泉健太代表は5月31日、党本部で定例の記者会見を開き、(1)りっけん政治塾(2)立憲民主党エネルギー負担軽減策(3)政治資金規正法改正等(4)東京都知事選挙(5)高校生の環境委員会参考人問題――等について発言しました

■りっけん政治塾

 泉代表は「りっけん政治塾」の塾生募集を党ウェブサイト行うことを発表しました。受講料は無料でオンラインでも講義を受けられる内容となっており、「立憲民主党とともに政治を学び、『変えていこう』と思っている方の募集をしたい」と述べました。

■立憲民主党エネルギー負担軽減策

 泉代表は、電気・ガス料金の価格を抑える政府の補助金が6月分から廃止されることを受け、立憲民主党がエネルギー負担軽減策をまとめたことを報告。大手電力会社10社が5月から値上げをすることもあり、「生活支援をしなければ消費は落ち込んでいく」「中小企業も負担増となり、賃上げに回らない」と強調した上で、(1)「エネルギー手当」(月額3000円)を中低所得層に給付(2)「中小企業 電気・ガス補助金」(月額最大50万円)を給付(3)「トリガー条項」の発動(ガソリン1リットルあたり約25円の減税)――を盛り込んだと述べました。

 また、当初予算に計上されている賃上げ予備費について、「そもそも『賃上げ予備費って何なんだ』という話ではあったが、このような時に使わないのであれば、本当に意味が分からないものになる」と指摘しました。

■政治資金規正法改正等

 政治資金規正法改正等の自民案について、泉代表は「『現状維持をしたい』といった気持ちの表れが随所に出てきている」と批判しました。連座制については「やったふり」、政策活動費については「温存」だと指摘。その上で、「例えば公設秘書を増やすなどの政界の底上げを図っていく視点の改革でお金を使うなら分かるが、一部の権力者に大きなお金の使い道の裁量を持たせるといった考え方は(われわれとは)相容れない」と指摘しました。

 企業団体献金については、「腐敗の温床」になってきたことを経済界にも重く受けてもらいたいと述べました。

 また、自民党と公明党の修正協議について、「『同じ穴のムジナ』と言われないような改革をあらためて自民党につきつけることができるのかが問われている」と述べました。さらに、日本維新の会と自民党との間で党首会談が行われるとした情報についても、「公明党や維新の代表から『世論は厳しい』と教えてもらって、もう一度自民党が考える機会にしてもらいたい」と述べました。

■東京都知事選挙

 東京都知事選挙に蓮舫参院議員が出馬を表明したことについて言及しました。小池都知事が掲げていた「7つのゼロ」といった公約が全く実行されておらず、都民生活が向上していないことは多くの都民が認識している中で蓮舫議員が立ち上がったとして、「われわれも強力に支援をしていきたい」と述べました。

■高校生の環境委員会参考人問題

 気候変動に取り組む高校生が環境委員会での審議の参考人として浮上したものの、委員会内での懸念の声が上がり、実現しなかったことについて言及。泉代表は「未来世代からの政策提案を真摯に聞かなければならない」との思いで、立憲民主党が環境エネルギー分野で活動する団体の若いメンバーで構成された「未来世代委員会」を設置していることもあり、「しっかりとした思いを持った方々がより幅広く国会の中で意見を述べることができるように党内で調整していきたい」と述べました。



泉健太代表記者会見

2024年5月31日(金)10時30分~11時06分
発行/立憲民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/OeCTFihTfOI


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

○「りっけん政治塾」受講生募集を開始

【代表】
 おはようございます。
 まず、こちらのディスプレイをご覧いただくと、「りっけん政治塾」ですね。これを来月開講いたします。
 こちらのほうは全国から応募できるようになっていますし、そして、全国の方が無料で、オンラインで講義を受けることができるということになっていますので、ぜひ、この「りっけん政治塾」に皆さんご応募してくださいということで、もちろん、実際この申込みのページに行っていただくと、これから10時半に公開をしますが、まさに今公開になりましたが、ページに入ってもらうと、いろいろと申込み要件が書いてありますので、そこを満たしていただいて申込みをしていただきたいと。
 全国の中で、まさに今、立憲民主党と一緒に政治を学び、そして、変えていこうという方々を募集したいと考えております。

