徳永エリ政務調査会長、石橋通宏社会保障・雇用制度改革調査会長、熊谷裕人税制調査会長は10月29日、政調審議会終了後に国会内で記者会見を開き、政府の食料品消費税減税と「就業者負担軽減支援金」に対する具体的対案「生活どまんなか給付金」を発表しました。これは、10月7日に決定・公表した「政府の『飲食料品消費税率の臨時的な引下げ及び就業者負担軽減支援金の導入』に対する考え方」で示した3段階の対案のうち、特に第1段階・第2段階について具体化・精緻化を図ったものです。
国民の声に応える「生活どまんなか給付金」
対案の説明を行った石橋調査会長は、対案の名称「生活どまんなか給付金」について、この間、立憲民主党として「生活どまんなか全国キャンペーン」を展開する中で、「今の物価高騰で生活が苦しい、なかなか賃金が上がらない、頑張っても生活が良くならない、そんな声を聞かせていただいた。やはり是非給付をという声はすごく強い。そういったことにしっかりお応えする意味を込めた」と述べました。
第1段階:住民税非課税世帯等への給付
そして、「生活どまんなか給付金」の第1段階として、できるだけ早期に予備費の支出を閣議決定し、年度内に住民税非課税世帯等に給付を届けることを提案しました。給付額は1世帯あたり5万円、子どもがいる場合には1人当たり2万円を加算する設計で、所要額は約9,000億円を見込み、財源は予備費の残額で賄えると説明しました。
対象を住民税非課税世帯等とした点については、中間層は令和7・8年度税制改正による所得税減税(基礎控除等の引き上げ)で3万~6万円程度の負担軽減が行われる一方、住民税非課税世帯はその恩恵にあずかれないからであるとし、この給付によって全体として「穴のない」支援が可能であるとしました。
第2段階:「給付付き税額控除」の理念に沿った簡易版・暫定版の給付制度
第2段階としては、立憲民主党が目指す本格的な「給付付き税額控除」の理念に沿った簡易版・暫定版の給付を実施することを提案しました。これは、個人を対象として、収入のない方、様々な理由で仕事ができない方などを含め、年収300万円までの方には満額の5万円を支給し、年収600万円を上限として給付額を逓減させていく制度設計となっています。受給者本人の扶養親族や配偶者も対象で、本人と同額の給付が受け取れる設計であるとし、例えば、子どもを2人育てている年収200万のひとり親の場合、合計15万円を受け取ることができるとしました。所要額としては年約4.1兆円、2年間で約8.2兆円を見込み、財源は「積み過ぎ基金」の国庫返納、外為特会剰余金の更なる活用、租特の見直しなどにより確保するとしました。
「遅い・狭い・薄い」政府案 vs. 「早い・必要な人に届く・厚い」立憲案
また、来年4月から食料品消費税減税、秋頃から「支援金」の先行給付を行う政府案について、石橋調査会長は「高市総理は『給付は遅い』というが、政府案の方が遅い。大事なのは政治が決定すること。決定すれば給付はお届けができる。われわれの案は政府案より早い」と述べました。
対象者についても、政府の「支援金」は、一定の勤労所得のある方のみを対象としており、低所得・無所得の方が対象外となっていることから、年収300万円の方まで満額支給をする立憲案の方が「必要な方々により厚く給付できる」と、その意義を強調しました。
できる限り野党でまとまり、給付の実現を
最後に、今回、立憲民主党としての具体的対案を決定したことを踏まえて、石橋調査会長は「これから他の野党の皆さんにも説明に回りたい」とし、「政府案ではダメ、給付措置が必要だということでは野党は概ねまとまっている。立憲案を説明させていただいて、できるだけ野党でまとまり、一日も早くこうした給付措置が実現できるように努力していきたい」と決意を述べました。
2026(令和8)年10月29日(木) 立憲民主党政調審議会(第3回)終了後 記者会見 全文(政府の「消費税・支援金」に対する対案「生活どまんなか給付金」について)
石橋通宏 社会保障・雇用制度改革調査会長
立憲民主党で社会保障・雇用制度改革調査会の会長を拝命しております石橋です。
私の方から、できるだけ簡潔に。今日ご決定をいただきました、われわれとしての政府の案に対する対案という位置付けで、「生活どまんなか給付金」というタイトルをつけさせていただきました。
既に皆さんにもご説明した通り、われわれの政府案に対する考え方については、既に10月7日に決定し、皆さんにもご説明を申し上げました。
食料品の消費税減税、今じゃない、これは今やるべき政策ではないということを強く主張させていただいて、やはり今、物価高騰で本当にさまざまな物資・資材、色々含めて上がっている中で、生活を支えるために、1日も早く給付をすべきだ。われわれは実は4月、5月からそれを主張していたのですが、残念ながら政府がそれを決めないままここに来て、政府は年度内の支給が一切ありませんので、本当にこのまま年を越す、冬を迎える、とても本当に厳しいと思います。
