逢坂誠二代表代行は3月4日、「持続可能な社会ビジョン創造委員会」の一環として、同委員の早稲田大学教授(元総務大臣、元鳥取県知事)の片山善博さんとオンラインで対談。(1)人の持続可能性(2)法治国家の持続可能性の危機(3)排除の論理と包摂(4)立憲民主党へのアドバイス――といった話をしました。コーディネーターは京都芸術大学教授の本間正人さんが務めました。

(1)人の持続可能性

 片山さんは「生きにくい、息が詰まるような社会で将来の希望が持てないのではないか」と思うと語り、持続可能性に黄信号・赤信号が灯っていると指摘。例えば少子化の問題であれば、同一労働同一賃金が確立すればかなり改善されるのではないかと語りました。

 また、民主党政権時に掲げた「すべての人に居場所と出番のある社会」は、息の詰まるような社会を打開するにはいい目標だと語りました。

(2)法治国家の持続可能性の危機

 片山さんは、法律に基づく行政の原理が危うくなっていると語り、役人や国会議員も法律が理解できなくなっており「法治国家が空洞化している」と指摘しました。続けて、「法律に基づく行政は、民主主義の一つの重要なファクター。これが持続可能的でないと民主主義そのものが根腐れしてしまう」と危機感を示しました。

 インフル特措法を例に、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の区域外で一人の陽性者も出ていないのに学校の休校を強いられている一方で観光振興策が実施されている実態や、大学入学共通テストでの混乱を挙げ、「マスコミも国会も問題にしない。法治国家の埒外になっている。無法地帯だ」と指摘しました。

(3)排除の論理と包摂

 今の政党同士のやり取りは排除の論理になっていると指摘する片山さん。「政治は多数の人をいかに幸福にするか」「少々の差異は包摂していく、そういう気持ちがないといけない」と語りました。

 逢坂代表代行は、「本来、一人区の選挙は、いろいろな人に応援してもらわないと勝てない」「多くの人はそう思っているにもかかわらず政党の活動は全く逆。純化をしている。純化をすればするほど
小さな塊になると決まってる。これは私が良くないと思っています」と応えました。

(4)立憲民主党へのアドバイス

 立憲民主党については、(1)民主党が政権をとった段階で分裂の遺伝子が入り込んでしまったので、その遺伝子を取り除き、包摂の遺伝子を組み込まないといけない(2)地域での足腰を強化するために、地方の組織を地道に作り党員を増やしていく(3)党名をコロコロ変えない(4)非正規労働者に視座を移す――といったアドバイスを送りました。

 そして非正規労働者を取り込んで行くことについて片山さんは、「総じて非正規労働者の人たちは労働組合から縁遠いこともあって、政治的に孤立しがちである。ちゃんとした政党が、そういうところにウイングを伸ばし、彼らの利害や立場を代弁することが大切」だと語りました。

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