立憲民主党は12月9日、党税制調査会で取りまとめた「2023(令和5)年度税制改正についての提言」を鈴木俊一財務大臣に申し入れました。申し入れには、党税制調査会の小川淳也会長、末松義規副会長、落合貴之副会長、稲富修二事務局長、道下大樹事務局長代理が参加し、提言を手交した後、鈴木財務大臣と意見交換を行いました。

 提言は、長期化する新型コロナウイルス感染症の影響や現下の物価高騰が、国民の暮らしに深刻な影響を与えていることや、日本社会が従来抱えてきた問題・矛盾を顕在化、深刻化させていることに鑑み、必要な税制上の措置を講じるべきとの基本認識の下に取りまとめたもので、

1.コロナ禍・物価高騰で困難な状況にある個人・事業者等への支援
2.賃金上昇に向けた取り組みへの支援
3.税制の所得再分配機能・財源調達機能の強化
4.暮らしの安心を支えるための税制
5.働き方や人生設計に中立な税制
6.カーボンニュートラルの実現に向けた税制
7.多発化・深刻化する災害に対応する税制
8.地方財政の安定化
9.多国籍企業による租税回避の防止
10.納税環境の整備
の10項目で構成されています。

 参加議員からは、提言のうち特に(1)インボイス制度の廃止・延期、(2)時限的な消費税減税、(3)一部企業の過大な内部留保が賃上げに回る税制、(4)リカレント教育への優遇措置、(5)NISAの拡充と合わせた金融所得課税の累進性強化、(6)奨学金の返還額の所得控除化、(7)走行距離課税ではなく複雑・過重な自動車関係諸税の見直し、(8)最低賃金の上昇等により生じている就労調整を防ぐための控除額引き上げ・人的控除の抜本的見直し、(9)「災害損失控除」の創設――について要望しました。

 申し入れ後、記者の取材に応じた小川税調会長は「鈴木大臣からは、見解に違いもあるが、方向性が共通する部分もあるので、今後もこうした機会を通して意見交換していきたい、というお言葉をいただいたので、われわれとしても議論を深め、継続的に取り組んでいきたい」と述べました。

【立憲民主党】 2023(令和5)年度税制改正への提言.pdf

「2023(令和5)年度税制改正についての提言」の概要.pdf