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「子ども総合基本法案」のポイント

1.ハコより中身、子ども子育て予算を大幅に増やす!

  • 「子ども家庭省」の設置は、私たちが10年以上前から言ってきたことです。ただ、大切なのは、予算や定員を増やすことであり、具体的に何をやるかです。
    家族関係政府支出の対GDP比は、日本1.59%で、フランス2.88%、イギリス3.23%、スウェーデン3.4%と、欧州諸国と比べると半分程度です。
    法案には、「子ども施策に係る十分な予算を確保する」ことが明記されています。

2.チルドレン・ファースト、子どもの権利を保障する

  • 立憲民主党は、「子どもの権利に関する条約」の理念にのっとり、全ての子どもの最善の利益が図られ、その人権が保障され、社会全体で子どもの育ちを支援する社会を実現することを目指しており、法案の目的や基本理念にそのことを明記しました。
    また、イギリスの「子どもコミッショナー」やノルウェーの「子どもオンブッド」のような子どもの権利利益を擁護する独立機関の設置を法案に明記しています。

3.子どもから若者まで切れ目のない支援

  • この法案で設置を検討することとしている「子ども省」は、未就学児童だけでなく、初等中等教育も対象としています。そして、子ども施策は、児童福祉法等の18歳未満の児童にとどまらず、子どもが成人になった後の関連する施策も含んでいます。
    また、法案は、妊娠、出産、育児及び子どもの成長に関する切れ目のない支援を行うとともに、これまで支援が届いていなかった中学校卒業後又は高等学校中退後に就学も就業もしていない子どもや若者も支援の対象としています。

4.児童手当・児童扶養手当の拡充

  • 民主党政権の子ども手当では中学生へ支給を延長しましたが、「高校生の方が食費も塾代もお金がかかる」という声を受けて、高校生まで支給を延長します。
  • 自民党は、「こども庁」設置と言いながら、高所得者の特例給付を廃止し、61万人の子どもたちへの支給がなくなりました。親の年収にかかわらず、全ての子どもが支給を受けられるよう特例給付の一部廃止を復活させます。
  • 新型コロナウイルス対策で、低所得ふたり親世帯への1人5万円の給付金が野党の法案提出をきっかけに支給されました。しかし、低所得子育て世帯は、コロナ前から経済的に厳しい状態にあり、恒久的な支援が必要です。そこで、児童扶養手当制度を改めて、ふたり親を含む低所得子育て世帯に支援を行います。

5.子どもの貧困

  • 親の経済的困難など生まれ育った環境によって子どもの現在や将来が左右されることはあってはなりません。子どもの貧困率は、民主党政権で初めて公表されましたが、立憲民主党は、子どもの貧困率を10年間で半減させることを目標に取り組みます。

こうした施策を総合的に推進するために、子ども省を設置します!

 


 

子どもの最善の利益が図られるための
子ども施策の総合的な推進に関する法律案 概要

2021年5月31日提出

第一 総則

 一 目的

 この法律は、子どもの最善の利益が図られ、その人権が保障され、及び社会全体で子どもの成長を支援する社会を実現するため、児童の権利に関する条約の理念にのっとり、子ども施策に関し、基本理念を定め、国等の責務を明らかにするとともに、子ども施策の基本となる事項及び子ども省の設置についての検討等に関する事項について定めることにより、子ども施策を総合的に推進することを目的とすること。

 二 定義

 この法律において「子ども施策」とは、子育て、教育、福祉、保健、医療、雇用、少子化対策その他の分野における子どもに関する施策をいい、当該施策の性質上子どものほか若者を対象とすることが適当である場合にあっては、若者に関する施策を含むものとすること。

 三 基本理念

 子ども施策の推進は、次の事項を旨として行われなければならないこと。
 ① 全ての子ども(子ども施策の対象となる若者を含む。三において同じ。)の最善の利益が図られ、その人権を保障すること。
 ② 全ての子どもについて、個人としての尊厳を重んじ、その意見を十分に尊重するとともに、不当な差別的取扱いを受けることがないようにすること。
 ③ 保護者の経済的な状況により子どもの成長が左右されることのないようにすること。
 ④ 希望する者が安心して子どもを生み、育てることができる社会の実現を図るため、必要な支援が切れ目なく行われること。
 ⑤ 全ての子どもの命を守り、その生存と安全を保障すること。
 ⑥ 全ての子どもについて、その生まれ育った環境や家族の状況、障害の有無等にかかわらず教育を受ける権利を保障するとともに、その成長する環境を整えること。
 ⑦ 情報通信技術の活用等を行うとともに、子育て、教育、福祉等に係る関係者との連携の確保が図られなければならないこと。

 四 国、地方公共団体及び国民の責務・法制上の措置等

第二 子ども施策の基本となる事項

 一 総則

  1. 子ども施策のための予算の確保
  2. 子どもの権利利益を擁護する独立機関の設置

 二 子どもの生活を経済的に安定させるための施策

  1. 児童手当の拡充等
  2. 低所得者世帯の子育ての支援(児童扶養手当の拡充)
  3. 子どもの貧困対策
  4. 養育に必要な費用の支払の確保等

 三 希望する者が安心して子どもを生み、育てることができる社会の実現のための施策

  1. 妊娠、出産、育児及び子どもの成長に関する切れ目のない支援
  2. 不妊治療に係る支援
  3. 待機児童に関する問題の解消等
  4. 仕事と子育ての両立が可能な環境の整備

 四 子どもの生存と安全を保障するための施策

  1. 虐待の防止等
  2. 社会的養護の拡充・ケアリーバーに対する支援
  3. 子どもが性犯罪及び性暴力の当事者とならないための取組
  4. 子どもの死亡の原因の調査(チャイルド・デス・レビュー)

 五 教育を受ける権利を保障するための施策

  1. 学校教育に係る支援等
  2. いじめの防止
  3. 子どもの居場所の確保

 六 特別の支援を必要とする子どもに関する施策

  1. 特別の支援を必要とする子どもが学び、成長するための支援及び環境の整備等
  2. ヤングケアラーの負担の軽減
  3. 修学及び就業のいずれもしていない子ども、若者等の支援

 七 補則

  1. 子育て等の分野における情報通信技術の活用等
  2. 子育て、教育、福祉等の関係者との連携

第三 子ども省の設置についての検討等

 一 子ども省の設置についての検討

 政府は、子ども施策の総合的な推進を図るため、子ども省の設置について、子ども省設置推進本部において検討を加え、その結果に基づいて必要な法制上の措置その他の措置を講ずるものとすること。

 二 子ども省設置推進本部

  1. 設置等

    子ども省の設置を総合的かつ集中的に推進するため、内閣に、内閣総理大臣を本部長とする子ども省設置推進本部(以下「本部」という。)を置くこととし、本部の組織等について定めること。

  2. 所掌事務

    本部は、次に掲げる事務をつかさどること。

① 一に基づいて子ども省の設置について検討を行うこと。
② ①のほか、子ども省の設置及びこれに伴う国の行政機関の再編成で重要なものの企画及び立案並びに総合調整に関すること。

第四 施行期日

 この法律は、公布の日から施行すること。ただし、第三は、公布の日から起算して1月を経過した日から施行すること。

 


 

子どものためのほうりつ

 

 


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