長妻昭政務調査会長は2月22日、国会内で定例記者会見を開き、(1)日銀新総裁の所信質疑(2)原子力規制委員会の決定(3)防衛財源(4)子ども子育て政策(5)反撃能力――等について発言しました。

(1)日銀新総裁の所信質疑
 2月24日に日銀の植田新総裁と副総裁2名の所信聴取と質疑が行われることに触れ、「日銀は物価の番人ではなくて、アベノミクスの番人というふうになってしまったのではないかという強い問題意識を持っていた」と述べました。新総裁、副総裁の政治に対する対応力がまだまだ未知であるとして、「政治の乱暴な圧力があってもきちっと日銀の独立性、筋を通す対応をしてほしい」と求めました。

(2)原子力規制委員会の決定
 政府が既存原発の60年超の運転を認めるグリーントランスフォーメーション(GX)に向けた基本方針について、原子力規制委員会の決定を待たずに閣議決定したことについて「とんでもないこと」だとし、「これをきちっと反省をしてもう一度安全性を確認することを厳密にやってほしい」と話しました。

(3)防衛財源
 政府が防衛費増額の財源を確保するための特別措置法案を閣議決定し、2023~27年度の5年間の防衛費総額を約43兆円としていることについて、「まだまだ中身があいまいだ」と長妻政調会長は述べました。「かなり節約ができるとの思いも持っておりますので、引き続き法案審査の中でも取り組みを進めていきたい」と話しました。

(4)子ども子育て政策
 立憲民主党が2月20日に日本維新の会と共同で児童手当の所得制限を撤廃する法案を提出したことを取り上げ、「格差が拡大しない。そして、全ての子どもの育ちを社会全体で応援する。この理念を両立させることが必要になってくる」と訴えました。

(5)反撃能力
 政府の「安保3文書」に示された反撃能力について「まだまだ政府の説明が不十分だ」と述べました。長妻政調会長は、「今回解禁された反撃能力はミサイルが念頭に置かれているが、解禁された反撃力の範囲の中には敵国の中に戦闘機が入って爆撃することも含まれる。あるいは、敵国に自衛隊が上陸して、敵国のミサイル基地を破壊することも含まれることは否定するものではないという趣旨の答弁が政府からなされております」と説明。このことについて政府に深堀りをしていく考えを示しました。