だからこそわれわれは、第1弾をできるだけ速やかに、そして第2弾は来年4月以降、来年度からということで、既に考え方を示させていただいておりましたが、今回は数字も入れさせていただいて、かつ財源の具体的な提案も含めてさせていただいて、そして政府案に対する対案として国民の皆さん、国会での議論、ここにぶつけていきたいということで、今日まとめさせていただいたのが、皆さんのお手元に示させていただいた資料です。
縦書きの「『生活どまんなか給付金』について」というものと、それから1枚ものの方は、それを簡単・シンプルに1枚で全体像をご説明した資料ですので、基本的にはこの縦書きの中で説明をしていきたいというふうに思います。
皆さんにも、立憲民主党がこの間「生活どまんなか全国キャンペーン」を展開させていただいているのはご承知かと思います。「もっと良い未来へ」ということで、本当に津々浦々、多くの皆さんから課題提起、お困り事を聞かせていただいております。重ねて、やっぱり今の物価高騰で生活が苦しい、なかなか賃金が上がらない、頑張っても生活が良くならない、そんな声を聞かせていただく中で、是非給付をという声はすごく強いんです。
そういったことにしっかりお応えする意味も込めて「生活どまんなか給付金」という提言にさせていただき、まず先ほど言った第1段階では、速やかに、できるだけ早期に、住民税非課税世帯等の皆さんに給付措置をさせていただく。これは年度内速やかにということで、給付をさせていただきたいと思います。1世帯当たり5万円という設定をさせていただきました。プラス、子どもがおられる世帯については1人当たり2万円を加算する。2人、3人と増えればそれだけプラス・プラスになっていくということで、所要額としては約0.9兆円、9,000億を見込んでいます。より正確に言うと9,300億円を見込んでおりまして、これはすべて予備費の残額で十二分に賄える額ということで、予備費で対応させていただくという提案をしております。
ですので、予備費ですので、できるだけ早期に閣議決定で予備費支出をしていただければ、12月議会に間に合います。間に合えば年度内の支給ができます。早く政府として責任ある決定をしていただいて、年度内に住民税非課税世帯の皆さんに給付をお届けをするということを、まず提起をさせていただきました。
で、1点、これはもう皆さん重々ご存じのとおり、令和7・8年度の税制改正が行われまして、所得税減税、基礎控除の引き上げ等で行われたわけですけれども、これで3万円から6万円程度の負担軽減が行われます。一番下の第1段階のグラフがありますが、これを見ていただけるとよく分かるのですが、一定の収入がある方々については、この基礎控除の引き上げによる所得税減税の恩恵を受けることができます。ただ、住民税非課税世帯の皆さんはこの恩恵にあずかれませんので、ここが穴が空いたままになっているのが、かねてからわれわれが主張してきたこと。そこに年度内に速やかに住民税非課税世帯の皆さんに給付をさせていただくことで、穴のない国民生活を支える措置が取れるということで、これを是非やらせていただきたいというふうに思っております。
その上で、第2段階ということで、元々これもずっと申し上げてきましたが、われわれは「給付付き税額控除」、本物の「給付付き税額控除」を実現したいということで、国民会議の場でも一貫してそれを主張してまいりました。残念ながら全く違うものに政府案がなってしまいましたので、われわれはそれは賛同できないと。われわれはやはり「給付付き税額控除」を実現したいということで、それを第3弾の目指すべきところで提起をさせていただいておりますので、その「給付付き税額控除」の理念に沿った、まずは「つなぎ」としての簡易版・暫定版の給付制度ということで、来年度から2年間これをやらせていただくということで、提案をさせていただいています。
具体的には、個人単位で、個人を対象とし、年収300万円まで、つまり収入のない方、さまざまな理由で仕事をすることができない、収入がない、そういった方々も含めて、むしろそういった方々には満額5万円支給をさせていただいて、年収300万円の方まではフラットに5万円の定額支給。そこから逓減・漸減させていただいて、年収600万円の方まで一定支給をさせていただく、600万円で支給がなくなるという、そういう制度設計で提案をさせていただいております。
これで財源としては年約4.1兆円の財源を計算上見込んでおります。2年間の措置ですので、8.2兆円ということになりますので、その手当てをしっかり考えさせていただいて、この額を提起をさせていただいております。イメージとしては下の第2段階の図を見ていただければ、こういうイメージで提起をさせていただいているということで、ご理解をいただけるのではないかなというふうに思います。
ポイントとしては、扶養親族、お子さんですとかね、配偶者がおられる方については、ご本人と同額の給付をその扶養親族分支給をさせていただくという、そういう制度設計にさせていただいております。