○「立憲民主党のエネルギー負担軽減策」発表

【代表】
 続いては、我が党の政策の提案・発表ということで、これはきのうNC(次の内閣)でも了承を受けましたが、我が党の今回のエネルギー(負担軽減策)。
 電気料金、ガス料金ということの補助金のカット、これは政府の支援策が終了するということを受けて、しかし、結局、価格は落ち着いているということをどうも官邸側は言っていますが、それは高止まりしているというだけであって、補助金をなくせば結局高いまま。しかも、今回電力会社が各社値上げということですから、この生活支援をやっていかないと、やはり消費は落ち込んでいきます。
 中小企業にとっても負担になるので、賃上げになかなか回らないですね。岸田総理は、賃上げ予備費、これは今年度の予算の中に入っていて、我々はこれは当初から、この予備費は何に使うんだと、どんなときに使うのか、そもそも賃上げ予備費って何なんだという話はずっとしていたわけですが、こういうときにも使わないということであれば、本当にいよいよ賃上げ予備費というのは意味がわからないものになるわけです。
 我々、この「エネルギー負担軽減策」ということを今回打ち出しをさせていただいて、まず家計ですね。家計は、全世帯のうちの約6割の世帯、主に中低所得者層ということになりますが、その皆さんに月3000円の「エネルギー手当」をつくるということで、家計支援をしていきたい。
 そして、中小企業もこれまた大変です。エネルギーの価格が上昇することによって、電気代も大変ということで、中小企業は、特別高圧であれば月額50万円というのを上限に支援をしていきたいと考えています。もちろん低圧や中圧のところにも、50万円ほどはいきませんが、電気代の支援をしていきたいということが、「中小企業 電気・ガス補助金」です。
 そして、三つ目。トリガー(条項の発動)ですが、これはもう既に我々言ってきているトリガーの凍結解除ということで、ガソリン代についても、やはり地方を回っていて、これは長崎でもそうだった、島根でもそうだった、能登半島でもそうでしたが、このガソリン価格の高騰ということに対して対処を行っていかねばならないと思っています。
 この三つを重点の我々の項目として、今回、エネルギーの負担軽減策を発表させていただきます。

