立憲民主党・無所属会派は17日、中国公船が日本周辺での活動を活発化し、領海に侵入する等の事案が発生するなか、公共の秩序の維持のため、領域の警備について万全の体制で備える必要があることから、「領域等の警備及び海上保安体制の強化に関する法律案」を衆院に提出しました。

 主な内容は、警察機関及び自衛隊が事態に応じて適切な役割分担の下で迅速に行動し、領域の秩序の維持を効果的に行うよう、基本原則を定め、以下のことを行うものです。
(1)領域警備方針、対処要領、海上保安体制強化計画等の策定
(2)領域警備のための措置、1.常時警戒監視について法律で位置づける 2.関係行政機関の連絡体制の構築 3.海上保安庁の所掌事務に海上自衛隊との協力、共助、連絡を追加
(3)内閣官房に領域警備・保安体制強化会議の設置
(4)自衛隊による海上警備準備行動を創設

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 法案提出後に提出者が記者団の取材に応じ、安全保障部会長の篠原豪衆院議員は提出の経緯について、「基本政策にある領域警備についてはしっかりと議論をし、そして法整備を行おうとしてきたもので、今年の3月から有識者の皆さん、省庁の皆さん、そして現場の皆さん、われわれの部会と調査会の中でそれぞれ議論を交わし(6月にも)提出した。今回状況が変わったわけではないが、新しく政権ができ、そしていまだにこの部分についての対応がしっかり行われていないので、われわれは先んじて、また新たに提出をした」と説明しました。
 外交・安保・主権調査会長代行の渡辺周衆院議員は、「与党の中にも同調していただける機運があるが、なぜか安倍政権も菅政権もこの政権も、この点については言及しないまま来た。われわれも当時政権を担っていた責任から、ぜひとも各党各会派の賛同をいただいて実現させたい」と成立に意欲を示しました。
 外務部会、安全保障部会の副部会長を務める小西洋之参院議員は、「海上保安庁の警察力は、船や船舶あるいは要員の育成に関する整備計画がない」と述べ、「法律に基づく海上保安庁の海上保安体制強化計画をしっかり作り、必要な海上警察力の常時優勢の体制を図るのが要」「防衛省との連携を図る領域警備の基本方針や、いざというときに自衛隊との連携を図るための措置等を盛り込んだ体系的な法律」と説明しました。
 国土交通部会長の小宮山泰子衆院議員は、「海上保安庁事態、トカラ列島の地震等、さまざまな領域・海域において業務はある。そういう意味で、人員や船舶に関しても補充が必要であり、今回の法案が通ることでさらに海上保安庁の機能を強化し拡大できる」と法案の意義を述べました。

 法案提出には、渡辺周、小宮山泰子、重徳和彦、城井崇、青山大人、伊藤俊輔、源馬謙太郎、徳永久志、太栄志各衆院議員、小西洋之参院議員が参加しました。

概要(領域警備・海上保安体制強化法案).pdf
法案(領域警備・海上保安体制強化法案).pdf

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