衆院予算委員会で25日、2022年度総予算の基本的質疑が行われ、立憲民主党・無所属の2番手として城井崇・子ども子育てプロジェクトチーム座長が質問に立ち、オミクロン株の子どもへの感染拡大対策、子ども政策の予算確保などについて、政府に求めました。

 冒頭、登校・登園をさせるかどうかで悩んでいる家庭の声を紹介し、「従来通りの対策で大丈夫か」と城井議員がただしたところ、岸田総理は「科学的な知見を把握しながら対応を考えたい」、「現場、現場で考えてほしい」として、まさに国の対応を求める現場の声を聞こうとしない総理の姿勢が浮き彫りとなりました。

 また、小学校等の臨時休業等により仕事を休まざるをえなくなった保護者を支援する「小学校休業等対応助成金」について、オンライン申請を認めるように求めましたが、政府は「時限的な制度である」として認めない姿勢を見せたのに対し、城井議員は「延長しているのだから時限的とは言えない」と指摘しました。

 「離婚世帯への10万円の給付金」については、城井議員が「問題点は2つ」だとして、一つは早急に推計4万人に届かない点、もう一つは養育していない者から返還させるべき点――の2点の改善を求めました。城井議員が給付金を受け取っていない子どもたちへの国の責任での給付を求めたのに対し、岸田総理は「できるだけ早くしっかり詰めていく」と述べ、山際大臣は、「全額国費で給付したい」と給付制度の見直しを明言しました。

 さらに城井議員は、「こども家庭庁」の設置をめぐる政府の議論に触れ、立憲民主党が昨年提出した「子ども総合基本法案」では「ハコ(省庁の設置)より中身。子ども子育て予算を大幅に増やすことが大事だ」と訴えているが、政府の「こども政策の新たな推進体制に関する基本方針」では、期限や予算規模が明示されておらず、「イメージだけ」であると批判しました。

■行政のチェック機能を発揮

 一方、新型コロナウイルス対策と称して、コロナ前から実施されている事業が多数あることを城井議員は指摘。雇用調整助成金、GoToトラベル、持続化給付金の不正受給問題を指摘しつつ、全国民に一律10万円を給付した特別定額給付金について、城井議員が予算の執行状況を確認しようとしたが、「行政事業レビュー」のホームページに掲載されていないことを問題視。全ての事業を対象に、「自律性、透明性、外部性、公開性」の観点から国民がチェックできるようにすべきと城井議員がただしたところ、金子恭之・総務大臣は「(行政事業レビューシートを)作成し、公開する」と明言しました。

■「教育データ利活用ロードマップ」は法に抵触

 さらに、教育のデジタル化をミッションとして岸田内閣は掲げているが、これを実現するためにデジタル庁が1月7日に公表した「教育データ利活用ロードマップ」の内容が「検討不十分だ」と城井議員は批判。個人情報保護法違反の恐れが高く、憲法19条にある内心の自由、憲法13条にあるプライバシー権の侵害の恐れ、憲法26条にある教育の平等に違反の恐れもあると指摘し、「教育データ利活用ロードマップ」は中止し、再検討すべきと断じました。