○政治改革 規正法改正の与野党協議について

【代表】
 続いて、その他のというか、政治案件について触れたいと思います。
 まず、政治改革ですね。
 本当に、自民党の側の改革の意思のなさ、現状を維持したいという気持ちの表れは、自民党案にはもう随所に出てきているわけですが、やはりそういう中で、小粒の案を散りばめて、改革の雰囲気、空気感だけを出そうとしているのが今の自民党案ですね。本質には触れない。
 ですから、連座制を強化すれば仲間の政治家がしょっ引かれるかもしれない、だから連座制はやったふりにしようということで、なんちゃって連座制、いわゆる連座制ですよね。実際には確認書なんていうものはおそらく機能しないだろうと言われている。ここに触れようとしていないということが問題点の一つです。
 更に言えば、政策活動費ですよね。この政策活動費も、1年10億、5年で50億という膨大な金が、どこに流れて、かつ、何に使われたかわからないという問題意識の中で、今回自民党が出してきているものというのは、(支出した)月を書く、あるいは項目のみを書くと。領収書も要らない、そして、出した先がわかるのかわからないのかくらいで、実際には何に使ったかは全然わからなくても大丈夫というようなことにしかなっていない。要は政策活動費の温存ですよね。名前を変えるつもりかもしれないけれども、要は財布の温存をしようとしているということは間違いない。
 これは本気で政治の世界を発展させたいと思うならば、今は現職の話中心になっていて、自民党の権力者が、現職の国会議員や、あるいは、これから現職になるであろうという有力な新人に対して集中投下をするとか、金をある意味公平ではない形で重点配分をするということにも使われてきたというふうにも言われている。そういうことからすると、権力の源泉を維持するためにこの政策活動費は活用されてきたということであると思います。そういうことよりも、本来であれば、風通しのよい政界にするために、新人に対して均等に手厚くするために予算が必要だと。政治にはお金がかかるといっても、力を持つ者だけが金を持つのではなく、やはり政界の底上げを図っていくと。そういう視点で、例えば政策秘書をもう一人増やすとか、公設秘書をもう一人増やすとか、そういう目に見えた形での改革でお金を使うということであればまだわかるわけですが、そうではなく、一部の権力者にものすごく大きな金の使い道を委ねるという、その決定権なり裁量を、自由裁量を持たせようという考え方は、これは我々はやはり相入れないと考えています。
 そして、企業・団体献金の廃止ですね。経済界にもぜひ考え方を改めてもらいたい。企業・団体献金については、全然民主主義を守るためにもなっていないし、社会貢献にもなっていないし、むしろ腐敗の温床になってきたということを経済界も重く受け止めてもらいたいということで、我々はこの政治資金パーティーの禁止ですとか、あるいは企業・団体献金の廃止ということを言ってきています。
 そういう中で、きょう、佳境に入ってきて、与野党協議ということも、修正協議も行われてきましたが、公明党が今、自民党の岸田総裁と会っているのですかね。自公の党首会談。そこで、しかし、公明党が同じ穴のムジナと言われないような改革案を改めて自民党に突きつけることができるのか、それで自民党に修正を促すことができるのかということが問われている。
 聞くところによると、政治資金パーティーのパーティー券購入の公開基準が10万か5万かとか、随分と小さな小さな、微に入り細に入りというところで、改革の雰囲気を出すか出さないかという話に矮小化されているとすれば、これはもうとんでもない、本論からのすり替えですね。そういったことで切り崩しに遭うようなことがあっては、これは公明党の名に恥じるというふうに考えます。やはり同じ穴のムジナと言われても仕方がないということですね。
 その後、聞こえてきているのは、維新の馬場代表と、自民党、岸田総理が党首会談をするとの情報も来ています。ここも自民党からすれば切り崩しの格好のチャンスというふうに思っているところでしょうから、ぜひ維新さんには毅然とした態度で、これまで野党として共通して訴えてきたことをやはり自民党側に突きつけてもらいたい。
 そういう形で、ぜひ、岸田総理がこの公明党と維新馬場代表との党首会談を通じて、自民党が、やはり世間の目は厳しいと、世論は厳しいと、それを公明党や維新の代表から教えてもらったということで、もう一度自民党が考えるという機会にぜひしてもらいたいですね。そこで何か逆に説得されてしまったら、これはミイラ取りがミイラになるというか、何なんだという話になってしまうし、やはり切り崩し工作に乗ってはいけないということが今言われているところだと思います。
 ちなみに、政策活動費を10年後に公開という話が、一つ、例えばありますよね。今よりは、10年後に公開というのは、何点かは点数が、ポイントが足されるかもしれない。要は今よりは若干点数は上がるかもしれないけれども、合格点にはこれはほど遠いですよね。10年後ののり弁を食べたいですか皆さん、という話ですよ。10年後にのり弁当を出されて、もしかしたら、そこには黒塗りかもしれないものが出てくるかもしれない。10年後ですからね、何が出てくるかわかりませんよ。
 しかも、10年後に皆さん、歴史の検証をしたいのですかと。今使われているお金の適正かどうかということを問わねばならないときに、10年前にどこかの政党が使った政策活動費が一部黒塗りで出てきましたというときに、皆さん、金額だけ書いてあって何の価値がありますか。そこにぜひ思いを致してもらいたい。想像を働かせていただきたい。単に別に公文書を見て歴史の検証をしたいということではないと思いますよ、こういう政治改革というのは。
 そういうことを考えて、ぜひ、私はきっと公明党の代表から、あるいは維新の代表から、厳しく岸田総理に対して言葉が投げかけられて、そして、岸田総理がもう一度考えるという流れになることを期待して、大いに期待をしてやっていきたいと、このように考えております。

