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20260709参内閣委員会で質問に立つ塩村あやか議員、鬼木誠議員

【参院内閣委】国旗損壊罪法案 塩村、鬼木両議員が立法事実や表現の自由への影響を追及

 参院内閣委員会で7月9日、国旗損壊罪法案に関する質疑が行われ、「立憲民主・無所属」会派から塩村あやか、鬼木誠両議員が質問に立ちました。

塩村あやか議員

 塩村議員は自身も国旗を大切に思う立場だとしたうえで、今回の法案は「国旗を大切にする感情」の問題にとどまらず、国家が新たな犯罪を設け、逮捕や捜索、差押えを可能にする刑罰法規だと批判しました。処罰対象が曖昧なままでは、国民が「損壊に当たるのではないか」と萎縮し、国旗に触れたり掲げたりすること自体を避ける逆効果を招きかねないと懸念を示しました。

 その上でまず、国旗がヘイトスピーチの場で使われることの方が国民感情を害すると指摘し、なぜそのような行為が法案の対象外なのかと追及。これに対し提案者の一人である自民党の塩崎議員は、ヘイトスピーチは別途対応すべき問題であり、本法案は国旗損壊から国民感情を保護する趣旨だと説明しました。また、自己所有の国旗を損壊した場合の扱いが論点となり、塩村議員は、原則として違法性が妨げられるのか、それとも原則犯罪で例外的に妨げられるのかを問いただしましたが、塩崎議員は「個別具体的に判断する」と繰り返し、明確な基準は示しませんでした。

 また、塩村議員はこれまで示された事例はいずれも既存法で対応可能な他人所有の国旗に関するもので、自己所有旗の損壊事例は確認されていないとも指摘。SNS時代を理由に立法の必要性を主張する提案者側に対し、具体的な国内事例や海外事例との因果関係を示す資料はないと批判しました。塩崎議員は、現行法の「処罰の間隙」や海外事案の伝播可能性、国旗を大切に思う国民感情を踏まえて法案を提出したと説明しましたが、塩村議員は「問題が多いまま通してよいのか」と疑問を呈しました。

20260709参内閣委員会で質問に立つ塩村あやか議員


鬼木誠議員

 鬼木誠議員は、衆院の審議で提案者側から、本法案の成立を契機に「国旗を大切にする気持ち」や「愛国心」が醸成されるとの趣旨の答弁があったことを取り上げました。鬼木議員は、この答弁について、国旗への敬意や愛国心の強要につながるものと受け止められかねないと指摘し、法案の本当の狙いがどこにあるのかをただしました。

 提案者側は、法案は国旗損壊という外形的な行為を処罰対象とするものであり、個人の思想・内心に立ち入るものではないと説明しました。これに対し鬼木議員は、提案者として答弁席に座る議員が述べた発言である以上、「政治家としての答弁」として切り分けることはできないと反論。問題の答弁を撤回するのかどうか、明確にするよう求めました。

 続いて鬼木議員は、法案の立法事実について質問しました。提案者側は、SNSの普及やグローバル化により、海外での国旗損壊行為が日本国内にも影響を与え得るとして、将来に向けて国旗損壊事案を抑制する必要があると説明しています。これに対し鬼木議員は、国内で国旗損壊事例が増加している事実や、海外の事例が国内での損壊行為の増加につながる明確な根拠は示されていないと指摘しました。

 さらに鬼木議員は、将来への懸念だけで刑罰を新設できることになれば、あらゆる行為を処罰対象にし得ると述べ、予防的立法として刑罰を設ける根拠の不十分さを追及しました。保護法益についても、提案者側が「国旗を大切に思う国民感情」と説明していることに対し、感情という曖昧なものを刑罰で保護することは、罪刑法定主義や明確性の原則を揺るがしかねないと問題視しました。

 鬼木議員は最後に、「人に著しく不快または嫌悪の情を催させるような方法」という構成要件も曖昧であり、何が処罰対象となるのか国民に明確に示されていないと指摘しました。その上で、捜査当局の裁量拡大、誤認逮捕や私人逮捕の濫用、政治的表現の萎縮につながるおそれがあるとして、「今日の答弁を聞いて、国民の皆さんが『分かった、安心した』とはとてもなっていない」と述べ、法案の問題点を重ねて指摘しました。

20260709参内閣委員会で質問に立つ鬼木誠議員