岡田克也幹事長記者会見

2023年7月25日(火)15時01分~15時39分
発行/立憲民主党役員室

★会見の模様を以下のURLで配信しています。
https://youtu.be/zasNySShvqI


■冒頭発言

■質疑


■冒頭発言

○内閣支持率の続落について

【幹事長】
 暑い中、ありがとうございます。
 私からは、きょうは常任幹事会はございませんので、そのご報告はありません。それ以外に私の若干思うところを申し上げたいと思います。
 内閣支持率が引き続いて落ちているということと、自民党の支持率も低下という、そういう調査結果もあります。私は、やはりマイナンバーカードをめぐる混乱というのが非常に大きいのかなと思っていますが、でも、それだけではないのだろうなというふうにも思います。ぜひ皆さんから教えていただきたいと思いますが、何が原因でこれだけ大幅に支持率が低下しているのか。政治一般に対する不信感というのもあるのかなというふうには思っております。
 国会が終わりまして、私も地元を回っているのですが、やはり内閣のやってきたことの中で、まずは防衛費の倍増ということに対する拒否感は非常に強い。もちろん私も防衛費を現在の安全保障環境の下で増やすことは必要だと考えるが、2倍は、それは違いますということを申し上げております。多くの方が、防衛費を増やすということについては一定の理解を示しておられますが、GDP比2%になって、アメリカ・中国に次ぐ大きな防衛費を持つ国、軍事費を持つことになるということ、あるいは、ほかのさまざまな高齢化対策や子ども対策がある中で突出して防衛費を増やすということに対する拒否感は強い。それも支持率低下の一つの大きな原因かなというふうに思います。
 もう一つは、原発の話でありまして、北海道でも申し上げたのですが、現状を考えれば、一定の範囲で、もちろん規制委員会がゴーサインを出したものについて、地元の理解が得られれば再稼働をすることは認めていく必要があると。なぜならば、電力需給が逼迫している中で、これ以上石炭をどんどんたくという選択もないという中で、現実的に考えれば一定の再稼働は必要だと思っております。
 ただ、岸田さんの言うように、原発を最大限活用するとか、依存度を下げていくと言っていたのが突然最大限活用になり、そして、新規の原発を造るかという問いに対して、それは想定していないというふうに、これは安倍さんも菅さんも参議院選挙のときの岸田さんも答えていた中で、去年の12月から突然、新しい原発も造るし、そのために技術開発に国費も投入するというふうに変わってしまったことについて、私は時々、手を挙げてくださいということで聞くのですが、即ゼロ、全部止めるべきだという方は1割から1割5分くらいいらっしゃるかなと。会場によっては半分くらいいらっしゃる会場もありますが、大体1割プラスアルファくらいかなと。それから、現在再稼働はやむを得ないが将来は新しいものは造らないというのが、7割、8割くらい。では、岸田さんの言っている考え方について賛成という人は、どの会場も、いて一人という状況ですね。つまり、最大限活用するとか新しい原発を造るなどということは国民は考えてもいないというのが私の受け止めです。それにもかかわらずどんどん進んでいくというのは、それだけ民意と政治がかけ離れているということなのだと思います。
 もう一つは、やはりマイナンバーで、来年の秋に(現行の保険証)廃止ということに対しては非常に強い拒否感があります。最終的にはマイナンバー(カード)に一体化するということで賛成という方もいらっしゃいます。我々もそれを否定しているわけではないのですが、ただ、来年の秋と言われると、それは急ぎ過ぎだという声が圧倒的であります。
 この三つが岸田政権の支持率を押し下げている原因になるのだろうと私は思っておりますが、ただ、その中で維新が支持率を上げているというのが理解できないわけであります。というのは、維新は今言った三つ、いずれも政府案に賛成しているわけで、防衛費なども、防衛増税は反対ということですが、GDP比2%ということについては賛成だし、むしろ、それ以上必要だというような発言もあったりするわけです。
 時々言うのです、「保険証の来年秋の廃止はけしからんですよね」と。多くの方が「そうだ」と言われます。「維新はそれを率先してやっているんですよ。法案に賛成しているんですよ。皆さんご存じですか」と言うと、知らない人が多いわけで、その辺は伝え方、伝わり方の問題もあるのかなと思っております。
 やはり筋の通った、しっかりとした政策を展開してきたのが立憲民主党であるということを自信を持って訴えていくことが大事だと思っております。
 私が申し上げたいことは以上であります。あとは皆様のご質問なりご意見をいただければと思っています。