○東京都知事選 蓮舫議員の出馬表明を受けて

【代表】
 東京都知事選は、蓮舫参議院議員が出馬を表明しました。
 これはもう本当に、今、東京都民の皆さんの中にはさまざまな鬱憤がたまっている。今の東京都政、全然、最初に言われていた「7つのゼロ」とか、そういうものが全く実行されていないということについて、要は都民生活が向上していないということは多くの都民が認識をしていることだという中で蓮舫さんが立ち上がったということでありますので、我々としても強力にぜひ支援をしていきたいと、このようにも今考えているところであります。

○未来世代からの提言を尊重する取組について

【代表】
 あと、きょう東京新聞に書いてあったので一つ気になったことで、気候変動に取り組む高校生の方が国会の審議の参考人に出てきてお話ししたいということがあったけれども、結局それが実らなかったという話がありました。
 今、立憲民主党の中でも「未来世代委員会」というものをつくったりして、未来世代からの政策提言、これを真摯に聞かねばならないと、このように考えていますので、そういったしっかり思いを持った方々がより幅広く国会の中で意見を述べることができるように、私も党内で調整をしていきたいということも加えてお伝えしたいと思います。


■質疑

○政治改革について(1)

【NHK】
 政治改革に関して、山口代表、維新の馬場代表と、岸田総理が党首会談をするということで、パーティー券購入の公開基準を5万に引き下げる案や、10年後に領収書を公開する方向で調整ということだが、同じ野党の維新の案が入った、取り込まれた修正に仮になるとしたら、その法案に賛成できるのかどうか教えていただきたい。

【代表】
 これはどの野党もそうだと思いますが、絞りに絞って、3点は少なくとも野党の中で共通するということで、与党に一致した案としてぶつけています。その大半がゼロ回答であって、どこか一か所微修正ということになったとしたら、それはどの野党も納得しないでしょうね。ですから、維新の、今言われているその10年後公開ということでは、立憲民主党も納得しませんね。

【NHK】
 賛成は。

【代表】
 できないですね。

【NHK】
 こうした野党を分断するような工作とも取れる自民党の姿勢に関してはどのように感じているか。

【代表】
 ここは本当に正念場だと思いますね。維新にとっての正念場ですよ。やはり自民党は、ここを崩せると思うところを狙ってきているわけですから、だからこそ公明党であり、だからこそ維新の皆さんにそういう誘い水が来ているわけですから、そういうふうに自民党が見ているということも含めて、公明党にしたって、まさかこんな簡単に自民案に乗ってくれると思わなかったと自民党内から声が出るくらいに、公明党もある意味ばかにされたわけですからね。
 ある意味、今この段階で党首会談が持ちかけられるということ、特定の一部の政党にということそのものが、岸田総理、自民党からすれば格好の、切り崩しだし、誘い水ですからね。そこはやはり、これまで野党として一致結束して訴えてきたこと、ここに重きを置いて、頑として、確固たる覚悟を持って党首会談に臨んで言葉を発して帰ってきてもらいたいですね。

○東京都知事選について(1)

【読売新聞】
 都知事選について伺いたい。蓮舫さんを全力で応援するということだが、推薦等、党の支援の態勢についてのご所見をお願いしたい。

【代表】
 これはこれからですね。まだ正式に依頼をいただいているということではない状況ですし、これからさまざま陣営のほうで、蓮舫さんのほうでいろいろなことを考えて最終的に決断をしていかれるのかなと。現在はそんな段階です。