実はこれが一番分かりやすくシンプルで、自治体にご負担をかけない、これまでやってきたさまざまな措置をそのまま使っていただいて、これを実行できるということで、できるだけシンプルに、自治体のご負担を減らす、そういう観点を含んで、こういう分かりやすい制度を提案させていただいているということも、ご理解をいただければというふうに思います。
その上で、めくっていただいて、第3段階が、先ほど言った「給付付き税額控除」。第3段階についてはこれから具体的な制度設計にまた入らせていただきますが、これはもう恒久制度ですから。今までのは暫定措置ですので、暫定的な財源措置を提起させていただいておりますが、本格的な「給付付き税額控除」は、恒久制度としてずっとやっていきますので、恒久財源が必要です。ですので、雇用制度と社会保障制度と、そして税制と一体的な改革案をこれからまた立憲民主党の中でみんなで議論して作っていこうということで、これできるだけ早期に出したいと思っております。現段階ではこれから制度設計をさせていただくということは、ご理解をいただければというふうにも思いますので、そういう説明をさせていただきました。
あとは、政府案との比較ということで、政府案は、来年の4月から2年限定で食料品消費税8%から1%。ただ衆議院の参考人質疑でもありましたが、果たして本当にそれだけ下がるのか。色々な物価が上がっている中で、現場の皆さん苦しんで今なんとかしのいでおられる中で、7%下がったからといってそれをそのまま価格に反映できるか、できないですよねという参考人。これは極めて重いと、われわれもそう思うわけです。
そういったことも含めて、来年度の1%を使った暫定的な給付措置は秋ですから。そういう意味では、やっぱり政府案の方が遅い。高市さんなんか「給付は遅い」とおっしゃるけど、違うよね、政府案遅いじゃないかと。むしろわれわれの第1段階は、11月に閣議決定していただければ、年度内の支給ができるということも、根拠を持って説明をさせていただいておりますので、大事なのは政治が決定すること。決定すれば給付はお届けができるということも合わせて説明をさせていただいております。第2弾についても来年4月以降、来年度から給付措置を第2段階スタートいたします。第2段階、2回に分けて給付を行う制度設計を提案させていただいておりまして、1回目については早ければ6月に支給ができるということで、これも政府案は秋以降ですので、われわれの第2弾の給付、これはより広い方々に給付をお届けできますので、政府案より早い措置ということで、提起をさせていただいているということ。
対象者も政府案、ご存じのとおり、来年度からのその給付措置は一定の収入がある方々からしか支給をされません。一定の勤労所得がない方々は対象外ですので、ここにすっぽり大きな穴が空いてしまいます。その意味で、われわれはやはり先ほど申し上げた通り、色々な理由があって今仕事をできない方、収入がない方々、ご高齢の方々、そういう方々も支給対象にさせていただいて、来年6月にはそういう方々も含めてお届けができるということで、必要な方々により厚く給付を早くさせていただけるということもアピールをしっかりしていきたいと思っております。
今申し上げたように、政府案、ちょっと食料品消費税もどこまで実際の効果があるのか、特に低所得・無所得の世帯の方々にとっては極めて薄い支援にしかならないのではないだろうかということ、それを考えれば、やはりわれわれの案はむしろ低所得・無所得の方々、年収300万円の方々まで満額支給をさせていただきますので、より必要な方々に厚くお届けができるということも、しっかりと国民の皆さんに説明をしていきたいと思っております。
以上、ざっとですが、われわれの考え方を申し上げました。
先ほど申し上げた1枚もののカラー刷りの説明資料、これで外向けにはしっかりと説明をさせていただけるように、なかなかこういう制度設計は分かりにくくて長々となるので、できるだけ1枚で分かりやすく全体像をご説明ができればということで、案として用意をさせていただいております。
例えば、第2弾での給付額はどうなるかということも、この下のところに、一人暮らしのご高齢で年金収入がそれほどない方々については満額5万円が支給ができるとか、単身の勤労者でも非正規雇用の方々とか、頑張って働いてもなかなか年収が上がらない、そういう方々にも満額の支給をさせていただけるとか、ひとり親でお子さんお二人育てて頑張っておられる方々、シングルで年収200万で15万支給をさせていただけるとか、こういう具体例も持ってしっかり説明をしていきたいと思っておりますので、参考までにご説明申し上げました。
以上、われわれの案を今日の政調審議会でご決定をいただきましたので、これから他の野党の皆さんにも説明に回りたいと思っています。とりわけ、やはり政府案では駄目だと、給付措置が必要だと、これは野党概ね方向性はまとまっております。立憲案、こうして固まりましたので、これをご説明させていただいて、できるだけ野党でまとまって、1日も早いこうした給付措置が実現できるように、努力をさせていただきたいと思っております。
