立憲民主党は8月28日、党本部5階ホールおよびオンライン併用で、連続講座「りっけん塾」の第4回講座を開催しました。今回のテーマは、「人口減少は『衰退』ではない~小さく豊かな地方の未来」。地域エコノミストの藻谷浩介さんを講師に迎え、辻󠄀元清美、高木真理、山内佳菜子、熊谷裕人各参院議員とともに、人口減少時代の地方の未来について考えました。
「人口減少」ではなく「人口成熟」
講演の冒頭から、藻谷さんは、私たちが人口問題について抱いているイメージを、データから問い直しました。
「人口減少、人口減少って全員で騒いでると、こういうふうなことを基本的に全然気がつかなくなっちゃうんですね。私は『人口成熟』と言ってるんですが」
藻谷さんが示したのは、単純な人口の増減だけでは見えてこない、日本の人口構成の大きな変化です。例えば、75歳以上の人口は50年前の約280万人から、現在では約7.5倍に増加。一方、0~4歳の人口は50年前の約37%にまで減っています。
「人口が減っている」という一言だけでは、こうした変化の実像は見えてきません。藻谷さんは、すでに起きている人口構成の変化を正確に捉え、それを前提に社会や経済に何が起きているのかを考え、社会の仕組みを組み替える必要があると訴えました。
「選択と集中」ではなく、多様な地域を残す
講演では、人口の少ない地域を「効率が悪い」として切り捨ててよいのか、という問題も取り上げられました。人口の少ない地域や規模の小さい産業を、効率だけを基準に切り捨ててしまえば、社会全体の多様性が失われます。
「やっぱりね、多様性っていうのは大事でね。『選択と集中』って言うでしょ。……選択と集中なんかする必要は全然ない」
講演では、群馬県上野村の林業やキノコ栽培、島根県海士町の「地域みらい留学」など、人口規模が小さくても地域の特色を生かして人を呼び込み、仕事や暮らしをつくっている事例が紹介されました。海士町では、島外から高校生を受け入れ、卒業後にいったん島外へ出た若者が、転職して島へ戻ってくる「Sターン(転職や移住を目的とした移動)」も生まれているといいます。小さな地域だからこそできることがある。そうした多様な地域が存在することこそ、日本全体の強さにつながります。
「悲観は無用」――人口減少時代の未来をつくる
講演の最後、藻谷さんが示したのは、人口減少への悲観ではなく、これからの社会をどう組み替えていくかという視点でした。日本では「人が少ない田舎」と思われている地域でも、世界的に見れば、人口密度は決して低くありません。例えば、秋田県の可住地人口密度はイタリアと同等でフランス、スペイン、米国よりも高く、人口が半減したとしても、日本の地方には店や商売、公共サービスが成り立つだけの人口密度が残る地域が多いと説明しました。
人口が減ること自体を止めることはできません。しかし、人口が半分になっても成り立つ社会をつくることはできる。そのためには、「効率の悪い田舎から撤退する」という発想ではなく、上下水道やエネルギー、まちづくりなどを小規模・分散型へ転換し、人口減少に合わせて社会の仕組みそのものを変えていく必要があります。
地方には「仕事がない」「何もない」のではなく、見えていない仕事や暮らしの可能性があります。実際、藻谷さんは上野村のキノコ栽培などを例に、「仕事はあるんですよ。とってもいい仕事なんだけど」と語りました。
地方と都市を対立させ、「誰かが衰退すれば自分たちが栄える」という社会ではなく、それぞれの地域が持つ力を生かし、共に豊かになっていく社会へ。
今回の「りっけん塾」は、人口減少を「地方の衰退」という一面的な見方で捉えるのではなく、人口構成の変化を正確に知り、その中にある可能性を探る講座となりました。
立憲民主党は、これからも「りっけん塾」を通じて、さまざまな専門家や参加者とともに、これからの日本のあり方について考えていきます。
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次回のりっけん塾
日時 9月17日(木)19:00-20:30
講師 高畑卓(選挙ドットコム代表)
テーマ 「SNSが政治を動かす時代~市民は何ができるか」
参加形式 会場参加(党本部5Fホール)およびZoom参加
参加申込 https://forms.gle/DjgDgSHr8R8rZY3q7
詳細 https://cdp-japan.jp/news/20260420_0201