【読売新聞】
 もう一点。都知事選でのほかの野党との連携について、お考えをお願いしたい。

【代表】
 これは政党同士が、候補者を、候補になる蓮舫さんを差し置いて話をすることではないと思っていますので、一にも二にもやはり蓮舫さん自身が出馬表明されたというのが現段階ですから、当然仲間として、我々はこれまで一緒にやってきた仲間としてそれを応援したいという気持ちを持っていますが、他の野党のことについても現時点で我々も何も聞いていないという状況です。

○「りっけん政治塾」について(1)

【共同通信】
 冒頭紹介いただいた「りっけん政治塾」について、次期衆院選や来年の参院選等の候補者の発掘という狙いもあるかと思う。この辺り、代表の言葉でお願いしたい。

【代表】
 そうですね、ぜひ、「国政にチャレンジしたい」「政治を変えたい」、場合によっては地方自治体議員でもいいのですが、そういう思いのある方々に、あるいは迷っている方々にも、ぜひ、まず「りっけん政治塾」に参加をしていただいて、一緒に考えていこうということをお伝えしたいですね。ぜひ多くの方々に参加していただきたいです。

○次期衆院総選挙に向けて

【朝日新聞】
 昨日の「次の内閣」、NCで、泉代表は冒頭発言で、今後の政権交代に向けて政策の絞り込みを党として考えていきたいとおっしゃった。この狙いと、改めて具体的にどういう形でどうスケジュール感を持ってこれに取り組んでいくか教えていただきたい。

【代表】
 これは候補者擁立もそうなのですが、スケジュール感というのは、解散決定権を岸田総理が持っている以上は我々でスケジュールを組めるという状況にはないので、とにかく可及的速やかにと、できるだけ早くということがまず一つです。
 そして、この政策の絞り込みというのは、立憲民主党として掲げている政策、これは数多く党としてやりたいことがあります。そのやりたいことというのは、しかし、例えば政権を1期担ったとして、4年間で全ての政策を解決できるということには当然ならなくて、時間のかかるものもあります。長期的なものもあります。そういう中で、特に政権1期目で、しかも、おそらく(次期総選挙で)政権を取るということになれば参議院では少数、ねじれ国会が待っているという中で、非常におそらく政策を遂行するにも力が必要になってくるという中で、我々として国民の世論を背に受けてやるべきことというのは限られてくるかもしれない。そういう限られてくるかもしれないという前提に立って絞り込みをしてもらいたいということを言いました。

【朝日新聞】
 きのう具体的に例えば各分野や各部門で一つというような言及もされていた。そのお考えについても改めて教えていただきたい。

【代表】
 そうですね、絶対一つであるかどうかというのは、これはもちろん我々の全体を見て考えますが、それでも各分野一つということでいっても10くらいには必ずなるわけですから、多くの国民の皆さんにとって、一つの政権が10の大仕事をするというのは、それは多過ぎると言われるかもしれないくらいのことですから、そういうことも実際の政権を頭にイメージしながら絞り込みをしていきたいですね。

○「政治改革(2)」「地方自治法改正案」等について

【フリーランス】
 政治資金パーティーの禁止については、マスコミや自民党側の声が大きくなってしまって、よく趣旨が皆さんに通じているのかなと、ちょっと私も不安になったが、肝心の外資とか外国勢力からの献金を防ぐという形で、寄附に流していくと、そういったところは十分内外に伝わっている感じというのはいかがか。

【代表】
 国民の皆様にどれだけそのポイントが伝わっているかというのは、確かに私もわからないところはありますが、少なくとも国会の与野党協議の中ではこれは出てきていますし、問題意識もやはり持っていますので、ある種抜け道になってはいけないと、そのように考えています。

