参院予算委員会で3月25日、高市総理の訪米報告を受けた「外交・安全保障等」に関する集中審議が行われ、立憲民主党から田島麻衣子議員が質問に立ちました。田島議員は、日米首脳会談を巡り政府の報告内容とトランプ大統領の発言に差異があると指摘されていることや、イラン情勢に対する政府の対応、さらに憲法の理念を逸脱しかねない防衛費増額の在り方について、高市総理や関係閣僚の姿勢をただしました。

■イラン情勢を巡る「戦争」発言の波紋
 田島議員は、緊迫するイラン情勢について政府の法的評価を厳しくただしました。質疑の中で、高市総理が自ら「戦争」という言葉を用いた点に着目し、「政府の正式な評価か」と追及。茂木外務大臣が「国際的な定義は存じ上げない」と回避する場面もあり、田島議員は「戦争と認定すれば国際人道法の適用範囲が変わる極めて重要な局面だ」と指摘。不適切な現状認識が国際的な誤解を招きかねないと迫り、最終的に総理は「『戦闘』と言い換えさせてください」と発言を修正しました。

■装備品「大量購入」の不透明な合意
 日米首脳会談において、トランプ大統領が「日本が軍事装備品を大量購入する措置に光栄に思う」と2回にわたり謝意を表明した事実について、田島議員は「国民への基調報告に記載がない」と問題視しました。小泉防衛大臣は「F35やトマホークなど、必要なものを積み上げた結果の一般論」だと釈明し、具体的な合意額の提示を拒みました。これに対し田島議員は、大統領がわざわざ「大量」と明言している以上、裏で具体的な上積みの約束があったのではないかと懸念を表明。国民の知る権利に奉仕するため、購入計画の詳細な資料提出を理事会で協議するよう求めました。

■防衛費の法的限度と「経済力」の関係
 防衛費の増額に関連し、田島議員は過去の国会答弁(昭和30年の鳩山一郎内閣等)を引き合いに出し、「防衛費は内政を著しく圧迫せず、経済力に応ずる範囲内という制約があるはずだ」と迫りました。政府参考人は「趣旨は現在も変わらない」としつつ、現代のドローンやハイブリッド戦などの技術変革を理由に「相対的な判断が必要」と答弁。田島議員は「積み上げの必要性は理解するが、憲法9条2項から導き出される『自衛のための必要最小限度』という法的上限を忘れてはならない」と釘を刺し、財政の持続可能性を軽視する姿勢を牽制しました。

■中東の邦人保護とミドルパワー外交
 さらに、ペルシャ湾に留め置かれている日本関係船舶45隻(日本船主協会が6日に発表)の安全確保についても質問。茂木外務大臣は、イラン側へ全船舶の安全確保を強く求めている現状を説明しました。田島議員は、日本が中東諸国やミドルパワーと築いてきた独自の信頼関係を活かすべきだと主張。「外交は好き嫌いでやるものではない」と述べ、中国との首脳会談の見通しや中東諸国への人道支援を通じた「顔の見える援助」による地域安定化への貢献を強く促しました。

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