■質疑

○国民民主党代表選について

【共同通信・恩田記者】
 きょう国民民主党の代表選の事前説明会が行われ、玉木代表が出馬を表明され、前原さんは出馬へ意欲を示しているという状況だ。今回の代表選の中で他党との連携について争点になりそうだが、これについて、他党のことで恐縮だが、幹事長の見方を教えていただきたい。

【幹事長】
 他党の代表選挙なので、私はあまり突っ込んで言うつもりはないのですが、玉木さんが、そういう路線の論争はなじまないという趣旨のことを言われたのは、私には非常に理解に苦しむところであります。政党にとって、どういう路線で行くかというのは最も重要なところで、それが争点にならないほうがいいみたいな、そういう及び腰というのは一体どういうことなのだろうかと。堂々と、前原さんはおそらく維新ともっと距離を縮めるというお考えだと思いますし、玉木さんは是々非々で自民党ともやっていくんだということですから、そういったことを前面にしっかり説明されて代表選挙をやられたらどうかと思います。
 私としては、我々が言っている大きな固まり。そういう考え方の人も本来かなりいらっしゃると思いますので、二人に限らず、もっと候補者も出てきて、お互い、これは党の存続が懸かった話ですので、しっかり真剣な議論をされるべき、されればいいのではないかというふうに思っています。

【共同通信・恩田記者】
 もう一点。週末に令和臨調が行われ、泉代表は国民民主党に対して選挙協力とまでは言わないまでも連携を呼びかけたわけだが、これについて今後何かのタイミングで、さらに国民は今のところかなり厳しい路線ではあるが、今後どういう形で交渉していきたいか、幹事長のお考えをお聞きしたい。

【幹事長】
 私はずっと大きな固まりということを言っております。考え方はほとんど変わらない。だんだんこう開きが出てきているかもしれませんが、実はそんなに変わらない。しかも、働く人を代表する、そういう政党。これがばらばらになっていることがいかにこの国の政治をおかしくしているかということを考えれば、しっかり協力していくべきだと思います。

○マイナカード問題について

【朝日新聞・木佐貫記者】
 先ほどのマイナの件で伺いたい。本日、自民党の世耕参院幹事長が、保険証廃止の先送りを示唆する発言をした。昨日、萩生田政調会長もそういった発言をされた。こうした与党内からマイナの健康保険証の先送りの話が出ていることについて、幹事長はどのようにお考えか。

【幹事長】
 国民の今の強い反発を考えれば、そういう声は出てくるのかもしれません。しかし、そうであれば、どうして通常国会で法案を成立させたのか。そのことが問われると思います。これは与党2党だけではなく国民も維新もそうなのです。
 誰が考えても来年の秋というのは厳しいということがわかっていながら、それを成立させたことの責任。その責任について言及せずに、単純に延ばしたらいいと、無責任なことを言っている。非常に問題だと思います。

【朝日新聞・木佐貫記者】
 関連だが、あした閉中審査がある。立憲民主党も追及すると思うが、河野大臣が大事な時期に外遊に行っていたり、あるいは、そういった問題は相変わらず噴出する状態だ。立憲民主党としてはどのような戦いをされるというか、どのようなことを追及されるか。改めて幹事長からお願いしたい。

【幹事長】
 それは個々の質疑者が、今、練りに練っておられるところですので、私がそれを先取りして言うつもりはありません。
 ただ、やはりどうして来年の秋までに廃止をして一本化しなければいけないのかということの説明を、まずしっかりしてもらいたいと思います。
 それから、いろいろな問題、トラブルが発生しているわけですね。そこについて、なぜそういうことになったのか。今、全面的な見直しとか言っていますが、それをいわば命令されたほうの自治体や健保組合などは大変な状況だと思います。中央で、自分たちのミスであるにもかかわらず、そういった実施部隊が問題があったような感じで点検の号令をかけた。そういう姿も非常に問題だと思っています。

【朝日新聞・木佐貫記者】
 最後に、河野大臣の責任というか、こうした混乱を招いたこと、あるいは外遊にこの時期に出ていたことを踏まえ、例えば大臣に対して辞任を求めたり、あるいは大臣は辞任をすべきだといったことについて、幹事長はどのようにお考えか。

【幹事長】
 あまり軽々にそういうことを言うつもりはありません。それはこれからの議論次第。
 ただ、問題はあしたの議論で終わるわけではないので、しっかりと総理も出てきて説明する、そういう機会を早くつくることだと思っています。