【フリーランス】
 地方自治法が通過した。私は泉代表は地方自治にすごく意識のある方だというイメージを持っているが、一方で、コロナ対応のときに司令塔が必要だというようなせりふもおっしゃっていた記憶がある。地方自治法、野田国義さんのスピーチでは、立法事実がはっきりしない、現行法で対応できるではないか、何のためにこれはあるんだというような話が書かれていたが、総合的にコメントをお願いしたい。

【代表】
 そうですね、やはり基本的に現行法で対応できると考えていますので、国と地方はあくまで対等であり、国から指示を地方公共団体に行うということは我々の目指す姿ではないと考えています。

【フリーランス】
 もう一点。農政で、農業基本法も通過した。附帯決議はほとんど立憲の内容にはなっているが、まだまだ不安がある。既に何かお米が足りないという騒ぎになっており、これは気象の関係もあるかもしれないが、やはり見通しがないので、お辞めになる、後継ぎに継がせないという方が多くなってきていて、私も1カ月に一回実家に帰っているが、田んぼに水が入っているところがすごく少ない。10分の1だったりとか。ちょっと季節をずらす方もいらっしゃるかもしれないが。本格的に来年から飢えるのではないかというような不安がある。たどっていく中で、どうも印象としては、内閣府のほうで網羅的な政策をつくり、閣議決定をして、閣議決定はほとんど無条件受諾しているようなイメージがある。内閣府の問題というか、内閣府にどんな方がいて、どんなふうに、私たちの手の届かないところで、もしくは農水省も手の届かないところで政策がつくられている、そういう印象を受けたが、泉代表はどう思われるか。こういった形式的な。

【代表】
 ちょっとそこは具体的なことというのも我々も見てみたいなと思いますが、一般論であまり言える話ではないなと思います。

【フリーランス】
 今回、食料のほうも関わっているので、農水省だけではできない政策みたいなのを内閣府でつくり、それをトップダウンしているというような印象がある。そこに外国勢力があるのではないかという印象を私は持つが。

【代表】
 ちょっとよく見てみます。

○「都知事選(2)」「沖縄県議選」について

【「フランス10」】
 2点伺いたい。蓮舫さんが都知事選に臨むわけだが、普段接していて、蓮舫さんの魅力、そして、都知事としてどのような手腕を発揮できるか、その手腕についてどうお考えになるか伺いたいのと、沖縄県議選があるが、応援予定はあるのかと、宜野湾からは仲西春雅さんがお出になるが、「京都の塔」があるところだが、行くことがあるか。以上2点お願いしたい。

【代表】
 私は、京都(出身沖縄戦戦没者)の慰霊の塔ですよね、あそこは何度か私自身も行かせていただいていまして、今度6月23日がまた沖縄の「慰霊の日」でもありますので、そのときには沖縄に私は入ることになっています。
 ただ、県議選そのものでいうと、今、党代表の警備が非常に厳重で、かなり大がかりな受け入れ態勢をつくらなければいけないので、県議の候補者でそれが可能なところがあればということなのですが、現時点でいえばなかなかというところは聞いています。やはり日常の選挙活動に必死なのでということですね。それが沖縄(県議選について)です。
 蓮舫さんについては、本当にさまざまな、いろいろなときに批判も受け止めながら、それを全て背中に背負って、やはり国会で鋭く与党をただす、監視する、批判をする。これはよく批判ばかりだとおっしゃる方がいるのですが、野党の役割ですから、監視や批判、政府の問題点をただすというのは。そこにおいて鋭く成果を出してきているというのは、これは誰からもやはり評価されるべきことだと思います。
 東京都政においても、当初小池さんは伏魔殿とかブラックボックスと言って都庁に乗り込んだわけなのですが、むしろ小池さんの存在自身が今そうなってしまっていて、まさにそこを壊すのが蓮舫さんだし、予算を変えることによって都民の皆さんにより恩恵を届けることができるという形で表現できるのではないかと思います。あとの具体的な政策はこれから発表されることになると思いますが、これまでのやはり都政の予算の使い方を変えていくということができる人、実行力のある人ですね。

