泉健太代表は1月27日、国会内で定例の記者会見を行い、(1)衆院予算委の委員長職権での決定(2)新型コロナ分類見直し(3)IMFの日銀の金融緩和の修正提案(4)児童手当の所得制限撤廃(5)統一地方選挙に向けた共通政策発表――等について発言しました。

■衆院予算委、委員長職権で決定

 30日から始まる予算委員会で、与野党で質問時間が折り合わず委員長が職権で決めたことについて、岸田総理がいう「丁寧に議論する」「国会という場において国民の前で正々堂々と議論」ではなく、「質疑封じ」だと強く批判。「認められない」と主張しました。

 泉代表は、政府与党の中で一定程度議論がされた予算案や法案が出てくるので、国会は「野党が法案や予算を厳しく審査するのがあるべき姿」だと指摘。「野党の質疑時間を削り、できる限り議論させないようにするのは、国民の皆さんに対しても裏切り行為だ」と述べました。

 その上で、「質疑時間、日程を決められた以上、その中でやるしかない。全力を尽くして(いく)」と述べました。

 新年度予算案を審議する衆院予算委員会の基本的質疑が30日から行われることになりましたが、質問時間の割合をめぐり与野党で折り合わず、委員長が職権で決めました。野党側は質問時間を多く分配するよう求めましたが、与党側は「与党3:野党7」とするよう提案、折り合いませんでした。2009年の政権交代で民主党政権が誕生して以降、「与党2:野党8」となっていました。

■新型コロナ分類見直し

 新型コロナの感染症法上の位置づけを政府が5月8日に「5類」に移行する方針を示したことに関連し、立憲民主党は同日朝、厚生労働省に要請を行い、(1)医療費、希望者へのワクチン接種を当面の間、公費負担とすること(2)施設療養を希望する方への十分な療養体制を提供するため、当面の間、公費でホテル室数等を確保すること(3)労災認定の適切な対応――などを求めたと報告しました。

■IMFの日本の金融政策への提案

 IMF(国際通貨基金)が日本の金融政策について、イールドカーブコントロール(長短金利操作、YCC)を柔軟化すべきとの提案をしたことに関連し、「(日銀の政策で)市場の歪みが生じている」と国内のエコノミストもわが党も指摘しているとして、今回の提案を政府・日銀には受け止めてもらいたいと述べました。

■児童手当の所得制限撤廃

 自民党の茂木幹事長が、25日の衆院本会議の代表質問で児童手当の所得制限撤廃を求めたことに関連し、「多くの国会議員が、吉本(新喜劇)並みにひっくり返った」「マッチポンプだ」と指摘。「10年前に所得制限を導入したのが茂木幹事長だと言ってもいいくらい」「(10年前に言っただけではなく)10年間、われわれの所得制限撤廃せよという要求に反対をし続けてきた」「(挙句の果てに)特例給付すら削ったのは2年前の自民党と公明党」「国民を裏切り続けてきた人たちが統一地方選挙を前にして急に所得制限撤廃と言い始めた」と強く批判しました。

 一方で、自民党・公明党両党が撤廃を示していることから、「総理がはっきりと政府として実施すると明確に発表すべき段階に来ている」と述べ、「早く実現してもらいたい」と述べました。

■統一地方選挙に向けた共通政策を発表

 立憲民主党自治体議員ネットワークが1月21日、年次総会を開催し、共通政策「立憲ボトムアップビジョン2023」を採択。1月26日の泉「次の内閣」閣議(NC)で泉健太代表に手交したことを受け、「これをぜひ全国の仲間たちと訴えていきたい」「共助・公助が機能する自治体を作っていかなければならない」と述べました。