○「内閣支持率続落」「旧統一教会問題」等について

【フリーランス・宮崎記者】
 内閣支持率の件と選挙の件で伺いたい。まず、内閣支持率に関しては、マスコミに教えてくれといったことだったが、LGBT理解増進法に関して、岩盤保守層と呼ばれる安倍さんの頃からの自民党支持者が一部剥がれたのではないかというような観測もある。玉木さんもそういったことをおっしゃっているようだが。小選挙区は今、投票率が低いですから。そういった岩盤保守層と言われる安倍さんを支持していた人の支持が剥がれたと感じたことはあるか。

【幹事長】
 岩盤保守層というのが一体何を指すのか、そこの人たちがどういう主張をしているのかというのがよくわからないので、直接お答えするつもりはありませんが、ただ、日本会議とか、旧統一教会とか、そういうところは確かに怒っているでしょうね。

【フリーランス・宮崎記者】
 前回、先週の常任幹事会で、衆議院の現職と新人・元職の総支部長が151人になったかと思うが、その事実と、前回おっしゃらなかった150というのが、泉代表の発言で150という数に意味合いがあるのでおっしゃらなかったのかということと、それから、大ベテランの現職の中で内々に代替わりの意向を一人くらい聞いているということもひょっとしてあったのかなと。大ベテランの現職の中で一人か二人くらい、内々に代替わりを実はしたいということを執行部に言っている人がいるのかなというふうな憶測を先週私は思ったが。

【幹事長】
 憶測です、それは。

【フリーランス・宮崎記者】
 151人に達しているのかどうか。それから、特段おっしゃらなかった理由を教えていただきたい。

【幹事長】
 人数をいちいち確認は私はしておりませんので、たぶん151ではないかと思いますが、それはまた来週常幹があれば増えるし、特に150という数字が重要だと思っておりませんので、私が言っている150というのは意味が全く違いますので、自民党と互角ないしそれ以上に戦える人を150そろえると、そういう意味ではまだそれには至っておりません。今、既に決まっている人の中に、その定義に当てはまらない人がいらっしゃることは事実なので、もっともっと努力しなければいけないと思います。
 もう一つは、全体の数として200ということをコミットしていますので、互角に争う人150プラス、そうでない、そこまで届いていない人が50くらいのイメージで、今、作業を進めているということです。

【フリーランス・宮崎記者】
 最後に、今のお話の中で、旧統一教会の話が出てきたが、文化庁は質問権の行使に向けて再度基準を見てもらう宗教審議会を開くそうだ。今後また質問権を経て、最終的にはこれから解散ということもあるかと思うが、一部では解散命令をやりたくないからだらだらやっているのではないかという観測もある。旧統一教会に対する文化庁・文部科学省の姿勢についていかがお考えか。

【幹事長】
 まず、説明してもらいたいですね。何が問題になっていて、どこが不十分だから、解散(命令)を請求できないのかと。できないならば、その理由をきちっと政府は国会に対して、国民に対して説明しなければなりません。それなしで「やはりやりません」というのはあり得ないし、しかも、もう時間が随分たっていますので、またこの調査を続けるというのは、もう限界に来ていると思います。
 これ以上だらだらとやるということになると、やはり旧統一教会の反撃が怖くて(解散命令請求の)行使ができないでいると。今の岸田内閣がですね。そういう見方が出てきても仕方がないですよね。もうぎりぎりの状況だと思います。

【フリーランス・宮崎記者】
 永岡大臣のところのカウンターパートでやっている国対の人に聞くと、永岡大臣は非常に真摯な答弁をする人だそうだ。大事なところは役人の紙を見るが、野党議員がこれを言ってほしいというところは自分の言葉で言って、大臣は非常に印象がいいということだが、今のその統一教会に関する説明は、いつ、誰が、どういった場ですべきだとお考えか。

【幹事長】
 ですから、調査を(終えた後)、裁判所に(解散命令の)請求をするにしても、しないにしても、その際にはきちっと説明しないとだめだと思います。当然、裁判の場でもいろいろ述べることになるわけです、政府は。だから、そういったものはきちんとあるわけで、ましてや裁判所に請求しないということになれば説明責任は政府にあるわけなので、いずれにしても、もうそろそろきちんとした体系立った説明が求められる、そういう段階だと思います。

