参院本会議で所得税法改正案等に対する代表質問が行われ、小沢雅仁議員が登壇しました。予定原稿は以下の通りです。

                                                            

2026年3月23日

令和8年度地方財政計画及び地方税法等の一部を改正する法律案並びに地方交付税法等の一部を改正する法律案に対する代表質問

立憲民主・無所属小沢 雅仁

 立憲民主・無所属の小沢雅仁です。

 私は、会派を代表し、ただいま議題となりました、令和8年度地方財政計画及び地方税法等の一部を改正する法律案並びに地方交付税法等の一部を改正する法律案について、林総務大臣に質問いたします。

 2026年度地方財政計画は、地方が自由に使える一般財源総額は交付団体ベースで67.5兆円と、5年連続で前年度を上回り過去最大規模を更新しました。地方交付税総額も20.2兆円と8年連続で前年度を上回りました。今後とも、一般財源総額については、前年度の地方財政計画の水準を下回らないよう安定的に確保するとともに、物価高への対応に要する経費、地方公務員の人件費、社会保障関係費その他拡大する行政需要に合わせて拡充を図るべきと考えますが、林大臣の見解は如何ですか。

 地方財政の健全化についても、臨時財政対策債は2年連続で新規発行額がゼロになりました。地方財政計画ではじめて「臨時財政対策債償還基金費」が0.8兆円創設されました。交付税特別会計の借入金残高についても、2026年度の償還額0.7兆円の償還計画を変更し、2.2兆円の償還を行うとともに、借入金残高のうち0.7兆円を国の一般会計の借入金に振り替えることとし、償還計画の終期が3年間前倒しされました。「金利のある世界」となり、今後の金利上昇も懸念されており、引き続き臨時財政対策債の償還促進、交付税特会借入金残高の着実な削減が必要であると考えます。今後の地方財政の健全化の進め方に対する林大臣のお考えをおたずねします。また、地方団体による臨時財政対策債の繰上償還を支援することはできないのか、大臣のお考えを伺います。 財源不足への対応について伺います。2023年度から25年度まではいわゆる「折半ルール」に基づく補塡措置を講じられましたが、今回は、「折半ルール」は延長されませんでした。一方、昨年12月24日の総務・財務両大臣の覚書では、「折半ルールの考え方を踏まえ、総務大臣及び財務大臣が協議して定める方法により補塡措置を講ずる」旨記載されています。そこで、今回、「折半ルール」の延長を行わなかった理由と、今後、巨額の財源不足が生じる場合には、「折半ルール」を適用するのか伺います。本来、地方交付税の法定率の引上げを行い、安定的に総額を確保すべきであり、概算要求時に地方交付税の法定率引き上げを要求するのか見解を伺います。

 全国844の公立病院の24年度決算によると、経常収支は3952億円の赤字となり、赤字病院数の割合は83.3%で、赤字幅、割合ともに過去最大となりました。地域医療体制の確保として、病院事業への繰出金の400億円の増額や公立病院の新設・建替に対する交付税措置の建設単価上限引き上げなどが行われています。公立病院は、民間病院の立地が困難なへき地等における医療や、救急・小児・周産期・災害・精神などの不採算・特殊部門に係る医療、民間病院では限界のある高度・先進医療の多くを担っています。今回の支援措置は評価しますが、不採算地区病院等への特別交付税措置の基準額のさらなる引上げなどの対応を求めたいと考えますが、いかがですか。公立病院の厳しい状況に対する認識と、持続可能な地域医療提供体制の確保に向けた今後の一層の支援強化について、林大臣の見解を伺います。

 物価高騰への対応については、物価上昇分の委託料の引き上げに加え、対象経費の範囲の拡大が行われ、一般行政経費の単独分は前年度の1000億円から5850億円へと大幅に増額されています。価格転嫁に積極的に取り組む自治体の財政需要の交付税算定への反映も講じられます。しかし、今後、物価高騰がさらに進むことも見込まれており、物価上昇に機動的に対応できる仕組みの構築など、さらなる支援が必要です。必要がある場合には、物価高騰や適切な価格転嫁への対応について、迅速に追加的な財政措置を講じるべきではないですか。

 地方公務員の人件費について伺います。2025年人事委員会勧告に伴う給与改定に要する経費に加えて、2026年の給与改定を先取りした給与改善分も計上されました。とりわけ会計年度任用職員の給与等は、これまで一般行政経費の単独分に計上されていたものが給与関係経費へ移し替えられ、1兆9,600億円が確保されました。地域公共サービスを担う人材への目配りは評価します。また、物価高・官公需の価格転嫁への対応、インフラ整備や公立病院への支援など各種施策についても充実されてはいます。しかし、自治体における専門職、資格職の人材確保が困難な状況にあり、いくら予算を付けても担う人がいなければ届きません。引き続き「人への投資」を積極的に充実すべきであると考えますが、如何お考えですか。

 会計年度任用職員の人件費総額にかかる財源が地財計画において明示され、会計年度任用職員の位置づけの向上、処遇改善に繋がるものと期待しますが、会計年度任用職員の給与等について、これまで一般行政経費の単独分に計上されていたものが給与関係経費へ移し替えた理由と効果について、また、会計年度任用職員は地方行政の重要な担い手として欠かすことのできない存在となっており、引き続きその待遇を改善すべきと考えますが、如何ですか。

