衆院予算委員会で2日、2022年度総予算案の集中審議(新型コロナウイルス感染症対策・国民生活等の諸課題)が行われ、立憲民主党・無所属の4番手として奥野総一郎議員が質問に立ちました。

■憲法問題について

 奥野議員は冒頭、国会における「オンライン審議」について質問。憲法57条に基づき、衆議院規則51条「表決の際現在しない委員は、表決に加わることができない」との委員会の出席規定、同規則148条「表決の際議場にいない議員は、表決に加わることができない」との本会議の出席規定があるが、これらの規則を改正し、たとえば「感染症等のため、議場に入ることができない議員であって、予め議長の許可を得た者については表決に加えることができる」とすれば、憲法改正をしなくとも「オンライン審議」が可能ではないかと、岸田総理をただしました。

 また「自民党改憲草案」の4項目――(1)自衛隊の明記(2)緊急事態対応(3)合区解消(4)教育充実――に言及し、国民の間に異論も多く、「強引に推し進めて、国民の分断を生むことがあってはいけない」と強調し、「憲法改正ということは、みんなが一致をして賛成できるものについて、進めていかなければならない」とし、「4項目に前のめりになるのではなく」、「徹底的に議論をしなくてはいけない」とくぎを刺しました。

 さらに、教育無償化も憲法改正をしなくともできると指摘しつつ、一方で、「運用上問題がある」として臨時国会の召集を定めた憲法53条について、岸田総理の認識をただしました。昨年7月16日に立憲民主党などの野党が、憲法53条「いづれかの議院の総議員の四分の一以上の要求があれば、内閣は、その召集を決定しなければならない」との規定に基づき、「新型コロナウイルス及び各地で頻発する豪雨被害に対応するため」、補正予算を編成するためにも臨時国会の召集要求をしたが、「およそ80日間も棚ざらし」にされたと追及。2017年における臨時国会の召集要求の際には、当時の安倍内閣が約3カ月も応じなかったのは「違憲と評価する余地がある」との広島高裁岡山支部の判決も踏まえ、奥野議員は「違憲の疑いがあるのでは」と岸田総理に迫りました。

 その上で奥野議員は、「自民党改憲草案」でも「要求があった日から20日以内に臨時国会が召集されなければならない」と規定しているとして、岸田総理に対し、「この条文に則って」召集するのかと問いただしましたが、岸田総理は「総合的に勘案して判断する」として「自民党改憲草案」の条文にもそぐわない答弁をしました。奥野議員は、「もう少し現行憲法を尊重していただきながら、議論をしていただきたい」と、「論憲」の立場から注文しました。

■医療従事者等のワクチン接種の遅れについて

 奥野議員は、医療従事者等のワクチン接種が遅れている状況について、堀内詔子ワクチン接種推進担当大臣に質問。昨年12月からすでにオミクロン株が拡大しており、「初動の遅れ」ではないかと指摘し、2月末までに希望する高齢者のワクチン接種を終えるには、「一日平均100万回」接種しなければ間に合わないとして、このままでは「国民の不安は収まらない」とただしました。