○政治改革について(3)

【フリーランス】
 何点かあるが、まず、パーティーをやめた後の岡田さんだが、私設秘書が10人いるとはっきり言ったが、この10人は多いと思うか少ないと思うか、お答えください。

【代表】
 私も岡田さんの事務所が行っていることというのを聞いたときに、やはり民主主義のスタイルというのはいろいろなスタイルがあるんだなと思いました。岡田さんは、徹底して地域の方々との政治を題材にした意見交換を行う。やはり草の根民主主義を行いたいという強い思いがあって、そのためにひたすら集会をセットするために、それだけの秘書の方を置いているというふうに聞きました。
 その意味では、何人がいいなんていう話ではやはりなくて、そのためにどれだけの力を割くかということで、さまざまなスタイルがあるかなと思います。都市部の政治家と地方の政治家でもやはり人数は変わってくるでしょうし、置く事務所の数も変わってくるでしょうから、一概に人数だけで何人がいいという話ではないと思います。
 ただ、岡田さんは本当に、少なくとも、真面目にこつこつと集会を開く。どの方でも来てくださいと言って、三重の県民の方々に、選挙区の方々にその機会を一つでも多く提供していこうとやり続けてきた政治活動だったということは、実績というか、見てもらえばわかることではないかと思います。

【フリーランス】
 それから、4月25日に安住さんが2万円のパーティーをやった。モーニングセミナーという形だが。ところが、4月28日の3補選について、泉さんも、全力投球してくれと、各々いろいろと手分けをして応援に回ってくれということを言った。そのことについて安住さんは、知らんぷりしていると言っては失礼だが、自分のほうの資金パーティーをやってしまった。大きなホテルで、大人数で。その力を補選のほうに回してほしいということを、後で立憲の若手に聞いたら、なんだ、安住は今だけ金だけ自分だけではないかということを言われたが、この安住さんのパーティーをどう思うか。

【代表】
 まず一つ、補欠選挙でいうと、安住さんも相当(応援に)入っていましたね。ですから、選挙において手を抜いたという気は僕はしていないというのが一つです。
 もう一つは、やはり党の執行役員会の中で、幹部のパーティー開催ということについて、やはりそれは疑問の声は私以外からも上がりましたから、それは終わってしまったかこれからやるかというところの差はあるかもしれませんが、やはりそれを皆が知っていたら違和感を感じるというのは事実ではないですかということですね。

○「りっけん政治塾」について(2)

【「FACTA」】
 「りっけん政治塾」は泉代表の肝煎りと伺っている。これは無料で、5回に分けてやると。今見たら、毎回懇親会をやるのか。もちろん選考過程もあるようだが、一応何人くらいで、つまり、少数精鋭で選んでそういうのをやるのか。それとも、無料だし、リアルとオンラインだから、ほとんど参加したい人は皆やるような、そういう広がりでやるのか。それから、5回やると何か修了証をもらったり、いろいろなやり方があると思うが、1回目が泉先生で、その後は辻元さんとか、どんなふうに回していかれるお考えなのか。今の段階で頭の中にあるイメージを、上げ潮ムードだと思うので伺いたい。

【代表】
 ありがとうございます。
 政治塾は、私が初回の講師ですが、その他の回は、やはり党幹部とか、場合によっては現在の執行役員ではなくても枝野さんのような方だとかということも含めて、今、検討しています。日程調整しています。
 そうですね、修了証なんかはやはりあってもいいかなという気も今しましたので、考えたいなということと、一方で、これは全国各地から皆さんに毎回毎回東京に集まってくださいとはなかなか言いにくいので、オンラインでということも考えていますので、人数については比較的それなりの人数には対応できるかなと思っています。10名だけで毎回ここに来てもらってとかではなく、もう少し大きな人数を考えています。
 そういう中で、単にこちらから当然講演をするだけではなく、皆さんの中で、オンラインでも最近はグループトークなどもできるような機能もありますので、あるいはレポートを書いてもらうとかも含めて、その方のお力や熱意というものを我々もできるだけ具体的に個別に把握できるようにして、特に衆議院選挙などに立候補してよいのではないかという方があれば、これはぜひともという声もかけていきたいですね。

