女性労働者のうち、生理休暇を請求した者の割合は、厚生労働省の「働く女性と生理休暇について」(※1)によると、1997年で3.3%と相当低い数値でしたが、2020年には0.9%まで減っています。この理由として「そもそも制度を知らない」「無給」「男性上司に言いにくい」といった声を聞きます(※2)。
また他方、更年期症状がある人について、厚生労働省の「更年期症状・障害に関する意識調査」(※3)では、どの程度日常生活(「家事」「買い物など日常的な外出」「育児、子どもの世話」「家族の介護・介助」「友人・知人、近所の人とのつき合い」「社会活動」)に影響が出ているかとの設問に「とてもある」及び「かなりある」「少しある」を合わせると、女性では40~49歳で33.9%、50~59歳で27.1%(男性ではそれぞれ30.6%、25.1%)が「影響が出ている」と回答しています。
前掲の調査結果(※2)では、更年期障害の症状があるのは74.1%ですが、症状がある方のうち72.3%が、症状が原因で「病院に行ったことがあるか」との問いには、「ない」と答えています。「休みたかったがなかなか職場に理解してもらえなかった」との声もありました(※4)。男女問わず更年期障害の影響を受けながら家庭、社会生活を送っていますが、医療機関の受診等に行けない人も多く、症状を抱えながら我慢して仕事をしている実態が分かります。
職場において生理痛や更年期障害があっても無理なく働ける職場づくりは、性別を問わない課題です。
立憲民主党は、男女ともワーク・ライフ・バランスの実現が可能な職場・地域・社会の環境整備を目指します。
・日本が未批准のILO第183号条約(改正母性保護条約)の批准を求め、雇用形態に関係なくすべての女性労働者に対する母性保護と母性を理由とした差別の禁止が法令で担保されるよう改革していきます。
・母性保護、授乳権の確保の観点からも、妊娠・出産前後の女性が働きやすい環境を整備する企業への支援を拡充します。
・結婚、出産、介護、看護などさまざまなライフステージで、子育てや介護など、家族的責任がある労働者も就労の継続や両立が実現できるテレワークやサテライトオフィスなど働き方の工夫を支援します。またやむを得ない休職・離職に対応し、就業の継続・復帰を支援します。その際、不当・差別的な取り扱いをされないよう、職場環境を整備します。
・女性と男性の生物学的性差や社会的性差に着目しつつ、女性の心身の症状を診る「性差医療」を拡充します。女性の健康、性差医療等に係る調査研究・統計を行うとともに、その成果等について教育・研修および普及・啓発を推進します。また、「乳がん」「子宮がん」は若年化が進んでいることから、若い女性への普及啓発を一層進めるとともに、患者が治療と仕事や子育てを両立できるよう支援します。
・更年期障害の軽減、成年期・高齢期の健康づくりを支援します。
◆立憲民主党の取組み
※1 「働く女性と生理休暇について」2023年9月28日 厚生労働省 雇用環境・均等局雇用機会均等課
※2 「生理休暇と更年期障害に関するアンケートー調査報告書―2022年7月」連合東京男女平等局