立憲民主党は2月20日、「児童手当法の一部を改正する法律案」を日本維新の会と共同で衆議院へ提出しました。本法案は昨年12月7日に日本維新の会と共同提出した「子育て・若者緊急支援法案」の施策にもある、早急に改善すべき課題である「児童手当の所得制限撤廃」を実施するための法律でもあります。

 現行の児童手当は、0歳から中学生までの子どもに、月額10000円~15000円を支給する制度ですが、一定の所得以上の世帯は支給対象外となるか、「特例給付」という月額5000円の支給となる仕組みです。

 民主党政権時に0歳から中学生までの子どもに、月額13000円を所得制限なしに支給する「子ども手当」が創設されましたが、その後の自民党政権で現在の制度に変更されました。

 「困っている人により手厚く支援をすべきであり高所得の人には児童手当は不要ではないか」と、所得制限の撤廃に反対する意見もあります。しかし、それは両方しっかり行うべきであり、子どもの支援策の中で予算の取り合いをする必要はなく、所得の高い方は、累進課税などで負担をしているため、手当については子どもを分断せずに等しく支給するという考え方です。

 本法案は、児童手当の所得制限を撤廃し、すべの子どもが児童手当を支給できるようにするためのものです。また、(1)ひとり親に給付されている児童扶養手当の所得制限緩和、(2)障害のある子どもに対する特別児童扶養手当の所得制限撤廃、(3)高校授業料無償化の所得制限撤廃――についても検討すべき事項としています。

 本法案が5月末までに成立すると、今年2月から5月分まで4カ月分が、6月に支給され、165万人、104万世帯が児童手当を受けられることになります。

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 法案提出後、筆頭提出者である早稲田ゆき衆院議員(ネクスト厚生労働大臣)は、「この10年間、少子化も拍車をかけた。所得制限の撤廃は、社会全体で子どもと子育て家庭を応援していくことが未来に繋がる重要なことだ。子育てをする方が、子育て罰と言われるような、不利益を被らず、みんなに子育てを応援してもらっているという、大きなメッセージになる。超党派で早期に成立すべきと考え、提出した」と実現に向けた決意を述べました。

 また大西健介衆院議員(政務調査会代理、子ども・若者応援本部事務総長)は、「立憲民主党は所得制限の撤廃とともに、高校卒業年次まで15000円を支給すべきとしている」が、「まずは野党で一致している児童手当の所得制限の撤廃について、法案を提出し、国会内での議論をリードしていきたい」「子どもの育ちや学びに関するものについては、分断することはよくない」と提出の意義を強調しました。

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 法案提出者は、早稲田ゆき、菊田真紀子、大西健介、山井和則、青柳陽一郎、坂本祐之輔、岡本あき子各衆院議員です。また法案提出時には参議院から、杉尾秀哉ネクスト内閣府担当大臣、横沢高徳障がい・難病PT座長も出席しました。

児童手当所得制限撤廃法案.pdf
児童手当所得制限撤廃法案(要綱).pdf
児童手当所得制限撤廃法案(新旧対照表).pdf