 委託先・指定管理先で働く労働者の賃金・処遇を改善するためにも、委託や指定管理者制度などの長期継続契約に対し、物価高騰に対応した賃金スライド条項の導入を進めるなど、賃上げが可能な契約制度に変更するようにすべきではないですか。

 「地域の元気創造事業費」において、行革努力分については、ラスパイレス指数及び経常的経費削減率等を用いた算定を廃止するなどの見直しが行われます。使途が自由な一般財源であり地方共有の固有財源である交付税を「行革補助金」のように取り扱うことは、地方交付税法の趣旨に逸脱するものとして批判して参りましたが、隔絶の感があります。今回の行革努力分の見直しの経緯と狙いについての説明を求めます。

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 2007年10月1日に郵政事業の民営・分社化がスタートして、来年で20年の節目を迎えます。この間、少子高齢化、人口減少、ICT化の進展など社会全体が大きく変化する中で、経営環境も大きく激変し厳しさを増しています。少子高齢化の進展と人口減少が進み、地域社会の疲弊が一層進行している中、最後の「常勤の社員がいる事業拠点」となるなど、全国津々浦々に存在する郵便局が果たす地域貢献への期待がますます高まっています。公的役割を担い地域の拠り所でもある郵便局が持つ強みを活かし、郵政事業、利用者、自治体、住民がウインウインとなる関係を作っていくべきではないですか。 地域公共交通については、国土交通省において2027年度までを「交通空白解消・集中対策期間」としています。国の補助金を受けて実施する「交通空白」解消に向けた取組に係る地方負担について、どのような支援策を講じるのか伺います。

 今回、原油価格の高騰や円安の影響等による軽油価格の高騰に加え、緊迫するイラン情勢によって、今後も大幅な値上がりが見込まれる中、この4月1日から半世紀ぶりに軽油引取税の旧暫定税率、「当分の間税率」が廃止になることは、極めて歴史的・画期的であると考えます。また、自動車関係諸税の環境性能割の廃止についても、自動車ユーザーの取得時における負担の軽減、国内自動車市場の活性化を図るとともに、国際競争が激化する自動車産業の活性化に資するものだと考えます。

 そこで、軽油引取税等の「当分の間税率」の廃止についての意義や狙いについて、林総務大臣の見解を伺います。また、自動車関係税制のあり方に関する研究会では、環境性能割の廃止は、カーボンニュートラルに逆行し、税収中立にも反することから適当でない、とされていますが、自動車関係諸税の環境性能割の廃止に踏み切った理由について、ご所見を伺います。 一方、自治体にとっては軽油引取税で4297億円、地方揮発油譲与税で296億円、自動車税で1658億円、軽自動車税で207億円の減収が見込まれます。来年度については、地方特例交付金を創設して補填しますが、これらに関する代替となる恒久的な安定財源の確保の具体策について、林大臣のご所見をお尋ねします。

 ふるさと納税制度の見直しについて伺います。地方団体を応援したいという寄附者の思いに応えるためにも、寄附金の募集に係る費用を抑え、受け入れた寄附金はできる限り地方団体が活用できることが重要であると考えます。

 一方、多額の控除や返礼品を受け取れる高所得者に有利な制度であることや「官製通販」と言った批判もあり、また、返礼品などの経費や仲介事業者のコストが高く、住民サービスに回る部分が少なくなるという問題も指摘されています。今回の見直しは一歩と言えます。「居住地課税」の原則などの基本的問題は解決されず、依然として地方間の税収の奪い合いとなる構図にあります。ふるさと納税のあり方や今後のさらなる見直しに向けての林大臣の認識を伺います。 さて、地方税収が全体として増加する中で、地方団体間の財政力の差が拡大し、二極化する傾向にあります。東京都の財源超過額は、4年連続で増加しており、2025年度は約2兆円で過去最高となりました。東京都と神奈川県を隔てる多摩川を境に、行政サービスや子育て支援の内容に大きな差が生じることから、「多摩川格差」といった言葉も生まれています。こうした財政力格差・行政サービスの格差の現状から、地方団体間の財政力格差の是正を図るべく、税源の偏在性が小さく税収が安定的な地方税体系を構築することは必定です。その際、東京都も含め納得のいく公正な結論を見いだす必要があり、東京都の税収を国税に召し上げそれを配分するという手法には問題があると考えますが、如何ですか。本来、税収入の偏在を是正し、地方公共団体間の不均衡や過不足を調整し、均衡化を図るという地方交付税制度の強化や、偏在性が少ない消費税について国税から地方税へ税源移譲するなどの地方税の充実が図られるべきではないですか。適切な偏在是正措置についてどのような制度をお考えなのか、また議論の進め方について、林大臣のご見解を伺います。

 人口減少・少子高齢化対策などをはじめとした社会課題のほか、多種多様な住民ニーズがあり、自治体はより一層きめ細やかな公共サービスを求められており、質の高い地域公共サービスの維持・確保が重要な課題です。これからの人口縮小時代、国と地方の責任を明確にした上で、責任と財源を一致させ、それぞれが主体的に役割を再設計する仕組みが不可欠だと考えます。分権・自治を推進する政党として、立憲民主党は地方税財政のあるべき姿について、積極的に論戦を展開していく決意であることを表明し、質問を終わります。