○「立憲民主党のエネルギー負担軽減策」について

【「FACTA」】
 あと、エネルギーのほうの、補助金を含めた、これは一応お金を出すということはそれなりに予算も必要だが、中所得者層の給付の対象世帯数とか、あるいは、中小企業もいろいろあるが、対象企業数とか、その辺のところはこれから詰めるのだと思うが、しかし、今起こっているから即効性がなくてはいけない。いろいろな制度設計でいろいろやっていてもしようがないが、その辺は、これからと思うが、誰が担当して、どれくらいのスピード感でこれを実現するのか。その辺のアウトラインというのか、お考えを伺いたい。

【代表】
 これは実はもう既に詰めていまして、きょうから詰めるということではなく、トリガーなども以前から言ってきていることでもありますから、それはもう所要の予算も含めて規模もわかっています。そして、エネルギー手当についても、実はこれは昨年から我々が掲げてきていることなので、基本的にこの制度設計もでき上がっています。
 ですから、政府にさえ取り入れてもらえればすぐにでも実施できるという考えの下でつくらせてもらっていますので、そこはもうぜひ政府にはすぐ取り入れてもらいたいという思いです。

○政治改革について(4)

【朝日新聞】
 追加で、政治改革の話に戻るが、この後、自民と維新の党首会談が予定されていて、我々の取材では、維新が自民案に賛成に回る可能性があるということだ。この受け止めを改めて伺いたい。

【代表】
 先ほども言いましたが、私は公明なり維新の代表がやはり岸田総理に対して直接物を言う大事な機会だと思っていますから、ぜひ、今、世論が大変怒りに満ちているということをむしろ言ってもらいたい。
 ですから、折り合いをつけたり自民党の言うことを聞いて帰ってくるのではなく、厳しい世論を突きつけて、もう一回自民党に再検討を迫る、そういう機会にしてもらいたいですね。そこはどんなふうな段取りが今されているとしても、党首会談がある以上は物を言う機会を持っているわけですから、ぜひ、やはり馬場代表にはその強い姿勢で臨んでもらいたいですね。
 先ほど言ったように、野党でこの間、特に3点に絞って共通の要望項目として自民党側に突きつけて改革を促してきたわけですから、そこのラインをぜひ死守してもらいたい。そこを堅持してこそ国民の声を代弁できる、国民の声を背中に背負うことができると思っていますから、そこをやはり妥協してしまってはまさに切り崩しに遭ってしまうということなので、重々気をつけて、今ちょうど行われ始めた時間だと思いますが、臨んでもらいたいですね。

【朝日新聞】
 これも結果次第だとは思うが、野党が一致結束してこの3項目を要求する中で、ある意味、維新が自民に切り崩されるという形になった場合に、今後の選挙で野党が一致結束して自民と戦うという見え方として、維新はやはり自民寄りなのかとか、立憲として今後選挙に向けてどう戦っていくかという野党連携の影響とか、そういうところについてもいかがか。

【代表】
 そもそも、今後の選挙で、今、野党が全部一致、一本になってという話まではなっていませんので、それは今どうこう臨むという話ではないのだけれども、とにかく今、この政治改革で、維新、問われているよと。維新、むちゃくちゃ問われているよという局面ですからね。ここでやはり本当に第2自民党みたいな話になってしまうのかということが問われる瞬間だから、踏ん張って、頑張って、何とか自民党に突き返してもらいたいですね。

(以上)