野田佳彦代表は10月4日、自民党総裁選挙で高市早苗氏が新総裁に選ばれた結果を受け、千葉県千葉市内で記者団の取材に応じました。

 野田代表は冒頭、「女性最初の自民党総裁、おめでとうございます」と祝意を表明。その上で、「何よりも党内改革にしっかりと辣腕(らつわん)を振るってほしい。昔からがよく知っているが、ガッツのある人なので国家国民のため、いい政策実現のための善政競争をしていきたい」と述べました。

 保守的な考え方が目立つ高市新総裁に対し、立憲民主党としてどう対峙(たいじ)していくかについては「立ち位置としては、中道ど真ん中でぶれずにいくことが、高市さん率いる自民党との違いになってくると思う。ここはしっかりとぶれずに進めていきたい」と強調。参院選挙での参政党の躍進に続き保守的な高市氏が新総裁となったことに、「世界の潮流に日本が追随するような流れになっているのではないか」との問いには、「コアな保守層の行き場がなかったところに、地方の党員票が動いたのではないかなと思うが、そういう世論があることを押さえながらも、われわれはその偏った動きにならないようにチェックするのが自分たちの役割だと思う。違う軸が並行してあると示していくことが大事ではないか」と述べました。

 政策実現などについてどう向き合うかとの問いには、「まずは石破執行部の皆さんと給付付き税額控除や、ガソリン税の暫定税率の廃止、政治とカネの問題の協議をしている最中であり、石破執行部も後の方に引き継ぐという話をしているが、その言葉を受け止めていただき、この協議から成案を得られるようリーダーシップを振るってほしい」と期待を寄せました。

 物価高対策をめぐっては、「速やかに役員を決めて、速やかに国会を開いて、そして物価高対策を含む補正予算の審議をしたい。またその要求をしていきたい」と述べました。

 首班指名選挙については、「われわれも野党が一致すれば可能性はなくはないので、相手も決まったので、それが可能かどうかを探っていきたい」と述べました。

 高市新総裁のあらためての評価については、「元々、松下政経塾で私が1期生のときに彼女が5期生だった。5期生が入ってくるときの面接を担当し、二重丸をつけている。見誤ったらいけないと思っているので、しっかりと良い仕事をしてほしい。国家国民のことを真剣に考えているという意味では、背骨のある政治家だと思う。一方で、私とは意見の違うところもいろいろあるので、そういうことは論戦を通じて正すところは正し、一致点を見い出せる点は見出せるようにしていきたい。切磋琢磨していきたい」と述べました。

 また、高市新総裁が総裁選で野党との連立政権の可能性に言及していたことから、連立の可能性を問われると、「政策協議は、衆参ともに少数与党に追い込んでいるチャンスであり、いま石破執行部ともやっている。それが実るように引き続き、高市さんの指導のもとの自民党でもやっていきたいが、連立政権はまた別の話。またそういう依頼もないだろうと思う」と否定しました。