以上、説明させていただきましたので、熊谷さんや政調会長から補足があればお願いいたします。
熊谷裕人 税制調査会長
はい、ありがとうございました。
今、石橋さんからあったように、これから他の野党にご説明に上がってですね、共同でこれから色々な作業ができればと思っておりますので、この作業を急いでやっていきたいと思っております。
また、300万まで定額で給付ができるというところまで持っていきましたので、若年層の方、30代前半ぐらいの方までは手厚く給付ができるんではないかなと思っております。この案で是非野党の結束を図っていきたいと思っております。
<記者との質疑応答>
記者
徳永政調会長にお伺いしたいんですが、今回こういった案を取りまとめるにあたって、意義と言いましょうか、取りまとめられたことの成果についてどのように考えておられるかお聞かせください。
徳永エリ 政務調査会長
社会保障国民会議でもお二人が出られて、ずっと立憲民主党の考え方を申し上げてまいりましたけれども、なかなかわれわれの意見が反映されず、結局何も決まらないという状況でした。
やっぱり私たちはですね、今この物価高の中で本当に困っている、真に支援が必要な人たちにしっかり支援を届けなければいけないということを一貫して申し上げてまいりましたし、社会保障国民会議の全体会議でも、水岡代表からもですね、できるだけ速やかに住民税非課税世帯に対して支援を行いたいということを言ってまいりましたので、まさにわれわれがまとめたこの「生活どまんなか給付金」でもってですね、これまで言ってきたことが実現できるということで、安心していただける方が増えるのではないかと期待しています。
記者
今の関連で政調会長にお伺いさせてください。対案ということで、今、先生方からご説明いただきましたけれども、まず、もちろん他党との調整はしつつもですね、いつ頃提出を目指されているのか。あるいは提出した後に協議をするという順番なのか、現時点でのご見解いかがでしょうか。
徳永エリ 政務調査会長
いや、まずは速やかにですね、協議を始めたいというふうに思います。で、協議の中で、われわれの案にも少し修正が入るかもしれませんし、できるだけみんなが一致できる方向で協議をして、その上でどういう扱いをしていくかということ、あるいはどこで提出するかということは、これから決めていきたいというふうに思っております。
記者
今の関連なんですけれども、他党とこれまで国民会議も含めて話してきた中で、どういうところで一致できそうか、どこまで一致できそうか、もしお話しできる範囲で今あれば教えていただけますでしょうか。
徳永エリ 政務調査会長
これまでも皆さんにお話ししてきましたけれども、一番最初にお話をいただいたのは公明党さんからで、中野政調会長から公明党の案ですということで、8万円給付という資料をいただきました。
ただ、財源とかですね、10兆円という額に関しても、どこからこの財源を捻出するんだとか、あるいはどんな影響があって、それにどう対応していくのかとか色々な課題があるということを言ってきたんですけれども、そういった詳細が特にいただいた公明党案の中にはなくて、いただいたところで終わって協議もさせていただいておりませんし、他の政党がどういうこと考えているのかということも具体的にまだ聞いておりませんので、これからしっかりと、考え方を聞かせていただき、なおかつ私たちの案も説明させていただきながら、できるだけ一致させていきたいと思っております。
記者
細かいところを少し伺いたいんですけれども、こちらのカラーの資料の方を拝見させていただいて、下のところの財源、政府案より想定されているものが少ない9.2兆円というふうに記載あるかと思うんですけれども、これは第1弾と第2弾の給付というところの財源が9.2兆円ということでよろしかったでしょうか。
石橋通宏 社会保障・雇用制度改革調査会長
はい、その通りです。先ほど言ったように第1弾が約0.93兆円程度、第2弾が1年あたり4.1兆円、2年で8.2兆円ということですので、概ね3年間の第1弾・第2弾の「つなぎ」の給付措置で9.2兆円ということです。
記者
今、法案提出も視野に入れて他の党と協議するということだと思いました。現状、政府が消費税減税の関連法案出されてまして、こちらについて賛否、対応が決まってましたら教えてください。
徳永エリ 政務調査会長
まだきちんと決まっているわけではございませんが、大体われわれが今まで言ってきたことを聞いていただければ、立憲民主党の態度はお分かりいただけるかと思いますが、きちんと機関決定をしていかなければなりませんので、まだここでは申し上げません。
記者
かなり厳しい姿勢で…。
徳永エリ 政務調査会長
もちろん。
以 上
【立憲民主党】 政府の「消費税・支援金」に対する対案 「生活どまんなか給付金」について.pdf
【立憲民主党】(ポイント)「生活どまんなか給付金」.pdf