枝野幸男代表は16日、東京・江東区を訪れ井戸まさえ東京15区総支部長と街頭演説をおこないました。枝野代表は選択的夫婦別姓制度は「世界の常識」だと述べ導入を訴えました。

 衆院議員を1期務めた経験のある井戸総支部長は、自身に5人の子どもがいることに触れました。4人目の子どもが離婚後300日以内に産まれ、民法ではその場合に前夫を父とする規定があり、これを拒否したために子どもが無戸籍となってしまったことを説明。井戸総支部長は、「なんで明治時代に作られた法律で、こうした生きる希望を失うような子どもたちを産んでいるのだろうか。一刻も早くこうしたことを変えなければいけない」と訴えました。また、枝野代表が100本の動画を発信し、「100通りのあなたを想定して皆さんにメッセージを送っています」と紹介。88番目の動画が無戸籍の人に向けた動画であり「88番目に私の事を紹介がされている。そして皆さんは、100の中から自分自身を探してみてください」と呼びかけました。

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井戸まさえ東京15区総支部長

 枝野代表は、「夫婦で同じ苗字を名乗るということのために、どちらかが苗字を変えたら、いろいろなところで不都合が生じるから変えたくないという人の自由に口を出す必要はないじゃないですか。私は女性の妻と結婚しています。でも、男性が男性を愛する人がいて、それに口を出す必要はないじゃないですか。女性が女性を愛して、それに口を出す必要はないじゃないですか。みんな違ってみんないいじゃないですか。自分と違う価値観を持っている人に自分の価値観を押し付けない。これが私は社会の基本だと思っている。そして、ましてや今の日本にはそうした多様な価値観を大事にしなければ、日本は元気に生きていけません」と問いかけました。枝野代表が国会議員となった28年前から選択的夫婦別姓制度の導入に取組んできたが、いまだに制度の導入ができていないことについて、「まさか28年かかると思いませんでした。世界の中でこの制度を認めてないような国はもはやごくごく一部の例外です。世界の常識です。世界の常識についていけない。この選択的夫婦別姓すら認めることができない。こんな政府は変えよう。変えようではありませんか」と訴えました。
 また、立憲民主党の大きな柱の一つが「多様性ある社会」だと述べ、井戸総支部長について最も立憲民主党らしい仲間だと紹介しました。

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枝野幸男代表

 街頭演説終了後に、枝野代表は記者団からの取材に応じました。「変えよう。」と呼びかけていることについて、どういったことを変えるのかを問われると、「命と暮らしを守れなかったコロナ対策を抜本的に変えよう。それから富の偏在を生んで株価を上げただけだったアベノミクスを、分配なくして成長なし適正な分配で消費を伸ばす経済政策に変えよう。そして、隠す、ごまかす、改ざんする不誠実な政治をまっとうな政治へと変えよう。この3つを変えよう。変えようというのは変える、変えたいではない。国民の皆さんと変えようと訴えさせていただく」と答えました。