立憲民主党東京都総支部連合会は1月20日、「票ハラ等撲滅対策本部」(本部長:塩村あやか参院議員)設置に関する記者会見を国会内で開催。同本部は、選挙に立候補を予定する候補予定者に対して、投票の見返りとしてのさまざまなハラスメント(票ハラ)や、暴力行為、SNS等などによる嫌がらせ行為が問題となっている現状に対し、弁護士と相談しながら候補者に寄り添い、今春の統一地方自治体選挙での立憲民主党公認候補予定者を支援するため、昨年12月9日に設置されたものです。

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 東京都議会議員時代を含め約10年の議員活動のなかで、さまざまなハラスメント等に遭い裁判経験もあるという塩村議員は、「日々、自治体議員の皆さん1人で対応するのは限界もある。しっかりサポートできる体制を作って不安に寄り添っていきたい。全国初であり、今後しっかり縦横に広げていきたい。そのための1つのステップだと思っている」と表明。

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 2021年に初当選した弁護士資格を持つ五十嵐えり東京都議会議員は、「政治家になってまだ短いが、候補者や政治家には何を言ってもいいんだ、何をやってもいいんだという誤解をされてる方がいるのではないか。より良い社会を目指して活動しているが、愛する家族もいるし、私たちを愛してくれている人たちもいる。人権もある」と発言。昨年秋にSNSで炎上し、殺害予告を受けたことに触れ、「私自身は弁護士なので何が誹謗中傷に当たるか、何が開示請求できるかなどが分かるので、全て適切に対応しているが、そうでない自治体議員をぜひサポートしていきたい。私が一番心配しているのは、より良い社会を作りたいと思って選挙に出ている人たちが挑戦を辞めてしまうこと。それは日本にとっての損失だと思う。社会を変えたいと思って挑戦している方たちを立憲民主党としてサポートしたい」と力を込めました。

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 事務局長の西沢圭太都議会議員からは、同本部の位置づけや具体的な支援など業務内容を説明。「立憲民主党東京都連としては、立候補や、活動をすることをためらうことにつながるハラスメントを許さない。こうしたことを内外に知らせることで票ハラなどの嫌がらせ行為を抑止する目的もある。過去、特に選挙期間中に暴力行為や嫌がらせ行為を受けても、弁護士の紹介を受けるとか、どういう対策ができるのかといったことを考える時間も余裕もなく、候補者はどうしても泣き寝入りしてしまうことが多い。そうしたことは絶対許さない。弁護士の皆さんと候補者をホットラインでつながぎ、『票ハラではないか』という話があればすぐに相談できる対応を取る。法律的なもの以外については、経験も豊富な塩村本部長、五十嵐副本部長も対応し候補者支援を行っていく」と力を込めました。東京都連調べによると、暴力行為などを含めた、いわゆる票ハラ等に特化した対策は全国初の取り組みで、都道府県の中でも東京都連が初めてとのこと。「試行錯誤しながらにはなるが、対応を進めていきたい」と述べました。

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  この数年間多くの相談を受けてきたという加藤弁護士は、「駅で街頭演説をしていたところ、いきなり有権者の方に抱きつかれた」「駅の近くでビラを配りながら街頭で自分の政策を話していたところ、有権者の方に怒鳴られて置いてある看板を蹴ってきた」「ボランティアとして手伝ってもらった後に『手伝ったんだから金を払え』と内容証明が送られてきた」など、事例を紹介。「内閣府の調査でも、立候補を断念した994人のアンケートのうち約6割の方がハラスメントを受けたと回答している結果(2021年「女性の政治参画への障壁等に関する調査研究報告書」)もあり、非常に大きな問題だと感じている。政治は人が非常に重要だと思うし、良い人材が、なるべく集まる必要がある。良い人材が立候補というスタートラインにすら立たせてもらっていない現状に、私を含め3人の弁護士は非常に憂慮しており、今回『票ハラ等撲滅対策本部』の話を聞いて、その理念に深く共感している。全力を挙げて運営にお力添えしてまいりたい」と述べました。

 記者からは、「どういった行為が票ハラに当たると考えるか」「このタイミングで設置に至った経緯」「応援される方々への働きかけや啓発をどう考えるか」といった質問が上がり、西沢議員は「都連としてはできるだけ幅広くとらえたい。候補者が、『これはどうなのか』と悩むよりも、ハラスメントと感じたものは幅広く受け止めたい」「東京都連では全自治体議員が所属する自治体議員連絡会がある。夏頃の連絡会で、特に女性候補から不安の声が多く上がったことから対応を検討し、設置に至った」などと回答。有権者の意識を変えいくためにも、広く知ってもらうことが大事だと強調しました。

 今後は2月9日には研修・勉強会を開き、特に新人候補者向けに東京都連で蓄積しているノウハウや、同本部の活用法について周知していく予定です。

「票ハラ等撲滅対策本部」設置のお知らせ.pdf
活動するにあたって頻繁に寄せられる質問.pdf