【フリーランス・宮崎記者】
 今回7回目の質問権ということで、7回目だと思うが、もうこの質問権で説明はすべきだということか。

【幹事長】
 区切りのところでですね。

○中古車販売大手の保険金不正請求問題について

【日本経済新聞・関本記者】
 中古車販売会社のビッグモーターの不正問題に関して伺いたい。きょう社長が会見し、引責辞任すると表明した。国交省が26日に聞き取り調査をするほか、損保各社が損害賠償を請求するなど、一企業の不正にとどまらず問題が広がりを見せている。この問題についてどう幹事長は見ていらっしゃるかお聞きしたい。

【幹事長】
 本当にひどい話で、企業としての社会的責任というよりも、犯罪ですよね、これは。わざと傷をつけて高く請求するとか、そういったことが行われていたとすれば、これは日本の経済界にとっても大きな汚点になるような、そういう事件だと思います。
 あわせて、損保会社も出向者を出したりして、本当に知らなかったと言えるのか。いっぱい請求が来て、損保会社にとっても悪い話ではないので、片目をつぶっていたのか。そういうことも含めて、きちんと説明責任が果たされなければ、一つの会社の問題だけではなく、損保業界全体の信用に関わる話だと思います。

○世論調査の結果について

【毎日新聞・中村記者】
 先ほど言及のあった内閣支持率に関連して。弊社の世論調査では、自民党の政党支持が減少した一方で、立憲民主党の支持は増えなかった。この結果は、幹事長が今全国を回っておられると思うが、その活動の中で持っておられる実感と一致しているのかどうか。また、一致しているのであれば、支持が増えない理由をどのように分析されているのか教えていただきたい。

【幹事長】
 説明不足だと思います。もっと堂々と各選挙区・総支部で説明すべきだということだと思います。
 先ほど私が指摘した、例えば保険証を来年の秋に廃止するという法案に、維新も含めて、実は国民もですが、4党が賛成している。立憲はそれは早過ぎると言って反対した。それから、原発についても、今まで原発依存度を減らす、新しい原発は想定していないと答えていた与党が、最大限活用するし新しい原発を造るというふうに大きく方針転換したんだと、そういうことも伝わっていないのですね。それに対して異を唱えたのが立憲民主党であると、そういうことがきちっと伝わっていけば私は支持率はもっと上がるはずだと思います。
 メディアの皆さんも、ぜひそういう事実がわかるような、そういう報道をしていただけるとありがたいと思います。

【毎日新聞・中村記者】
 活動されている中で、立憲民主党がやってきたこと、主張していることがなかなか伝わっていないというふうな実感をお持ちになったのか。

【幹事長】
 もっともっと伝えなければいけないと思います。メディアの皆さんにもそれを期待したいと思います。

○維新・馬場代表の発言について(1)

【産経新聞・児玉記者】
 日本維新の会についてお尋ねしたい。維新の会の馬場代表が、共産党はなくなったらいい政党などと発言し、それに対して共産党の小池書記局長が、存在そのものを否定するのは民主主義の否定だと抗議して撤回を求めた。この事態を幹事長はどのようにご覧になっているかと、馬場代表は、立憲民主党がいても日本は何もよくならないというような発言もされており、こちらについての受け止めもお願いしたい。

【幹事長】
 我々は大人なので、馬場さんのいろいろな発言、統一地方選挙の間もありました、そういうものはなるべくむきになって反論しないようにはしてきました。同じ野党だから、あまりぎくしゃくしたくないなという気持ちもありました。
 ただ、公党のトップとして度が過ぎているとは思いますね。特に、ないほうがいいとか、それは共産党の小池さんが言われるのはもっともだと思います。別に共産党だから私は言っているわけではなく、我々も言われたら猛然とそれは反発しますよ。
 やはりいろいろな意見があって、考え方があって、それをお互い議会の中で披瀝し合って、そして一致点を見つけていくというのが民主主義の最も基本のところで、全くそのことがわかっていない馬場さんの発言だと思います。立憲民主党に対する発言も含めて、撤回を求めたいと思います。恥ずかしい話だと思います。

【時事通信・御船記者】
 今の質問に関連して。馬場代表は、立憲民主党との協力について、未来永劫ないと完全に否定されているが、改めてになるが、維新との今後の関係をどう築いていくのか。候補者調整を呼びかける考えがあるのか。その点も含めて見解を伺いたい。

