ジェンダー平等の推進などに関する改革案

立憲民主党

第一 ジェンダー差別の本質に関する認識の共有

1.党全体として、性犯罪の実態や、その背景にある日本社会が抱えるジェンダー差別の本質について十分な認識の共有がなされていなかったことを反省し、党代表が先頭に立って共有をはかる。

2.特に、性交同意に関する刑法などの規定や実務を含む現在の性犯罪に関する法体系など、日本社会が抱えるジェンダー差別の本質について、女性差別撤廃条約や、国連女性差別撤廃委員会による日本政府に対する累次の勧告などを踏まえた認識の共有を進める。
(1)女性差別撤廃条約や政府への勧告等についての研修を、都道府県連まで含めて進めるなど、改革プログラムを作り実施過程を公表する。

第二 意思決定過程におけるジェンダー平等の積極的推進

1.今回のワーキングチームでの議論も含め、党内においても議論や意思決定の場に圧倒的に女性が少ないという実態を直視し、ジェンダー平等を掲げながら、足元の党内でどのように実現していくのか積極性が足りなかったことを反省して、積極的な姿勢に転換する。

2.「政治分野における男女共同参画の推進に関する法律」に基づき、可能な限り社会と同じ性別構成(男女比率の均等)、年齢構成を目指し、ポジティブ・アクションの採用を含め、候補者選定やスタッフについてジェンダー平等の実践を図る。
(1)候補者、議員、そして党職員も含めて、政府の「女性活躍・男女共同参画の重点方針2021」を見据えつつ、女性比率を2030年までのできるだけ早い時期に少なくとも3割を超えるよう、具体的に目標を定めて実践する。

3.政権を担当した際には、現政権が2020年までの達成を断念した「指導的地位の女性割合3割達成」を現実的に達成するロードマップを作り強力に推進する。

第三 代表が先頭に立った推進体制の確立

1.規約に基づく党の常設機関であるジェンダー平等推進本部の本部長を代表が務める体制とする。規約上は幹事長や政務調査会長に対する提言機関のような位置づけになっているものを、より強力かつ直接的に、ジェンダー平等の視点を党運営や政策立案に反映させる。

2.政務調査会におけるジェンダー差別に関連する会議体の設置にあたって、ジェンダー平等推進本部との共管として、政策決定過程にジェンダー平等推進の視点が重視される体制を担保する。

第四 ガバナンスの改善

1.党内において自由闊達に議論がなされるべきであることは当然であるが、それが党の公式の会議の場における国会議員としての公的な立場に基づく発言である以上、責任を伴う。私たちが、政府・与党に対し、意思決定過程の議事録作成とその情報公開を求めてきていることを踏まえ、発言された政策内容自体の是非、賛否そのものによって党としての処分対象になるようなことはないものの、その発言は外部に公開されうること、そして、その表現のあり方によっては、社会的、政治的に強い批判を受けうることを、党内で徹底する。

2.政策決定過程の会議における一般的な公開の有無、問題が指摘された場合に備えた正確な記録とその管理、必要な場合の公開基準などについて、立憲民主党が準備を進めている情報公開法等改正案で政府に求めている基準をもとに、すみやかにガイドラインをつくる。

3.倫理規則第3条及び第5条第3項の「調査」について、事実関係の確定に困難をきたす場合に備えた第三者的調査体制の整備など、より迅速かつ公正な手続きのための改善策の検討を、代表をトップとして進める。