衆参両院の正副議長の主催する「天皇の退位等に関する皇室典範特例法案に対する附帯決議に基づく政府における検討結果の報告を受けた立法府の対応に関する全体会議」が1月31日、衆議院議長公邸で行われ、13の政党・会派の代表者らが出席しました。

 立憲民主党からは、野田佳彦・党安定的な皇位継承に関する検討本部常任顧問(党代表)、馬淵澄夫・同本部長、斎藤嘉隆・党参議院国会対策委員長が出席しました。田名部匡代・同本部長代行、野田国義・同本部副本部長は参議院の公務のため欠席となりました。

 この間、立法府の全体会議は2024年5月に2回開催された後、両院の正副議長が各党・各会派からの個別の意見聴取を行い、9月には、それぞれの意見を議事録とともにまとめた中間報告を当時の岸田総理に対して提出しました。今回、衆院選後はじめての通常国会の召集に合わせ、全体会議が再開されました。

 昨年の中間報告では、女性皇族が婚姻後も皇族の身分を保持する案について「認める方向でおおむね共通認識が得られた」とし、また、養子縁組による旧皇族男系男子の皇族復帰に関しては「積極的な意見も多く述べられたが、反対論もあった」とされました。

 全体会議の冒頭、正副議長があいさつし、額賀福志郎衆院議長は、「今後の皇室のあり方は国家の基本にかかわり、皇族数が減少するなか先送りのできない課題で、丁寧に議論したい」と述べ、全体会議での協議を通じて「お互い歩み寄り、可能な限り速やかに取りまとめ、ぜひこの常会中に結論を出したい」との意向を示しました。

 また、長浜博行参院副議長は、日本国憲法第2条「国会の議決した皇室典範の定めるところにより」の箇所に触れ、「立法府の職責の重要性を共有したい」とあいさつしました。

 続いて、橘幸信衆院法制局長から、「各党・各会派の意見の要点」について説明を受けた後、玄葉光一郎衆院副議長より、正副議長が取りまとめた全体会議の今後の進め方について提案を受けました。

 提案の柱は、2月から3月にかけて全体会議を複数回開催することと、会議の議事録をすみやかに公表すること等でした。また、見解の分かれる項目や議論の尽くされていないものに関して詰めの協議を行いたいとして、(1)女性皇族が婚姻後も皇族として残る案における配偶者・子の身分について(2)旧11宮家の男系男子を養子とする案について――の2つの論点を中心に順次議論を進めたい、との提案がなされました。

 この提案の後、各党・各会派が全体会議の今後の進め方について、それぞれの意見を述べ、今回の議論を踏まえて正副議長が改めて協議し、次回会合を調整することになりました。

 終了後、野田常任顧問と馬淵本部長が国会内で、記者団に対し会議の様子などを説明しました。

 野田常任顧問は、「このテーマこそ『熟議と公開』の国会そのもの。立法府の総意を取りまとめられるようしっかり議論したい」と述べました。馬淵本部長は、論点として挙がっている配偶者・子の身分について「有識者会議での議論が不十分だった。わが党の論点整理によってしっかりクローズアップされたことは有意義だと考える」と指摘しました。

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