立憲民主党つながる本部は11月4日、三重県での労働者協同組合(労協)の取組みについて視察を行いました。2022年に施行された「労働者協同組合法」は、労働者が組合員として出資し、その意見を反映して、自ら従事するという新しい働き方を通じて、持続可能な地域社会を実現していくことをめざす法律で、本年10月1日時点で同法に基づいて全国で168の労協法人が設立されています。三重県は行政と労協の連携が進んでおり、全国第一号の労協法人も同県で誕生しました。

視察ではまず、四日市市内の「地場産業振興センター」研修室で日本労働者協同組合連合会理事の中野理さんより、労働者協同組合に関する直近の状況について説明を受け、続いて三重県庁の担当者から県内の労協法人設立状況(現在5法人)、労協を活用するための協議会(県、3市4町、経済団体、労働団体、労協法人で構成)が実施しているシンポジウムやワークショップ、相談事業について説明を受けました。協議会構成メンバーでもある「労働者協同組合ワーカーズコープみえ」の松本拓磨さんからも、同団体が取り組むデイサービス事業や清掃事業について説明がありました。

続いて訪問した鈴鹿市の「特定労働者協同組合コモンウェーブ」では代表理事の山浦久美子さんから説明を受けました。同団体は放課後等デイサービス事業、フリースクール事業、中高生の居場所づくりや体験活動、子ども食堂やフードパントリー、キッチンカー事業等に取組んでいます。山浦さんからは労働者協同組合の基本原理のひとつである組合員の「意見反映」をどのようにして実現するか、社会課題の解決に取り組みながら、仕事を興し、生きづらさを抱える人の雇用・収益の確保をいかに両立させるか、複合的な課題を抱える子どもたちへの食事提供や居場所づくりの必要性など、現場で直面する様々な課題と今後の展望について示唆に富んだお話しを伺いました。


最後に訪問した四日市市の「Camping Specialist労働者協同組合」では設立発起人のひぐち龍馬さんから説明を受けました。「Camping Specialist労働者協同組合」は、労協法人設立全国第一号の団体で、キャンプ場の運営や野外活動を通じて、荒れ地を「持続可能な愛される土地」に、「多様な仕事が生まれることで、あらゆる人財(人材)に価値を創り出す」ことを目指して活動しています。ひぐちさんは、荒れた山林原野を開墾する過程で仲間が増えたことなどを紹介しながら、NPO法人でスタートした取り組みが、様々な課題に対応していくために労協法人、NPO法人、株式会社を並立で走らせる形に発展した経緯を話されました。また、労協の枠組みを使ったことのメリットについてひぐちさんは「経営者のマインドが変わったこと。『お金を出した人が偉い』から『働いた人が偉い』に変わった。これは決定的だった」と述べられました。


視察には党つながる本部事務局長の高木真理(参院議員)のほか、庄嶋孝広(大田区議)、中村あきひろ(墨田区議)、髙木聡子(狛江市議)、橋本成年(兵庫県議)、山本忠相(和歌山市議)、川久保可不可(香南市議)、要友紀子(和歌山県連副幹事長)が参加しました。

今回訪問した労協法人の紹介動画を以下からご覧いただけます。
〇特定労働者協同組合コモンウェーブ(鈴鹿市) https://www.youtube.com/watch?v=BueO_jpr4Tk&t=1s
〇キャンピング・スペシャリスト労働者協同組合(四日市市) https://www.youtube.com/watch?v=NCNonuTw7LQ
