政府の調査(※1)では、16歳~19歳では、孤独感が「しばしばある・常にある」が5.2%、「時々ある」「たまにある」まで含めると37.9%です。20歳~29歳では、孤独感が「しばしばある・常にある」は7.1%、「時々ある」「たまにある」まで含めると47.9%になります。

 原因としては「人間関係による重大なトラブル(いじめ・ハラスメント等を含む)」が14.5%、「生活困窮・貧困」は9.2%、「家族間の重大なトラブル(家庭内別居・DV・虐待を含む)」8.7%――等となっています。

 政府の「自殺対策白書(※2)」によると、新型コロナ感染拡大が始まった2020年と感染拡大前5年平均を比較すると、自殺者数の増加は「16歳~19歳・無職・同居人あり」が38.4%で一番高く、次いで「16歳~19歳・有職・同居人なし」が30.4%。2021年との比較においても増加率が一番大きかったのは「16歳~19歳・無職・同居人あり」でした。女性の自殺者数は2019年から2022年、連続で増加しています(※3)。

 さらに、「トー横キッズ」も社会問題化し、東京都の報告書(※4)では、行き場を失った子どもたちが居場所を求めて集い、「悪意のある大人によって、児童買春等の犯罪被害に遭う事案・・・等が断続的に発生している」と指摘されています。

 コロナ禍で顕在化した特に若年者、女性の孤独・孤立が、犯罪に巻き込まれ、自殺を引き起こす要因となっていると指摘され、若年者への孤独・孤立対策の必要性が訴えられるようになりました(※5)。国会においても今年6月に「孤独・孤立対策推進法」が成立する等、対応を急いでいます。

 立憲民主党は、自殺・貧困・格差・虐待といった社会問題全般について、孤独・孤立という視点から問題の所在を見直し、政策・法制度・社会システムの見直しにつなげていきます。
 「孤独・孤立対策推進法」については、一人ひとりの困難を解消する施策が進められるよう、法律の運用をチェックし、必要な施策を後押ししていきます。
 急増する若者の自死防止のため、相談・支援・見守りを強化し、直面する困難や孤独解消を目指します。
 若者の交流場所、勉強場所、食事などを提供する拠点をつくり、気軽に立ち寄れる安全な居場所を確保します。サブカルチャー・ダンス・ミュージック・ゲーム・スポーツ・文化芸術等の活動の拠点づくりや育成を支援するなど、一人一人の個性を生かし、チャレンジを支えます。
 職場体験・自然体験・地域や異世代交流の機会を増やし、自己肯定感と生きる力を高めます。ワークルール・消費者教育等の強化により、不当な行為に加担しない、被害に遭わない力を醸成します。
 元保育士、子育て経験者、元教師など地域の人材を活用し、思春期の子どもを持つ親が悩みを相談できる拠点と体制を作り、支援します。
 子どもが不安や悩みを相談するための、文部科学省の「24時間子どもSOSダイヤル」などについて、IP電話やSNSでも対応できるように施策を講じます。
 高校の未卒業者等の実態把握と相談・支援ができる機能を強化します。
 DVや性犯罪被害、家族破綻、貧困、障がい、社会的孤立など、さまざまな困難を抱えた女性が「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」に基づき、切れ目なく人生のそれぞれの段階で適切な支援が受けられるよう法の運用状況を検証し、関係団体の意見も聞きながら、必要な制度改善を進めます。官民、民間団体間での緊密な連携を推進し、アウトリーチ型など積極的な支援活動を可能にします。

 立憲民主党は「一人ひとりが個人として尊重され、多様な価値観や生き方を認め、互いに支え合いつつ、すべての人に居場所と出番のある共生社会(綱領)」を構築していきます。

※1「人々のつながりに関する基礎調査令和4年」
※2「令和4年版自殺対策白書」第2章第2節「新型コロナウイルス感染症の感染拡大下の自殺の動向」
※3「自殺の動向について」(2023年5月 厚生労働省)
※4「犯罪被害等のリスクを抱える青少年への支援(第33期青少年問題協議会答申)」東京都青少年問題協議会 2023年7月
※5「令和4年版子供・若者白書」内閣府 

◆立憲民主党の取り組み
立憲の政策がまるごとわかる政策集「孤独・孤立」
「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」の実効性確保に向け厚労省に申し入れ
「困難な問題を抱える女性への支援に関する法律」が国会で成立
【ジェンダー平等推進本部】「困難な問題を抱える女性支援法案」成立までの立憲民主党の取り組み