2022年4月5日 常任幹事会決定
1 ハラスメント防止及び対応の指針
- 立憲民主党は、立憲民主党党籍を有する議員(及び候補者)による議会や議員(候補者)としての活動における発言や行為に関し、ハラスメントの未然防止、及び発生した場合の対処等の指針及び対策の概要を定め、もって議員および政党人としての倫理の確立、人権の擁護を図る。
- ハラスメントとは、セクシュアル・ハラスメント(他の者を不快にさせる職場の内外における性的な言動等)、パワー・ハラスメント(他の者の人格・尊厳を害する優越的な関係を背景とする言動)、マタニティ・ハラスメント(妊娠・出産等に関する職務環境を害する言動)等を指し、他の者を不快にさせ、人格と尊厳を侵害し、または不利益をもたらすものをいう。
- 立憲民主党は、議員(及び候補者)のハラスメントによって他の者の人権を侵害すること、ハラスメントによって党活動及び議会活動が害されること、ハラスメントを受けた者が不利益を受けることを排除する。
そのため、立憲民主党本部は、ハラスメントを防止するために、所属議員(及び候補者)が認識すべき事項及びハラスメントに起因する問題が生じた場合において議員に望まれる対応等について、行動規範を示す。 - 立憲民主党本部及び党支部の執行機関は、それぞれに所属する議員(及び候補者)によるハラスメントが発生した場合、ハラスメントを受けた者に対して公正な救済が行われることを保障する。
- 党幹事長及び各支部の幹事長は、所属議員(及び候補者)に対し、行動規範の周知徹底を図り、また党員、議員・候補者等の関係者の意識啓発を図らなければならない。
2 ハラスメント対策委員会の設置
- ハラスメント防止の徹底を図るために、立憲民主党本部にハラスメント対策委員会(以下「委員会」という。)を置く。都道府県連は、党本部に準じて、常設の対策委員会を設置する。
- 委員会は、次に掲げる委員で構成することとし、幹事長が選任することとし、委員長は委員の内から幹事長が任命する。委員の選任に際しては男女の比率が偏らないように配慮する。
- 一 所属議員の内から、幹事長が選任する議員 若干名
- 二 党外の弁護士 若干名
- 三 その他、幹事長が必要に応じて任命する者
- 委員の任期は党規約に定める代表任期に準じるものとし、再任を妨げない。委員会の事務局は、党職員の中から幹事長が任命する
- 委員会は、次の事項を担う。
- 一 行動規範等、ハラスメント防止及び対策に係る必要な規範・文 書等の作成
- 二 議員を対象としたハラスメント防止や人権尊重のための教育啓発
- 三 ハラスメントに関する相談及び被害救済に関する事項
- 四 その他人権侵害の防止に関する事項
- 委員会の招集、運営、成立及び議決については以下を基本とし、詳細は別に委員会で定める。
- 一 委員会は委員長が招集する。
- 二 委員会は、委員の過半数の出席により成立する。
- 三 委員会の議事は、出席者の過半数で決し、賛否同数のときは委員長の決するところによる。ただし、人権侵害行為を申し立てられた者(以下「被申立人」という。」に関する不利益処分を行うよう勧告するときは、出席者の3分の2以上の多数で決定する。
3 外部相談機関の設置
- 対策委員会は、ハラスメントにより人権を侵害されたと思う者が委員会に対する救済の申立てに先立って被害についての相談を行うことができるよう、外部相談機関を設置することができる。
- 外部相談機関は、委員会が委託したカウンセラー、弁護士等のハラスメントに係る専門家によって構成する。
- 外部相談機関は、相談に係る案件について事実の確認をするため、相談者に対してハラスメントによる人権侵害をしたと思われる相手方に連絡することができる。
- 外部相談機関は、相談者および相談内容について守秘義務を負うとともに、個別の相談内容について委員会に対する直接の情報提供は行わないものとする。
- 外部相談機関は、相談者名を秘匿しつつ、相談内容の概要を定期的に委員会に報告するものとする。
- 委員会は外部相談機関にハラスメント対策に関する助言を求めることができ、また外部相談機関は委員会に対して提言を行うことができる。
4 ハラスメントによる人権侵害への対応
- ハラスメントによる人権侵害行為が行われたと考えられる場合には、人権を侵害されたと思う者は、委員会に対して救済を申立てることができる(以下救済を申立てた者を「申立人」という)。
また、外部相談機関は、必要と判断する場合、相談者を代理して委員会に対して救済を申し立てることができる。 - 申立ては委員長宛に、委員長に直接ないし事務局を通じて文書をもって行うものとする。
- 委員会は申立について、以下に定める所管に従って、同一案件について一回のみ受け付ける。
- 一 国会議員(及び候補者)の言動に対しての申立については、党本部対策委員会
- 二 各級議員等(及び候補者)の言動に対しての申立については、都道府県連対策委員会
- 都道府県連対策委員会が設置されるまでの間の申立及び相談の受け付けは都道府県連幹事長が代行し、対策委員会に引き継ぐ。
- 委員会は、委員会が行う審議、調査等、及び斡旋、勧告等について別に定めることとする。
- 委員会は、申立が特定の議員・候補者を貶めることを目的とした虚偽のものであるか否かを精査しなければならない。
- 委員は審議の内容等に関し守秘義務を負う。
- 委員会は、調査等について専門家に委嘱することができる。
5 党機関等の責務
- 委員会から勧告を受けた党機関(幹事長、常任幹事会)は、速やかに勧告に従い、再発防止を含む各種の措置をとるように努めなければならない。
- 常任幹事会が党倫理規則の適用が必要と判断した場合は、倫理規則の手続きに従う。
- 勧告を受けた党機関の構成員は、申立人及び被申立人等のプライバシーの保護に留意し、党機関の審議において知りえた情報について守秘義務を負う。機関の構成員を退いた後も同様とする。
- 党諸機関及び議員は、人権救済に関する申立てを行ったこと、あるいは調査に応じたことにより、申立人ないし調査協力者にいかなる不利益も科してはならない。
- 党本部、都道府県連および総支部等の党機関の職員については、ハラスメント対策指針を踏まえつつ、それぞれの執行機関において指導、監督、処分等を行うものとする。
6 経過措置
- 「行動規範」等については、新たに定められるまで、委員会の判断にもとづいて、既存の規範等を用いることができるものとする。
7 発効及び改廃等
- 本指針は、2022年5月1日から施行する。
- 本指針は、その実施状況を踏まえて必要な見直しを行う。
- 本指針の改廃は、常任幹事会の決定による。