泉健太代表は17 日、国会内で岸田総理の施政方針演説について記者団の取材に応じ、「岸田総理らしさがどんどんぼやけているのではないか」との見方を示しました。

 冒頭、泉代表は「総理は大変なお仕事だと思います。そして非常に誠実な人柄が出ていると思いながら(聞いていました)。しかし、画竜点睛(がりょうてんせい)を欠くというか、痒いところに手が届かないというか、肝心なところに具体策がないという感想を持ちました。コロナ対策も、想定以上とおっしゃられていて、最悪を想定するのではなかったのかという思いで受け止めました。米軍由来の感染拡大の一方で、地位協定の見直しということまではおっしゃられない。そして若者の所得の大幅引き上げと言うが、具体策に乏しい。新しい資本主義も、おそらく今日こうして集まっている記者の皆さんも、分からない、中身が見えないと受け止めているのではないかと思います」と、考えを述べました。

 さらに、「岸田総理らしさがどんどんぼやけているのではないか」と指摘した上で、「新しい資本主義も総裁選で言っていたようなものではなく、感染症法の見直しも、入管法も後回し。そして、金融所得課税はもう完全に触れられなくなってしまった。文書通信費のことについても演説原稿に書かれていなどなど、いろいろと党内で気を遣うことが多いのだろう」と列挙し、岸田総理らしさを欠いた印象を抱いたと重ねて語りました。

 記者からの主な質問とその回答(要旨)は以下の通り。

Q:施政方針演説受けて代表質問、予算委員会ではどう問いただしていきますか
 新型コロナ対策ではオミクロン株の感染拡大に伴って、具体的に政府が何をしなければならないのかということについて、われわれからも提案をさせていただくし、政府の具体的な考え方を明らかにしていきたいということが一つです。もう一つは、新しい資本主義とは何か、アベノミクスとどう違うのかという点も聞かなければいけません。その新しい資本主義を、ブレイクダウンしたときに、結局、どんな政策を持っているのか、これもよくわからないのでただしていきます。

 また、例えば子ども家庭庁ができたからといって、子育て世帯が恩恵をどれだけ受けるのか。この子ども家庭庁の並びで出てきた今日の演説の中身も、対象者が非常に狭いというか、一部の方々に向けたもの。賃上げ税制も、どちらかというと広くあまねくというよりも、一部の方だけが恩恵を受けるものということで、風呂敷は大きいけれども実際に恩恵を受ける方々が少ないのではないかと(思います)。そういう政策で果たして多くの国民にちゃんと分配でき、恩恵が届くのかというところは問わなければいけないと思っています

 立憲民主党の考え方として、この分配というのは、所得や地方、そしてやはり子育て世帯、こういうところへの分配を行っていきたいということを具体策を交えて議論していきたいと思っています。

Q:まん延防止等重点措置の地域拡大については
 「確かに感染力は強い。しかし重症化はしない。だから大丈夫」という話ではないということですね。これだけ感染者が増えると、重症化率が低い割合であっても、やはり病床を圧迫しつつあるところが出てきています。われわれとしては、早急にこの緊急事態宣言の考え方、まん延防止等重点措置の考え方をオミクロン株に合わせたものに切り替えるべきだということは政府に強く求めていきます。

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