30代の子どもがいる世帯では、「送迎」(平日)を目的とする移動は女性が0.48、男性が0.06(※1)と、女性が男性の8倍も子どもや家族の送り迎えをしています。その「送迎」の手段は、三大都市圏の男性、地方都市圏の男女は7割以上が自動車を利用していますが、三大都市圏の女性の自動車利用は約4割と少なく、自転車の割合が28.9%と他と比較して突出して多くなっています。また、「送迎」の手段が鉄道・バスである三大都市圏の男性、地方都市圏の男女はほぼゼロですが、三大都市圏の女性は約1割が鉄道・バスを利用しています(※2)。
人々の動きからみた交通実態を明らかにする「全国都市交通特性調査」は、過去6回行われており、2015年の調査では全国70都市を対象に行われました。「人がある目的をもってある地点からある地点へ移動する」ことを、1回の移動としてカウントしています。
全体的に外出率は年々減っているものの、1日当たり移動回数では20代の減少が顕著な一方、60代、70代の移動回数は増加傾向にあります。
男女別でみると、男性は通勤や業務を目的とした移動が女性より多く、女性は買い物や送迎を目的とした移動が男性より多くなっています。
高齢者の場合、前期高齢者(65−74歳)、後期高齢者(75歳以上)ともに男性のほうが外出する傾向にあり、75歳以上の女性はおよそ3日に1日しか外出していない状況です。また、前期高齢者の男性は自動車を運転して移動する傾向にありますが、女性や後期高齢者は徒歩や自動車(同乗)での移動が多い傾向にあります。
三大都市圏では鉄道やバスなどの公共交通が高齢者の重要な移動手段になっている一方、地方では公共交通が縮小する傾向にあり、自家用車を持っていたり運転してくれる人がいなければ、移動が困難な状況にあります。
高齢者が運転免許を自主的に返納する割合も急速に上がっており、高齢者の移動手段の確保は重要な課題です。
就業形態や家族構成、年代によって移動目的や交通手段が異なります。すべての人が暮らしやすいまちづくりやインフラ整備を進めるには、こうした実態把握が必要です。
立憲民主党は、就業形態、家族構成、年代、男女による移動目的や手段等の実態を把握した上で、子育てのしやすい都市計画、まちづくりを進め、すべての人が暮らしやすいまちづくりやインフラ整備を実現します。「まちづくり基本法」(仮称)を制定し、美しく住みやすいまちをつくります。
(※1)第6回全国都市交通特性調査結果(国土交通省 2017年11月21日)【参考】グラフデータ(冊子)。数値は(回/日)を示す