だけでは生活再建が難しい被害者が残されている現状を指摘。森議員は、引き続き被害者や弁護団とも連携しつつ、根本的解決につなげていくよう強く求めました。これに対し片山財務大臣は、金融庁として全物件で示談が成立するまで業務改善命令を継続することを明確化したほか、債権回収会社への債権売却も選択肢から除かないよう指導し「債務者への対応をスルガ銀行任せにはせず、早期の全面解決に向けて後押しをしていく」と答弁しました。金融庁も、被害者への相談窓口の周知を強化するなど、具体的な対応を進める考えを示しました。
急速に進化するAIが金融システムに及ぼす脅威について森議員は「あらゆるインフラが攻撃される可能性も否定できない。シンギュラリティ(技術的特異点)に到達しているのではないか」と強い危機感を示し、サイバー攻撃によって決済システムの信頼性が失われる可能性を指摘しました。片山財務大臣は危機感を共有した上で、金融機関への対策要請や業界横断のサイバーセキュリティ演習、国際連携を進める方針を説明。さらに、総理から来週中を目標に緊急対策パッケージを取りまとめるよう指示があり、早期に検討を進めていると答えました。森議員は「国民の皆さんが一番心配するのは、自分の財産が保全されるのかどうか。誰が責任を持ち、保証してくれるのかなど検討すべきではないか。新しい確からしさの構築、デジタルだけでなくアナログの部分をできるだけ温存しておくことが必要ではないか」と提起しました。
国税庁の有識者会議が示した、取引相場のない株式の評価方法の見直し案を巡っては、経済産業省が意見書を提出したことを受け、それぞれの問題意識をたずねました。国税庁は、中小企業の事業承継や成長投資への影響が懸念されているとして「関係者と丁寧に意思疎通を図り、ゼロベースで検討を進めてまいりたい」と答弁。経済産業省は、事業承継や賃上げに逆行する見直しとならないよう、意見を提出したと答えました。森議員は「今後も注視していきたい」と述べました。
勝部賢志議員
勝部議員は(1)財務省における公文書および応接対応記録等の文書管理の現状(2)食料品の消費税減税を巡る官邸からの要求や働きかけの有無(3)オンライン国際会議への対応体制(4)プログラミング言語PHPの更新およびサイバー攻撃への対応・被害状況(5)サイバーセキュリティ関係閣僚会議を受けた緊急対策パッケージの取りまとめ――について取り上げ、政府の見解をただしました。
G7首脳オンライン会議を欠席した理由として、高市総理が「ディスプレイや回線設定の業者を呼ぶには時間が間に合わなかったから」と答弁したことから、財務省におけるオンライン国際会議への対応体制について確認。関連して、高市総理が出席判断を巡り「議題が米国と欧州の間の問題(欧米等のディーゼル価格などへの対応)だったため、代理出席でよしという話を受けた」と発言していることを問題視し、「今灯油代がものすごく高騰 しているなか、その価格の問題は、欧米のことであっても日本が出席し、しっかりと発言をする。どういう状況になるのかを踏まえて政府に持ち帰ることはすごく大事なことであり、政府を代表する皆さんにはそういう現場感覚を持っていただきたい」と苦言を呈しました。
政府機関のサイバーセキュリティ対策をめぐっては特に、プログラミング言語「PHP」について、古いシステムを使用し続けることで生じるリスクや、サイバー攻撃への対応、被害状況を確認した上で「対策を講じ脆弱性が明らかになっているシステムを放置せず、政府全体で早急に対応すべきではないか」と述べました。片山財務大臣は、金融機関への対策要請に加え、業界横断のサイバー演習や情報共有の強化など、現在進めている取り組みを説明。関係閣僚会議で総理から指示があった緊急対策パッケージを来週中に取りまとめると述べました。