立憲民主党ジェンダー平等推進本部は8月18日、「女性に選ばれる地域をつくる~地方からの女性流出を考える連続勉強会~」の第1回をオンラインで開催しました。全国から約200名が参加し、地方女子プロジェクト代表の山本蓮さんから、「なぜ若い女性は地方を離れるのか~若い女性たちの本音を聞く~」をテーマに講演いただきました。
 本連続勉強会は、地方から女性が流出する背景や要因を改めて把握し、対応策について考えることを目的に、全3回で開催するものです。第1回では実態把握、第2回では全国の先進事例の紹介、第3回では国や自治体で実現できる政策をテーマに議論を深めていきます。

■「地方に女性がいない」のではなく、「女性が生きづらい構造」がある

 冒頭、司会を務めた小島とも子ジェンダー平等推進本部事務局長は、地方から若い女性が流出している現状について、「地域におけるジェンダー平等を考えるためにも、その根本原因を見つめ直す必要がある」と勉強会の趣旨を説明しました。
 次に、ジェンダー平等推進本部長の辻元清美参院議員があいさつし、「できるだけみんなで勉強し、政策まで作っていきたい」と述べ、ボトムアップの実践として本勉強会を進めていく考えを示しました。
 講演では、山本さんがこれまで「地方女子プロジェクト」の活動を通じて聞いてきた、地方出身・地方在住女性の声が紹介されました。山本さんは、地方からの女性流出という社会課題について、数字だけでは見えてこない「当事者の声」を知ることが必要だとして、これまで130人以上の女性へのインタビューを行ってきました。インタビューで特に多く聞かれたのは、次の3点です。
•「自立できる給料がもらえない」
•地域に根強く残る「女性らしさ」や性別役割への息苦しさ
•結婚・出産をめぐる周囲からのプレッシャー

 仕事については、地方圏と東京圏の賃金格差に加えて男女間の賃金格差が重なることで、女性が地方を離れる背景には経済的な要因もあるとの指摘がありました。また、地域社会の中では、お盆や正月、地域行事などで女性が料理や準備を担い、男性が食事をするという性別役割が残っていることへの違和感や、結婚や出産を当然とする周囲の価値観にストレスを感じるという声も紹介されました。

辻元清美 ジェンダー平等推進本部長

■「女性を呼び戻す」だけではなく、地域そのものを変える

 山本さんは、地方の人口減少対策や子育て支援を、単に「女性に戻ってきてもらうための政策」として考えるのではなく、女性が置かれている現状そのものを改善する必要があると指摘しました。政治、職場、家庭、教育、地域コミュニティなど、あらゆる場面にジェンダーの視点を取り入れ、地域からジェンダーギャップを解消していくことが重要だと述べました。
 具体的な政策の方向性として、地方の中小企業への働き方改革支援、介護・福祉などのケアワークの待遇改善、子育てを地域で支えるサービスの充実、介護職の待遇改善や介護保険制度の利用しやすさの向上などが挙げられました。また、地方での女性の起業を後押しするためのネットワークづくりや、大学など若者が集まる場を地域につくること、移動格差を解消する「移動権」の視点などについても意見が交わされました。
 さらに、プレコンセプションケアについても、人権の視点を踏まえ、結婚や出産を一方的に促すことにつながらないようなガイドラインが必要との問題提起がありました。これについて山本さんは、恋愛・結婚を前提としたつながり以外の選択肢を増やし、一人ひとりが自分の人生を楽しく選び取っていける社会にしていく必要があるとの考えを示しました。

地方女子プロジェクト代表の山本蓮さん

■当事者の声を政策につなげるために

 後半の質疑・意見交換では、自治体議員や国会議員、参加者から、若者の進学・就職による人口流出、地域におけるジェンダーギャップ、自治体の人事や政策決定における女性参画、大学誘致、介護・保育などの仕事の待遇改善、移動の格差の解消、女性起業家に特化した支援プログラムなど、さまざまな意見が寄せられました。

 閉会にあたって辻元本部長は、26歳の山本さんが自身の経験を出発点に始めた活動が、社会や政府にも影響を与えていることに触れ、実際に行動することの重要性を強調しました。その上で、第2回、第3回では具体的な取り組み事例を交えながら議論を深め、最終的には政策につなげていきたいとの考えを示しました。

小島とも子 ジェンダー平等推進本部事務局長

 「女性に選ばれる地域をつくる」ためには、女性を地方に呼び戻すことだけを目的とするのではなく、そこで暮らす一人ひとりが、自分らしい生き方や働き方を選択できる地域をつくることが必要です。
 立憲民主党ジェンダー平等推進本部では、今回の勉強会で寄せられた当事者の声や参加者からの意見を大切にしながら、地域に根付くジェンダーギャップを見つめ、具体的な政策につなげる議論を引き続き進めていきます。

 なお、第2回勉強会は8月25日(火)13:00から、「女性に選ばれる地域は何が違うのか ~全国の先進事例に学ぶ~」をテーマに開催します。
 兵庫県豊岡市の取り組みについて、同市の多様性推進・ジェンダーギャップ対策課長から講演いただくほか、内閣官房・内閣府からも政府の取り組みについて説明いただきます。第2回は党本部5階ホールでリアルで開催するとともにZoomによるオンラインも併用いたします。
 ぜひ、下記の参加申し込みよりご登録くださいますようお願い申し上げます。

※参加申込み(前日にZoom情報をメールで送ります)
https://forms.gle/UMysDKqoGE8uJEhy6
(申し込み締切:8月24日(月)17:00)