76回目の終戦記念日を迎えた15日、枝野代表は日本武道館でおこなわれた全国戦没者追悼式に党を代表して参列し、献花をおこないました。式典では正午に戦没者を追悼して黙とうが捧げられました。
 東京都に新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言が発出されていることを踏まえ、式典は参列者数を大幅に縮小しておこなわれました。

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 天皇陛下はおことばで「さきの大戦において、かけがえのない命を失った数多くの人々とその遺族を思い、深い悲しみを新たにいたします。終戦以来76年、人々のたゆみない努力により、今日のわが国の平和と繁栄が築き上げられましたが、多くの苦難に満ちた国民の歩みを思うとき、誠に感慨深いものがあります」と述べられました。
 新型感染症について「私たちは今、新型コロナウイルス感染症の厳しい感染状況による新たな試練に直面していますが、私たち皆がなお一層心を一つにし、力を合わせてこの困難を乗り越え、今後とも、人々の幸せと平和を希求し続けていくことを心から願います」と述べられました。
 そして、「戦後の長きにわたる平和な歳月に思いを致しつつ、過去を顧み、深い反省の上に立って、再び戦争の惨禍が繰り返されぬことを切に願い、戦陣に散り戦禍に倒れた人々に対し、全国民と共に、心から追悼の意を表し、世界の平和と我が国の一層の発展を祈ります」とおことばを結ばれました。

 菅総理大臣は式辞で「私たちが享受している平和と繁栄は、戦没者の皆さまの尊い命と、苦難の歴史の上に築かれたものであることを、私たちは片時たりとも忘れない」と述べました。そして、「わが国は、戦後一貫して、平和を重んじる国として歩み、世界の誰もが、平和で、心豊かに暮らせる世の中を実現するため、力の限りを尽くしている。戦争の惨禍を、二度と繰り返さない、この信念をこれからも貫いていく」「積極的平和主義の旗の下、国際社会と力を合わせながら、世界が直面するさまざまな課題の解決に、全力で取り組んでいく。今なお、感染拡大が続く新型コロナウイルス感染症を克服し、一日も早く安心と、にぎわいのある日常を取り戻し、この国の未来を切りひらいていく」と表明しました。

 遺族代表で85歳の柿原啓志さんは、「先の大戦が終わりを告げてから76年という時を数えてまいりました。しかし私たち遺族が、国のために戦場に赴き、無念にも散華された戦没者の方々のことを忘れることはありません。歳月が過ぎ、時代の名前が変わり、多くの人々の心の中に戦争というものへの意識が薄れゆく今日であっても、なお、私たちは失った家族のその面影を求め、思いをはせております」と追悼の辞を述べました。
 そして、「これからの次世代の方々へと、遺族の思いをつなげていくために私たちはいま一度力をあわせ、平和の大切さを伝えようとしています。今日の平和と繁栄は、尊い犠牲の上に築かれ、その犠牲として亡くなられた人々は、今の日本に暮らす人々と同じように、ごく普通の生活を過ごしていた方たちであったことを、確かな人生が、そのお一人おひとりにあったことに、どうか気が付いていただきたいのです。そして、その方たちの命が無残にも途中で消えてしまった、国の礎となられたその方たちに、感謝の心を寄せていただきたいのです。このことは決して忘れてはならない、とても大切なことなのです」と次世代に伝えていくことの重要性を訴えました。

【画像提供】厚生労働省