【幹事長】
 協力の意味なのですが、国会の中での協力は統一地方選挙の前まではやってきましたし、昨年の国会では(旧)統一教会の被害者救済法を一緒になって自民党と交渉して一定の成果を勝ち得たというふうには思います。ですから、国会の中で野党第1党・第2党がお互い協力することで、いろいろなことができると思うのですね。この国会でも、旧文書交通費の公開に関する法案とか、たしか5、6本、法案を国会に共に出しました。そのことは成果だと私は思います。統一地方選挙の辺りで、馬場さんのいろいろなご発言もあったりして、なかなか難しくなってきましたが、本来であれば、私たちは粘り強く、国会の中で協力できるところとはどことであっても協力しながら一定の成果を目指していきたいと、これが基本的なスタンスだと思います。
 選挙に関しては、何度も申し上げますように、自民党が増えてもいいんだと、立憲を潰すんだと、そういう非常に無礼なことを公然と言う党首がいる党とは、なかなか候補者調整とかそういう話にはなりません。選挙協力はもちろんあり得ない、考え方が違いますから。候補者調整というのは、考え方が違っても、お互いにウイン・ウインの関係ができれば部分的にはあり得ると私は従来から申し上げていますが、その気も全く維新にはないわけなので、現時点ではそれは考えられない状況だと思います。
 ただ、維新も若い人たちの中に我々と考え方の変わらない人は結構いるし、なかなかそういう声が出せないでいると思うのです、党内で。そういう意味で、さきの通常国会で我が党の若手の議員と維新の若手議員が共通の勉強を、課題を持って勉強したり、お互い交流したりしたということは、無駄ではなかったと、将来それは生きる場面が出てくるだろうと思っています。すぐではありませんけどね。長い目で見て、私は期待をしている部分があります。

○「エネルギー政策」「処理水の海洋放出に関する議論」について

【フリーランス・堀田記者】
 福島1Fの処理水のことと、岡田さんが先週の土曜日に北海道で発言した原発の再稼働についての距離というか工程ということで聞きたい。理解ということを、二つの問題で理解があるわけですよね。理解と言うのだが、例えば、処理水に関して言えば、もう社民党などは処理水ではなく汚染水と公的に言っている。こういった人たちの理解を求めるということは、どれくらい必要だと思うか。どれくらいのパーセンテージで打ち切って、ゴーサインを出すと思うか。それから、原発に関して言っても、もう初めから話にならない人たちが多い。話にならないと言ったら大変失礼かもしれないが。もうとにかく原発はなくすべきだと言っている人がいるが、そういった人たちの理解を求める、あるいは、その理解の度合いがどれくらいであれば要するに再稼働してもよろしいと幹事長はお考えか。

【幹事長】
 ご質問の趣旨がはっきりしないので、どこまで答えられるかわかりませんが、まず、処理水については、前回も、あるいは前々回かな、ここではっきり申し上げました。科学的にはもう結論が出ているというふうに党としては考えております。ただし、阿部さんとかいろいろな意見がありました。学者の中にも、まだ問題が残っているんだと言う方もいらっしゃる。そういう考え方を議員個人として持たれることは、それは私、政党として絶対そういうことは持ってはいけないという、そういう立場にはないと思います。
 党としては、もう科学的には決着がついていると。しかし、それがどういう影響を及ぼすかということについては、我々としてはもっと早くしっかりと対応してもらいたかったし、いまだにやはり、処理水を放出することで、漁業者の皆さんに影響が及ぶ、つまり魚価が下がったりとか売れなくなるという、そういうリスクはありますので、そういうことのないようにもっと早くから全力で取り組んでもらいたかったと思っております。
 中国などは、やはりこれを政治的に使ってきていると思います。そこは誠に問題だと思います。ただ、それにしても、もう少し対話をしながら、うまくできなかったのかと。もう既に日本からの魚の輸出が事実上できなくなっていますから、中国に対して。冷蔵のものならば、全品調査ですから、結局できなくなっているという、そういう非常に厳しい事態が今来ていて、漁業者に及ぼす影響がすごく大きい。そういう事態について、もちろんおかしいのは中国側ですが、でも、そういう事態を招いたことについて、私は、もう少しうまく対応できなかったのかという思いはあります。
 原発については、すぐ全部止めるべきだという意見は党の中にもあります。かつてはそういう、それに近い考え方をお持ちの方は多かったかもしれませんが、議論を重ねてくる中で、特に私は、政権を取ったときにできない政策は、それは言うべきでないということを繰り返し申し上げてきています。夏の電力需給が逼迫するということも想定される中で、今稼働している原発を全部止めるとか、あるいは、これから再稼働は一切新たには認めないとか、そういったことを言える状況ではないと思います。
 2050年には100%自然エネルギー、あるいは自然エネルギー由来の水素で対応するということは党として決めていますが、それまでの間、一定の自然エネルギーが導入されるその隙間と言いますか、それが十分でないところについては、原子力エネルギーに依存せざるを得ないということだと思っています。

