参院財政金融委員会において6月21日、立憲民主党を含む野党7党で共同提出した「ガソリン税暫定税率廃止法案」に対する質疑が行われ、立憲民主党からは熊谷裕人議員が質問に立ちました。

■熊谷裕人議員

 熊谷議員は、最近の物価上昇傾向の中でも、「エネルギー関連と食品関連の価格が高騰している。それが家計を圧迫している」とし、「ガソリンの暫定税率を廃止することで物価上昇にどのような効果があるか」と本法案の提案者である重徳和彦議員に質問しました。重徳議員は経産省公表のガソリン価格の最新データをもとに、「1ℓあたり171円から暫定税率の25円を引けば146円となる。このような幅で価格が下がれば相当(値下がりの)実感をしていただけるのではないか」と回答。また、ガソリン価格が下がれば物流コストも下がるとし、「食料品等の物品やサービスについても(価格が)下がる。7月1日施行であれば、この夏、旅行に出かけたり帰省をする人にも大きな恩恵があるのではないか」と話しました。

 次に熊谷議員は、政府が燃油価格高騰に「また補助金で対応」しようとしているとする一部報道に言及。2022年1月から始まった「燃料油価格の激変緩和措置」の補助金は、「累計で8兆1719億円の補助が元売りに投入されており、そのうち揮発油税(ガソリン税)に投入された補助金の額は3年総額3兆5139億円だ」と巨額の予算が投入されていることを説明した上で、「1ℓあたりの補助額は2024年度の補正予算で10円。効果は限定的だ」と話しました。一方で、暫定税率を廃止した場合、1ℓあたりの値下がりが25円以上になるとし、「遥かに効果が大きい」と説明。その上で、本法案と従来の政府の補助金による措置では、どちらが効果的かと重徳議員の見解を聞きました。重徳議員は、「補助金の出し方は政府の裁量が大きく、いくらの財源でどれだけの効果があるのかが見えにくい。納税者に理解されるお金の使い方をしなければならない」と説明。その上で、「暫定税率廃止の方がシンプルな仕組みで、余計なコストもかからない」とし、本法案の方が費用対効果が大きいと回答しました。

 その後の本委員会は、三宅伸吾財政金融委員長(自民党)が、職権で質疑を散会にしました。
 その後、三宅委員長の解任決議案を立憲、維新、国民、社民の4党3会派で提出しましたが、本会議には上程されないことが議院運営委員会で決定されました。