党旧統一教会被害対策本部(本部長:西村智奈美衆院議員)は8月23日、内閣部会、文部科学部会との合同会議を国会内で開催。旧統一教会被害者(両親ともに旧統一教会の信者である「祝福2世」)の小川さゆり(仮名)さんからヒアリングを行いました。冒頭、同対策本部本部長の西村衆院議員は、「旧統一教会による被害実態について、自らの経験を話してくださる」小川さんに、謝意を述べました。

 小川さんは、旧統一教会の「二世信者として育てられ、現在は脱会」しています。他方、「両親は20歳前後の頃、旧統一教会に入信し、合同結婚式で結婚。現在も熱心な信者」であり、「母は旧統一教会から出馬した議員の選挙活動を手伝ったり、ウグイスをしていた」とのことです。

 また、「親が高額な献金をしていたせいで、生まれた頃から貧しい家庭環境で育ち、学生時代もそれを理由に長期に渡っていじめを受けた」「幼少期より教会での行事や宗教行為(祈り、本を読むことなど)を強制させられて、教会以外の人間は全て悪で、恋愛やそれらの情報を見ることも悪として教育される」といった経験を語りました。

 その上で、「脱会に至った経緯」として、(1)金銭的理由(2)精神的理由――の2点を挙げました。

 金銭的理由として小川さんは、「バイト代等の200万円ほどの給与を、献金に費やすため全て両親に没収された」「精神病棟に入院した際、隠して貯めていた貯金を母親に無断で全額引き落とされた」といった経験を語りました。

 また精神的理由として小川さんは、「高校時代、介護が必要になった祖母に対し、家族が暴言・暴力を振るうようになった」「千葉で行われる結婚前に参加しなければならない『21日修練会』に参加したが、公職者からセクハラを受けた」「韓国にある清平(チョンピョン)修練院という除霊施設の修練会に参加したが、精神崩壊した信者たちを数多く目の当たりにした」「教義の矛盾や家族崩壊からのストレスで精神の安定を保つことが難しくなり、精神疾患を負う」といった経験を語りました。

 以上を踏まえ小川さんは「教会への不信感を抱き、脱会に至った」と述べ、「旧統一教会は宗教を名乗ったカルトであり、信者家庭を崩壊に追い込む反社会的団体です」と批判しました。さらに、「旧統一教会の被害を無くし、被害者を救済するのは、今しかできないと思っています」「被害者を救い、新しい被害者が今後出ないような、法律や制度を作ってください」と訴え、「フランスですでに制定されている反セクト法を実効性が伴うかたちで日本にも取り入れていただきたい」と求めました。

 小川さんの訴えを踏まえ、同対策本部事務局長の石橋通宏参院議員は、「必要な法制度の対応を進めていきます」と応じ、被害実態について語っていただいた小川さんに感謝の意を表明しました。

 同対策本部は続いて、「『旧統一教会』問題関係省庁連絡会議」などに対しヒアリングを実施。出席議員からは「やってるフリだけで中身がない」「いじめや虐待に関連する、文科省、厚労省、こども家庭庁が『連絡会議』に参加していない」ことを疑問視する声が上がりました。