【フリーランス・堀田記者】
 東京電力に対する注文というのはどのくらいあるか、岡田幹事長からしてみて。

【幹事長】
 注文ですか。
 事故時の対応は、これは本当にひどいものだったと思います。今はまだ裁判をやっていますからあまり具体的に言わないほうがいいのかもしれませんが、そもそも大きな地震が起こって津波が来るという想定を軽視したこと。それから、壁を高くするということが間に合わなかったとしても、防水措置をすることで水が予備電源に入ってくることが防げたかもしれないということも言われています。そういった対応が全くなされなかったことは、本当にひどい対応であったと思います。
 それから、今の柏崎刈羽などは、やはり規制庁のリクエストを十分満たせていないという状況が続いています。これももっと本気で取り組んでもらいたいと思っています。

○維新・馬場代表の発言について(2)

【北海道新聞・今井記者】
 先ほどの馬場代表のテレビ番組の発言についての関連だが、共産党はなくなったらいいといった発言のほかに、自分の党のことを第2自民党というふうに例えられ、第1自民党と第2自民党が改革合戦をすることで日本がよくなるといった趣旨の発言もされた。第2自民党というのは、例えば立憲側がやゆするような形で維新について言うことはあったと思うが、代表が自らこういうふうに自分の党は第2自民党と言ったわけだが、この発言については幹事長はどのようにご覧になっているか。

【幹事長】
 コメントしなければいけないのですかね。
 我々はかねがねそういうふうに思っていましたので、「ああ、やはりご本人もそうだったのか」という確認をしたという感じですね。
 ただ、改革合戦をするというのは、これまたよく理解できない話で、まず、自民党が改革する政党だと思っているのですかね。そうでなければ改革合戦という言葉は出てこないわけで、お話を聞いていると、自民党が好きで好きで仕方がないというふうにしか聞こえないご発言ではないかと思います。
 我々はやはり、自民党に対抗して、異なる視点で、リベラルから中道、そして良識の保守も含めた、そういう幅広い人たちに支えられる、そういう政党でありたいと思っています。
 同じ土俵で、同じような政策で、同じようなスタンスで争う2党。これは本来の意味の政権交代可能な政治とは言えないと思っています。

○次期衆院総選挙に向けた取組について

【テレビ東京・川崎記者】
 先ほどの大きな固まりの話だが、きょう玉木代表が、いわゆる大きな固まり論は否定しないが、野党間で協力をした結果、何をするのかというのが明確に誰も答えていないというふうに発言している。衆院選を控えてまだマニフェストとか出ていない状況だが、選挙協力をして野党が固まって与党に対抗する勢力になった場合に、現状、保険証の廃止の延期とか、増税しないとか、そういった方針のような、どういった政治であるとか、どういった政策を目指すのか。今の時点で構わないので大まかなビジョンを伺いたい。

【幹事長】
 何を聞かれているのか、私、よくわからないのです。失礼ですけれども。
 まず、同じ政党になるという話をしているのか。それとも、選挙で協力していく話をしているのか。どちらなのですか。

【テレビ東京・川崎記者】
 選挙協力のほうです。

【幹事長】
 選挙で協力していくならば、最低限の共通政策を掲げて選挙協力をするということになると思います。それは国民民主党さんがどう考えているかということもお聞きしないと。そして、お互いに共通の、たぶんエネルギー政策などは今だと違いますよね。防衛費だって、もっと増やすと言っているわけですから。だから、そこは確かに違う。
 ただ、それも本当に国民民主党全体の考えなのかどうかも私にはわかりませんので。新しい原発を動かすという話は、ずっとそういう話は民主党時代にはなかったのです。玉木さんが、ある日突然、代表質問で言われたというのがそのスタートで、それが本当に国民民主党の中の総意なのかどうかも私はわからないのです。
 だから、そういう党の政策自身がはっきりしない。代表は言っているけれども、それが本当に党の政策かどうかわからない。そういう状態で何が一致しますかと聞かれてもお答えのしようがないです。