11月5日の参院農林水産委員会で、立憲民主・無所属の徳永エリ議員が質疑に立ち、武部新農林水産大臣の政治資金をめぐる疑惑や米価下落の政治責任、農家の所得確保、新たな水田政策、米国産ばれいしょの輸入解禁協議などについて政府の姿勢をただしました。
政治資金問題の説明責任を要求
徳永議員は冒頭、武部大臣の政治資金をめぐる一連の報道について「知らなかった、修正した、返した、これでは終わりませんよ」と指摘。収支報告書の訂正前後の資料や領収書、振込記録などの提出と、武部大臣の政治とカネの問題に関する集中審議を求めました。大臣は、報道の都度、事実関係を確認し説明してきたと述べ、資料提出については委員会の判断に従うと答弁しました。
米価下落の政治責任と価格形成のあり方を追及
続いて徳永議員は、米価の下落や2026年産の新米が前年産米より安く販売されるという価格の逆転現象について質問。生産者概算金が大幅に下がる一方、卸売・流通業者が高値で仕入れた在庫を抱える状況を指摘しました。さらに、政府の需要見通しや備蓄米放出、増産方針から需要に応じた生産への転換などが市場と現場を混乱させたとして、政治の責任を繰り返し追及。武部大臣は安定供給体制の整備やセーフティネットによる支援を説明しましたが、徳永議員は「残念ながらお答えいただけなかった」と述べました。
食料システム法については、米の生産コストを示す指標が公表されたにもかかわらず、生産者概算金がコストを下回る状況を指摘。立場の弱い生産者や産地が価格交渉で制度を活用できるよう、実効性ある対応を求めました。武部大臣は、コスト指標は最低取引価格ではないと説明し、フードGメンによる調査などを通じて制度の実効性を確保していく考えを示しました。
新たな水田政策と生産コスト高騰への対応を求める
2027年度からの新たな水田政策では、支援単価や基準単収の設定、天候不順などによる減収への対応を質問。特に小規模・家族経営や中山間地域の農家が営農を継続できるよう支援を求めました。藤木農水副大臣は、地域の実情を踏まえた基準単収の設定や、農業者に責任のない事情による減収への配慮などを検討していると答弁しました。
また、肥料価格の高騰について、自治体ごとの支援に差がある現状を指摘し、国による速やかな支援を要求。武部大臣は価格転嫁や国内資源を活用した肥料への転換などを進め、今後の対応を検討すると説明しました。徳永議員は、収入が増えても生産コストの上昇で所得が減っているとして、農家の手取りを増やす支援を重ねて求めました。
米国産ばれいしょの輸入解禁と国内生産基盤の強化
最後に、米国産生鮮ばれいしょの輸入解禁協議について、政治的な圧力によって協議が加速することへの懸念を表明。武部大臣は、科学的・技術的な議論を尽くし、相互に納得できる合意が見いだせない限り輸入解禁はしないと答弁しました。
徳永議員は、国内対策を急ぐ必要性を訴え、北海道で生産者が減少している種ばれいしょについて、省力化技術の導入や研究開発の充実を求めました。さらに、卸売価格や小売価格よりも低い生産者価格に言及し、採算が取れなければ生産意欲につながらないと指摘。ばれいしょについても今後示されるコスト指標を踏まえ、生産者が採算を確保できる価格形成や手取りの改善に取り組むよう求めました。藤木副大臣は、病害虫抵抗性品種や省力化機械の導入、AIを活用した病株判定などへの支援を説明し、生産基盤の強化に取り組む考えを示しましたが、生産者価格や手取りの改善についての具体的な答弁はありませんでした。