安住淳幹事長は12月8日、衆院本会議での片山財務大臣の財政演説に対する自身の代表質問について、本会議散会後に国会内で記者団の取材に応じました。
安住幹事長は冒頭、代表質問での高市総理の答弁への受け止めを問われ「積極財政と責任ある財政は矛盾する言葉であり、この点をただしたが残念ながら明確な答えはなかった。放漫財政と言われても反論できない規模と額であり、これで財政規律を守ると言われても説得力がない」とコメント。立憲民主党としては修正を求めていく考えを示しました。
宇宙戦略基金をはじめ未消化のまま巨額が積み増される状況については「基金を一つずつ調べると、年度内には消化できないから基金に積んで予算規模を大きく見せようという道具に使われている。特に緊要でない基金は、自民党の族議員が業界団体の意向を受けているのか、その人たちに『やってます感』を出すためにお金を積むという、悪弊が出た予算だと思う」と断じました。
安住幹事長はまた、財務大臣経験者の立場からも、赤字国債に頼る財政運営に対して「恥ずかしいという気持ちを持つべきだ」と指摘。赤字国債イコール次の世代への借金だとも述べ「今の時代に起きたことは、今の世代でなんとかしようという、そういう姿勢でやっていかないと、一回借金に頼ったら、その体質が歯止めなく拡大し、現在の1千兆円超の債務残高につながった」と説明。MMT的な考え方や国債依存への楽観論を「世界の教訓に逆行する」と強くけん制し、「このまま放漫財政を続けて最後にツケを払わされるのは国民。警鐘を鳴らし続けたい」と述べました。
中国軍による自衛隊機へのレーダー照射問題に関しては「事実であれば挑発行為で反論の余地のない、批判されるべきもので絶対許せないこと」と述べ、政府に毅然とした対応を求めました。一方で、日中関係の悪化を招いた高市総理の発言にも触れ「お互いの国が冷静に対応をすること。実務レベルで、時間がかかるかもしれないが関係改善に向けて努力すべきだ」と強調しました。
衆院の定数削減法案をめぐっては「自民党総裁としての答えがなく、国対に任せるからそちらに聞いてほしいという驚くべき発言で、エネルギーを感じなかった」と述べました。自民党内の賛成者が極めて少ない点にも言及し、議会で幅広く合意形成すべきものを、日本維新の会との連立合意で政権維持の道具として扱う姿勢に「筋が悪い」と批判しました。
