今国会では、「新しい財政・金融政策」の取りまとめに尽力しました。
「新しい金融政策」は、日銀新総裁人事の国会提示に先立って公表しました。ここでは、政府・日銀の共同声明(アコード)を見直し、実質賃金の上昇を目標に定めることなどを提言しましたが、植田新総裁就任後初の金融政策決定会合では、この提言の趣旨に沿う形でフォワード・ガイダンスが修正されました。
「新しい財政政策」については、税制調査会と合同で2月に中間報告を取りまとめ、(1)国家財政に「PDCAサイクル」を確立、(2)「控除から給付」で所得格差を是正、(3)「応能負担」を回復し、未来のための財源確保――の早期具体化を目指すことを確認しました。実際に、(1)及び(2)については、議員立法の形で取りまとめ、国会に提出することができました。
残された課題もあります。「新しい金融政策」については、金融政策の正常化に向けたアコードの見直し、長短金利操作(YCC)の撤廃、日銀が保有する大量の国債やETF等の処分方法の具体化に向けて、引き続き取り組んでいかなければなりません。また、「新しい財政政策」については、防衛費や少子化対策等の財源を捻出するため、3つ目の柱である「応能負担」を回復する抜本的な税制改革について具体化したいと思っています。
財政・金融分野は、これまでの政府・日銀の無責任な政策により、課題が山積しています。これらの諸課題を解決するため、今後も「新しい財政・金融政策」の実現に向けて、取り組みを続けていきます。