8月31日、自衛隊内の性被害を実名で告白した元陸上自衛官の五ノ井里奈さんが野党国会議員立ち合いのもと、防衛省に公正な調査を求める申し入れを行いました。立憲民主党からは岡本あき子衆院議員が同席しました。

 五ノ井さんは、今回の事態を招いた構造的な問題を調査するために第三者委員会の設置を求めるとともに、ハラスメントを認定し、厳正な処分にあたっては必ず謝罪することを強く求めました。また、自身が実名で性被害を告発したのは、自衛隊を批判するためではなく、自衛隊が誰もが誇れる組織になってほしいと願うからであり、この思いへのオンライン署名の賛同者が10万5296人に達したことも併せて伝えました。

 五ノ井さんの署名活動をサポートしたチェンジ・ドット・オーグの加藤悠二さんは、署名に合わせて実施した「自衛隊内におけるハラスメントの経験に関するアンケート」の結果でハラスメントを受けた女性の86.5%がセクハラやマタハラの被害だったと報告、「調査にあたっては女性の視点を持つことが非常に重要だ」と訴えました。

 申し入れを受けた防衛省の木村次郎大臣政務官は、「セクハラは決してあってはならない。組織として許さない。しっかり調査し、事実関係を把握したうえで対応したい」と述べましたが、五ノ井さんの求めた第三者委員会の設置については「ご意見として承る」と述べるにとどまるなど、具体的な取組には言及しませんでした。

 岡本衆院議員は、「防衛省による調査の内容はまったく知らされていない。私たちは適宜、調査の状況説明を求めていきたい。フェアな調査を進めさせるための監視活動はこれからも行っていく」「五ノ井さんの件と、それ以外の件についても防衛省内の現状、実態解明を求めていきたい」と述べました。

 なお、党ジェンダー平等推進本部では8月10日に五ノ井さんからヒアリングを行いました。