参院本会議が3月28日に行われ、村田享子参院議員が「令和5年度予算3案」に反対の立場から討論を行いました。
村田議員は、予算に反対する理由として、(1)未曽有の防衛費増額(2)中小企業対策費や農林水産関係予算が前年比で減少となっている(3)子ども子育て予算の全貌が見えない(4)岸田内閣の目指そうとする社会像が明らかでない――ことをあげました。
岸田総理が防衛費をGDP比2%に増額することを宣言したことについて「真に必要な予算を積み上げた結果、防衛費の一定の増額につながることは理解できますが、規模ありきの増額だ」と村田議員は指摘。実戦的ではないのに購入費の高い防衛装備品を調達するのではなく、時代の変化に対応した質の高い防衛力の整備を推進することを求め、また復興特別所得税を防衛費に流用することは「断じて認めることはできません」と話しました。
政府が「物価上昇を超える賃上げ」や価格転嫁を進めると言いながら、中小企業対策費が減っていることに触れ、「本気で賃上げに取り組んでいるのかその姿勢が問われる」と村田議員は述べました。また、ロシアによるウクライナ侵攻の影響で「食料安全保障の強化は必須」であるにも関わらず予算が減って酪農への支援が十分ではないと村田議員は述べました。
岸田総理が倍増すると発表した子ども予算の具体策について、「国会の審議で明らかにせず、倍増の基礎となる予算の範囲についても不明なまま」と指摘。「政権の最重要課題であるならば、予算案で提示し、その具体的な内容について国会で審議すべきだ」と求めました。
岸田内閣が物価高騰対策を打ち出すなか、LPガスや工場向けの特別高圧電力の負担軽減や児童手当の所得制限撤廃等は立憲民主党がかねてから求めてきたものであることを村田議員は取り上げ、「政府与党の対策は、野党の主張を一部取り入れて争点を無効化するための小手先の弥縫策(びほうさく)に過ぎないのではないか」と述べました。旧民主党政権下では、社会の分断を生まないために線引きをなくし全ての人が受益者になれるようあらゆる施策において所得制限撤廃が目指されるべきという考えのもと、高校無償化や子ども手当の制限ない支援を行ってきたと説明。一方で政府案は「野党の要求や世論の高まりなどに押され、やむを得ず今回の政策を出してきた感は否めず、そこに拠って立つ政治思想を読み取ることは困難だ」と述べました。また、予算委員会で政府が「詳細は差し控える」という誠意のない逃げ口上を連発し、「充実した質疑が行われたとはおよそ言い難い状況だった」と指摘。「今後、個別の政策について誠実な答弁を強く求めるとともに、政策の拠って立つ理念や社会像についても、大所高所に立って議論を進めていくべきだ」と村田議員は岸田総理に求めました。